グループウェア導入によるメリットとは?

2023-07-27

グループウェアとは

グループウェアは、主に組織間の情報共有やコミュニケーションをスムーズに行うためのシステムです。

グループウェアのなかにはメールやスケジュール管理をはじめ、タスク管理、連絡先一覧、施設予約、掲示板などの機能が含まれています。具体的に、グループウェアの機能にはどのようなものがあるのか詳しく確認していきましょう。

ファイルの管理

グループウェアは、サーバーを経由せずにファイルの管理が可能です。

もちろん他者との共有もでき、グループウェアのメンバーであればいつでも閲覧できます。

書類や文書はもちろんですが、画像や動画なども格納できるので柔軟性が高いのが特徴です。さらにファイルやフォルダごとにアクセスの制限もかけられるため、情報漏えいの心配も低減できます。

スケジュールの管理

スケジュールの管理も、グループウェアでまかなえます。

管理に限らず、スケジュールの共有もできるので「誰に、何時に、どのようなスケジュールが入っているのか」が一目瞭然です。

スケジュール管理・共有は、部署やチームに応じて設定できます。メンバーに含まれていればいつでも全員のスケジュールを一括で閲覧でき、スケジュールが調整しやすくなるメリットがあります。

設備の予約

社内の各種設備を予約することも可能です。

設備の予約管理のほかにも、会議室なども予約できます。設備や会議室の新規予約もさることながら、変更やキャンセルもでき、予約がスムーズになります。

また予約状況が閲覧できるので、ダブルブッキングのリスクも防げるでしょう。

ワークフロー

グループウェアにはワークフロー機能もあります。

申請書の作成や承認、決済機能があり、業務効率化を促進できます。

申請書の作成などに必要な手続きを電子化できるので、スムーズな処理がシステム内で実現するでしょう。申請書の「作成」のほかに「検索」も可能で、過去の申請を遡って確認することも可能です。

さらに承認者や承認ルートも設定・変更できるため、人員配置に応じて柔軟に対応できます。

ワークフロー・申請は紙で行うと「今どこにあるのか、誰のところまで進んでいるのか」が明確でなくなりやすく、業務の停滞を招く原因となることも多々あるでしょう。

しかしグループウェアで管理すれば、申請者・承認者どちらにとってもわかりやすく、業務効率化を図ることができます。

掲示板・回覧板

掲示板や回覧板を共有する機能も、グループウェアには含まれています。人事や総務などの情報を通達したり、社内文書を回覧したりすることが可能です。

掲示板など掲載されるような一般情報のほか、限定したスタッフ間で共有する回覧板の機能があります。情報を周知する目的に合わせた機能があるので、社内では重宝するようになるでしょう。

利用するグループウェアによっては、公開日や通知するメンバーや部門を指定できるものがあります。

チャット

グループウェアには、チャット機能もあります。メンバー間で業務内容の確認などが手軽にできるようになり、社員同士のコミュニケーションが活性化されます。

メールよりもSNSのような見た目・使い勝手のため「ちょっとだけ打ち合わせしたい」といった場合にもちょうどよいツールになるでしょう。

もちろん、1対1のコミュニケーションだけでなく、複数人とのやりとりも可能です。

グループウェアの種類

グループウェアにはさまざまな機能がありますが、種類によって特徴が異なります。

グループウェアは「オンプレミス型」と「クラウド型」に分けられ、それぞれメリットやデメリットがあります。

具体的にどのような特徴やメリット・デメリットがあるのか、早速見ていきましょう。

オンプレミス型

グループウェアのオンプレミス型は、自社ですべてインフラを整えたものです。サーバーやネットワークは自社で環境やシステムを構築することが求められます。

オンプレミス型は、自社に適したシステムを作りやすくなっています。もともとのニーズに即したシステムを構築したい場合、オンプレミス型であればカスタマイズしやすいのがメリットに働きます。

自社の希望に合わせたカスタマイズが可能なので、すでに導入しているシステムとの連携もしやすいでしょう。また、オンプレミス型は自社で環境やシステムを整備するため、オフラインでの利用が可能です。

社内ネットワークで活用されることから、基本的にネットワークの接続がなくても利用できるので便利です。ただし、オンプレミス型を活用するには専門スキルのあるスタッフが必要です。導入にかかる費用も高くなる傾向があるので注意しましょう。

クラウド型

グループウェアのクラウド型は、クラウドサーバー上に用意されたソフトを利用する方法です。

クラウドサーバーは専門の事業者が提供しており、他社のサービスを利用することになります。そのため、専門スタッフが自社内におらずともグループウェアを活用できます。

「自社にインフラが整えるスキルがない」「まだインフラに投資できる余裕がない」といった企業は、クラウド型がおすすめです。クラウド型はインフラの調達や整備にコストがかからないので、初期費用が抑えられるでしょう。

インターネット環境さえ整っていれば、場所や時間を問わず利用可能です。しかし、オンプレミス型と比較するとカスタマイズ性は低いといえます。

既存のシステムと連携できないケースもあるので、システムが複雑化するかもしれません。

グループウェア導入によるメリットとは

グループウェアを実際に導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。6つのメリットを紹介しますので、それぞれチェックしていきましょう。

スムーズな情報共有ができる

グループウェアが社内に浸透すれば、社内で円滑な情報共有が可能になります。

これまでメールや電話が主な連絡ツールだった企業は、グループウェアの導入によってますます生産性も上がるでしょう。業務の進捗や必要な知識・情報のほか、新たな情報もメンバー全員と即座に共有できるので、情報共有の精度には困りません。

そのため、連絡ミスなどの小さなトラブルもなくせるはずです。ファイルや資料の管理も簡単になればノウハウやナレッジも共有されやすくなるので、売り上げアップも実現するでしょう。

外出先からもアクセスできる

グループウェアの導入は、外出先からでも必要な情報に触れられるようになることを意味します。マルチデバイスに対応している製品であることが条件ですが、クリアすれば外出先でもリアルタイムで情報を閲覧できます。外出先からアクセスできる点は、テレワークにも役立ちます。

在宅勤務だとしても必要な情報を共有し合ったり、コミュニケーションを取り合ったりできるため、業務に支障をきたしません。「もっとテレワークを推進したい」という企業には、マルチデバイスに対応したグループウェアの導入を検討してみてください。

WEB会議ができる

WEB会議ができることも、グループウェアを導入するメリットです。WEB会議機能があるグループウェアを利用すると、会議を開くコストや手間を軽減できます。社員が離れた場所にいたとしても、グループウェアを導入していれば心配いりません。

WEB上で会議ができるため、時間や場所を問わず効率的に話し合いの場をもてるでしょう。グループウェアのWEB会議は「共有事項があるが、少しの時間だけでいい」という場合も使いやすく、社員がそれぞれの場所で参加できます。

WEB会議には自分のデスクから参加することもできるため、社員の業務を妨げになることはありません。

業務を効率化できる

グループウェアを導入する最大のメリットは、業務効率化を促進できるというポイントです。まず、グループウェアではファイル共有機能があるため、ペーパーレス化を進められます。

これまでは紙で資料を作成し配布していた場合、ペーパーレス化を進めることですばやい情報共有が可能になるでしょう。紙をデータ化すれば、印刷にかかるコストや手間が削減されるので企業にとってはいいこと尽くしです。

また、ペーパーレス化は回覧も効率化します。社内において紙媒体で情報共有すると「書類が誰まで回っているのかわからない」といった問題が発生しがちです。しかし、データ化すれば全員にもれなく周知できるので、ストレスも解消されるでしょう。

コミュニケーションを活性化できる

グループウェアのチャット機能によって、社員同士のコミュニケーションが活性化されます。従来は電話やメール、FAXでの情報共有がメインだった企業は、チャット機能によってよりコミュニケーションが活発になります。

チャット機能では気軽にやりとりができるため、相談や連絡がしやすくなるでしょう。不明点などがあればチャットですぐに解決することも可能なので、社員一人一人の生産性がアップする可能性が高いです。

社内でコミュニケーションが活性化されれば、社員のモチベーションも自ずと向上していきます。チャットツールは、グループウェアの数ある機能のなかでも一番定着しやすいものかもしれません。

組織が抱える課題が見える

グループウェアを導入すると、組織がもつ問題点が「見える化」されます。たとえば、社員同士のスケジュール管理が一覧で確認できるようになり、仕事の進捗状況がわかりやすくなります。

タスクを管理する機能も運用すれば達成率なども可視化されるため、それぞれの社員の課題が見えてくるでしょう。社員が自分自身でタスク管理しやすくなる一方、特定の社員に業務負担が大きくなりすぎるリスクも防げる効果もあります。

上司の立場でタスク管理を利用すれば、業務の進め方に困っている社員にも気を配りやすくなるため、職場環境も改善されるかもしれません。

自社に適したグループウェアの選び方

グループウェアの導入機能をうまく利用するには、自社に合ったものを選定しなければなりません。どのような選び方がよいのかを解説しますので、ぜひ参考としてお役立てください。

どのような目的で導入するのか

グループウェアを導入する際は、必ずどのような目的で取り入れるのかに目を向けるようにしてください。目的が曖昧であればあるほど、グループウェアの導入は失敗しやすくなります。

企業に応じた目的によって、グループウェアの機能を選ばなければなりません。たとえば「社員同士のコミュニケーションをスムーズにしたい」「社内の情報共有を円滑にし、業務効率化を図りたい」といった目的が必要です。

どれだけ評判のグループウェアを導入したとしても、自社の目的に合わなければ社内の浸透率は低くなってしまうでしょう。

どれくらいのコストがかかるのか

グループウェアの導入には、ある程度のコストがかかります。コストは初期費用のほか、ランニングコストを含めて検討する必要があります。

「初期費用が抑えられるクラウド型がいい」と安易に選んでしまうと、ランニングコストでトラブルが生じることも多い傾向があります。クラウド型には月額費用とは別に、必要な機能に関してオプション料金が請求されることも珍しくありません。

初期費用の安さだけで選ばずに、ランニングコストも含めてきちんと検討するようにしましょう。なるべく複数のグループウェアを比べながら、自社に合ったものを選ぶとよいかもしれません。

セキュリティ対策は十分か

セキュリティ対策が十分に行われているかどうかも、グループウェアを選ぶのに必要な基準です。グループウェアで社員の個人情報や顧客の情報をまとめて管理する場合は、情報漏えいのリスクがつきものです。

人事や経理などの機密性の高い情報を扱う場合も、セキュリティ面は欠かせません。少しでもセキュリティ対策を強化したい企業は、暗号化やアクセス制限、マルウェア対策ができるかは最低限の基準に据えておきましょう。

基本的なセキュリティ対策ができているのかは、自社だけでなく顧客を守る姿勢にもつながります。

全スタッフが操作しやすいか

グループウェアを導入した企業のなかには「社内で浸透しなかった」といった失敗例もあります。このような失敗が生じてしまう原因には、全スタッフが操作しにくいといった理由が挙げられます。

グループウェアをしっかりと活用するには、当然ですが社員一人一人が使いこなせる機能でなければなりません。社員全員にITスキルがあれば問題ありませんが、そうでない企業の場合は導入前に社員にヒアリングを実施したほうがよいかもしれません。

ヒアリングをもとに操作性に優れたグループウェアを基準に選ぶと、失敗することはなくなるでしょう。また、グループウェア導入前には、社員へのサポート体制が整えられていることが必須です。教育やサポートが十分に実施できる環境も整えておいてください。

自社の業務や環境に合っているか

自社の業務や環境に合っているのかも、グループウェアを導入するうえでは重要な点です。すでに既存のシステムを何かしら導入している場合、その相性が悪いと社内から「使いづらい」と不満が大きくなるリスクがあります。

既存システムとの関連性が薄ければ社員に負担がかかり、現場が混乱してしまうケースもあるので十分に注意しましょう。また社内に定着しないと、グループウェアを導入する意味がありません。自社の業務や環境を見つめ直し、必要な機能を洗い出すことからスタートすることをおすすめします。

クラウド型か、オンプレミス型か

クラウド型か、もしくはオンプレミス型のグループウェアを導入するのかも、大切な選び方の基準です。自社の目的や環境などによって選んだほうがよいシステムは異なるので、社内の状況をよく考慮したうえで検討してください。

グループウェアすべての製品が、自社の合っているとは言い切れません。そのためにも自社内で改めて必要な機能を見つめ直し、状況や環境に適したシステムを導入するようにしましょう。

事例でグループウェア導入による業務効率改善方法

グループウェアを導入する企業や施設はとても多く、もたらされる効果はさまざまです。

これからグループウェアを導入しようと検討している企業は、実際に業務がどう改善されるのかは気になるポイントでしょう。グループウェアの導入によって、どのような業務が効率化されたのかを事例をもとに紹介します。

保険会社の事例

情報管理に厳しいイメージがある保険会社も、グループウェアの導入を行った事例があります。

グループウェアの導入によって、保険会社は業務の品質だけでなく、顧客満足度もアップさせています。最大の効果は、情報連携の質を向上させたことです。

情報連携がスムーズになったことで業務効率化はもちろん、ナレッジの共有も実現し、社員一人一人のモチベーションなども向上させています。

さらにすばやい承認決済も可能になったため、自ずと顧客からの評価も上がっていきました。

大学の事例

とある大学では、業務効率化のためにグループウェアを導入しペーパーレス化を促進しました。大学の業務では文書の決済が多く、スタッフ一人一人を悩ませる原因になっていたのです。

そこでワークフローシステムを導入することによって、申請手続きがペーパーレス化されました。承認・決済を場所にとらわれることなく実施できるようになったので、スタッフの業務負担を大幅に減らすことに成功しています。

さらに、既存のグループウェアと連携させることによって、複数のシステムを一度のユーザー認証によって利用できるようになっています。グループウェアから承認状況がチェック可能なので、決済作業を行うスピードをより迅速になりました。

不動産会社の事例

不動産会社でグループウェアを導入した事例では、働き方改革を成功させています。

社外でもIT環境を整えようと、チームのメンバー同士のコミュニケーションをチャット機能によって活性化させています。さらにスケジュールやタスクの共有を徹底し、業務の効率化も実現しています。

残業時間や離職率の低下にもつながっており、職場環境を改善させました。業務の効率化が行われ、仕事も円滑に進むようになった結果、業績アップも実現したのはグループウェアをうまく運用した成果ともいえるでしょう。

まとめ

グループウェアを導入するのであれば、自社に適したものを選ぶのが必須条件です。グループウェアには多くの製品がありますが、まずは自社に合った種類は何かを考えなければなりません。

もしクラウド型を採用する場合は、無料トライアルを実施している事業者に問い合わせてみるとよいでしょう。無料トライアルをダウンロードし、試験的に活用すれば導入後にミスマッチが生じることもないはずです。

無料トライアルを活用する場合は、社内の一部から試してみるという方法もあります。