蓄積したノウハウを共有する利点とは?方法やツールを選ぶポイントを解説
個々の社員が業務を通して得たノウハウや知識は、会社の貴重な情報資産です。しかし、個人のノウハウを組織のノウハウに変えて蓄積・活用していくには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。本記事では、ノウハウの蓄積方法やノウハウを共有するメリット、そして社内wikiなどのノウハウを共有するツールについて解説します。
個々の社員が業務を通して得たノウハウや知識は、会社の貴重な情報資産です。しかし、個人のノウハウを組織のノウハウに変えて蓄積・活用していくには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。本記事では、ノウハウの蓄積方法やノウハウを共有するメリット、そして社内wikiなどのノウハウを共有するツールについて解説します。
Contents
ノウハウで蓄積すべきものとは
そもそも「ノウハウ(know-how)」とは、物事を成功させるために必要な技術や手順、方法などについての実践知を意味します。
ノウハウという概念には非常に広範囲な内容が含まれており、ビジネスで言えば、資料の効率的な作り方のようなスキルもあれば、製品の品質を向上させるために必要な自社独自の製法のような組織的な方法論もあります。
あるいは、取引先の担当者との上手な付き合い方といった、言葉にはしづらいコツなどもノウハウの一種です。
このように、ビジネスにおいて活用されているノウハウには様々な種類がありますが、種類が数多くあるとその全てを他の人と共有するのは難しくなります。
実際、多くの企業においてノウハウはしばしば従業員一個人の属人的な知識に留まってしまいがちです。
だからこそ、企業が主体となって個々のノウハウを集約し、従業員個人の知を共有可能な組織知へと変えて蓄積・活用していく「ナレッジマネジメント」が余計に重要となってくるのです。
ノウハウを蓄積するメリット
組織としてノウハウを蓄積することで、企業はどのような利益を得られるのでしょうか。以下では、その主だったメリットについて紹介していきます。
業務の効率化
ノウハウを蓄積する第一のメリットは、業務の効率化が期待できることです。
業務上のノウハウを個人に留めず、全体で共有・蓄積していくことで業務の引継ぎが円滑に行えます。
たとえば、業務上で何か分からないことやトラブルが発生した際も、類似したケースの記録が保存されていれば、それを参考にして迅速な対応が可能です。
あるいはエクセルで使える便利なショートカット機能のような一見些細な知識でも、蓄積していけば作業時間を大きく短縮する効果が期待できます。
個々人のノウハウから社内全体のノウハウへ
個々人に内在するノウハウを社内全体の組織知(ナレッジ)へと変えることができるのも、ノウハウを蓄積する大きなメリットです。
ひとつひとつのノウハウは小さなものでも、集約していけば一つの巨大なデータとなります。基本的にノウハウは、実際にそのやり方が役に立ったという原体験を基に成り立っているので、情報としての実用度も自然と高いものになります。
ノウハウを蓄積・共有することで、「この仕事はあの人にしかできない」という属人的状況を減らし、職場全体の業務効率化や標準化を進められるのです。
検索可能化によるアクセスの簡略化
個人ではなく、組織としてノウハウを蓄積するメリットとして、情報へのアクセス性が向上することも挙げられます。
例えば社内wikiのような形でノウハウを1つに集約し、検索を可能にすることで、ノウハウ活用の幅を広げられます。
縦割り構造の多い日本企業では、他部署が何をやっているのかよく分からない場合も多いですが、業務内容をノウハウとしてオープンにすることで、他の部署や企業全体の仕事について理解を深めることが可能です。
自身の担当業務とは一見無関係に思えた仕事から、何か重要なノウハウを得ることも期待できます。
ノウハウのブラッシュアップが可能
個々人のノウハウを蓄積していくことで、ノウハウのさらなるブラッシュアップが可能なことも大きなメリットです。
ノウハウを個人で完結させることなく、組織として共有・活用していくことで、より洗練されたノウハウの発見や改善の可能性も開かれてきます。
特に汎用性に優れたノウハウならば、業務マニュアルや新人教育に反映することもできるでしょう。
企業の持続的成長のためには、ノウハウを従業員の異動や退職などで断絶することなく、継承・発展させていく仕組み作りが非常に大切です。
ノウハウを蓄積するときの注意点
ノウハウを効率的に蓄積していくためには、以下で挙げるポイントに注意して進めると効果的です。
ノウハウの共有・蓄積方法をマニュアル化
ノウハウを蓄積していくためには、第一にその知識の共有・蓄積の仕方をマニュアル化することが大切です。
「ノウハウを提供せよ」と突然言われても、従業員はどのような内容を会社が欲しているのか分からず、集まる情報も雑多なものになりかねません。
まずはノウハウを蓄積する目的を明確化し、どのような知識を蓄積していくのか、方法も含めて会社の方針をはっきりと従業員に示すことが大切です。
例えば「業務効率化」、「事故防止」、「人材育成」のように、蓄積したいノウハウの種類を項目別に提示するのもひとつの方法です。
ノウハウ蓄積の必要性を伝える
上記の注意点とも関連することですが、組織としてノウハウを蓄積しなければならない必要性を従業員に丁寧に伝えることも大切です。
全社的にノウハウを蓄積していくには、あらゆる従業員の協力が必要です。
しかし人によっては、自分のノウハウを自分個人の資産や武器のように捉えて、情報を出し渋ることもあるかもしれません。
実際にノウハウを蓄積し、共有していく作業を行う個々の従業員が、その作業を行うための動機を持てるようにすることが大切です。
その必要性に同意してくれる人が多ければ多いほど、蓄積したノウハウの質や精度は上がっていきます。
ノウハウ蓄積・活用ができているかPDCAを回す
ノウハウの蓄積や活用ができているか、PDCAサイクルを継続的に回すことも重要です。ノウハウは蓄積するだけでは意味がなく、実際にビジネスに活用されてこそ価値を持ちます。
また、自社の状況の変化に伴って、ノウハウの内容自体も常に更新しなければいけません。
ノウハウの精度をより高めて蓄積・共有していくにはPDCAを回し続けることが非常に重要です。
ノウハウ蓄積には社内wikiが有効
上記の注意点を踏まえて、ノウハウを蓄積していくためにはどのような方法を使えばいいでしょうか。
ここでおすすめしたいのが、社内wikiの活用です。
従来、ノウハウの蓄積といえば個人の頭の中やPCの中だったかもしれませんが、それではなかなか共有が進みません。
そこで社内wikiという誰もがオープンにアクセスし、検索できる場所にノウハウを蓄積していくことで、情報共有の効率性を大きく高めることが可能です。
また、ノウハウを蓄積する側としても、いつでもどこでも気軽に編集できる社内wikiならばノウハウを提供しやすくなるという利点があります。
ノウハウ蓄積ツールを選ぶときのポイント
前項では社内wikiの有用性を解説しましたが、個々のノウハウ蓄積ツールを選ぶ際にはどのような点に注目すればよいのでしょうか。
ここからは、ノウハウ蓄積ツールを選ぶときのポイントを解説します。
自社の利用目的に合っているのか
ノウハウ蓄積ツールを選ぶ際のポイント1は、その製品が自社のノウハウ蓄積の目的に適しているかどうか確認することです。例えば外回りが多い営業ならばモバイル端末からのアクセスが可能であった方が便利ですし、複雑な作業工程のノウハウを共有するならば、文章だけでなくイラストや図形、動画などを活用できるようなプラットフォームがよいでしょう。
製品選びの際には、自社の業務特性との相性などを考えて選ぶことが大切です。
検索性能や操作性は高いか
ノウハウ蓄積ツールを選ぶ際のポイント2は、検索性能や操作性が高い製品を選ぶことです。蓄積したノウハウを広く日常的に活用するには、情報へのアクセス性が非常に重要です。そのためには、検索性が十分に自社の要求に対応しているか確認する必要があります。
また、簡単に編集操作などができれば、ノウハウ蓄積へのハードルが下がるため、より多くのノウハウを集めることが可能になります。
セキュリティは問題ないか
ノウハウ蓄積ツールを選ぶ際のポイント3は、自社のセキュリティ要件を満たした製品を選ぶことです。
社内wikiには社内のノウハウが集約されるため、セキュリティ面も軽視できません。
製品選びの際には、IDやパスワード情報の管理性や二段階認証機能など、どのようなセキュリティが設けられているのかの事前確認が必要です。
社内wikiツール
続いては、前項の選定ポイントを踏まえて、おすすめの社内wikiツールを2製品ご紹介します。
GROWI (グロウィ ドットクラウド)
GROWI.cloud ( グロウィ ドットクラウド)はWESEEKの提供する社内wikiツールです。
GROWI.cloud の大きな特徴は、テキスト、図表などなんでも書ける強力な編集機能です。 GROWI.cloud は、Markdownやリッチテキストエディタに加えて 図表やテーブル表記にも対応しているため、多様な手法でノウハウを伝えることができます。
また、リアルタイムで同時に多人数が編集できるほか、ページやファイルを簡単に探せる全文検索にも対応しています。
さらに、 GROWI.cloud の利用料金は月額固定制なので、ユーザーの増減が頻繁に起こる環境でも安心して利用可能です。
Confluence (コンフルエンス)
Confluence (コンフルエンス)はATLASIANの提供する社内wikiツールです。Confluenceは情報を分かりやすく整理・蓄積することに優れた製品です。
Confluenceの高度な検索機能・ラベル機能・直感的なページ階層は、情報への迅速なアクセスを可能にします。
また、Confluenceには豊富なテンプレート機能があるため、ユーザーはその時々の用途に応じて自由にテンプレートを選び、効率的にページを作れます。
さらに、二段階認証や柔軟な管理者コントロールなど信頼性の高いセキュリティで、企業の重要な情報を安全に守れます。
まとめ
本記事では社内でノウハウを蓄積・共有するメリットやその方法について解説しました。
社員のノウハウを蓄積することで、企業は組織全体の知を高め、自社の発展や成長に役立てられます。
またノウハウを蓄積するには、ITツールの活用が不可欠です。社内wikiを導入することで、ノウハウの蓄積と共有を効率的に進められるでしょう。