マニュアル作成に必要なルールとは?ルールを作成する際のコツやメリットをご紹介!
より良いマニュアルを作るためには、いくつかのルールを踏まえて作成するのが重要です。この記事では、マニュアル作成の際のルールについて詳しく説明します。
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マニュアル作成の際のルールとは?
マニュアルを作成する際には、意識しておかなければならないルールがあります。マニュアル作成に必要なルールを紹介いたしますので、それぞれ参考にしながらマニュアル作成に取り組んでみてください。
テーマを明確にする
マニュアルを作成する場合、まず必要なのはテーマを明確にすることです。そもそも、マニュアルは業務を標準化することを目的に作られるもので、誰もが業務を一定の水準で取り組めるように、業務手順などを分かりやすくまとめておかなければなりません。
そのため、マニュアルは読み手に「何を伝えたいのか」「何を説明したいのか」を一目瞭然で記載しておく必要があります。マニュアルのテーマが不明瞭な場合、読み手は情報を十分に受け取れず、業務を非効率にしてしまう恐れがあります。
マニュアルのテーマを明確にしておけば読み手への伝わりやすさの向上だけでなく、構成やデザインを統一しやすくなり、作成作業自体がスムーズになるでしょう。
業務の不足などの問題点を洗い出す
マニュアルを作成する前には、必ず業務の不足の問題点を洗い出すこともルールとして加えたいポイントです。当然のことですが、マニュアルを作成するときには業務内容や作業手順を分かりやすく記載しなければなりません。
そのためには、マニュアルを作成する前に、業務上の注意点や問題点を洗い出す必要があるのです。注意点や問題点を洗い出すことで、マニュアルに必要な情報が整理できます。
しかし、業務の洗い出しには時間と労力がかかります。マニュアルを作成する場合には、1〜2人などの少人数に任せるのではなくチームで取り組むことをおすすめします。チームでマニュアルを作成すれば、より内容も精査されるので誰もが分かりやすいマニュアルにできるでしょう。
作業の目的や理由も記載する
マニュアル作成のルールには業務や作業の目的を記載すると同時に、目的の理由もきちんと挙げるようにしてください。誰もが分かりやすいマニュアルを作るためには、万人が納得するような情報を盛り込む必要があります。
「この作業をこの手順で行うのはなぜか」「どのような目的でこのように行動するのか」などを詳しく記載すると、業務や作業の重要性を理解が深まるのです。
個々人の理解が深まり、チーム全体の業務が標準化していれば、マニュアルがきちんと運用されていると考えてもよいでしょう。
個々人の能力を標準化することは決して簡単ではありませんが、標準化するためには読み手に行動の真意を説明することが不可欠です。たとえばクレーム対応についてのマニュアルでは「話を最後まで聞く」とだけ箇条書きで説明するのではなく、なぜ話を最後まで聞く必要があるのかまで伝えましょう。
読み手にとって分かりやすい文体や内容を心がける
マニュアルを読む側にとって、記載されている文体や内容が分かりやすいものであるかどうかも重要です。
読み手が少しでも「分かりづらい」と判断してしまえば、理解度はグンと低下してしまいます。分かりづらい箇所は人に聞く手間が増えるので、結果的に業務の非効率を招いてしまう恐れもあるでしょう。
マニュアルには新卒社員をはじめ、中途入社の社員、中堅社員、幹部社員など、対象となる読み手がいると思います。マニュアルの作成は、対象者のレベルに合わせたものでなければなりません。たとえば新卒社員には、専門用語などの使用は控えたほうがよいでしょう。
読み手の立場を想像し、マニュアルのテーマや目的に合った文体と内容を意識してください。
図や写真、動画を活用する
誰の目から見ても分かりやすいマニュアルを作成する場合、図や写真、動画を活用することもおすすめです。マニュアルはどうしてもテキストベースになりますが、読み手の理解度を上げるには視覚情報に訴えることも大切です。
伝えたい内容や説明を文字だけで表すには限界があります。文字情報が多くなればなるほど、読み手が内容を理解するのに時間がかかります。
しかし、図や写真、動画を交えながら説明することによって、一目で内容を理解できるようになるのでマニュアルの効果が存分に発揮されます。とくに、動画はテキストのみでは説明しづらいような、システムやツールの操作方法などを説明する際にはかなり役立ちます。
マニュアルのフォーマットを決める
マニュアル作成で欠かせないのはフォーマットを決めておき、クオリティーを担保することです。クオリティーを安定させるためには文体を分かりやすくしたり、図や写真などを盛り込んだりするだけでなく、まずはマニュアルのフォーマットの統一をルールとして意識しましょう。
マニュアルのフォーマットにはいつくか種類があります。一般的なのはWord、Excel、PowerPointですが、それぞれ特徴やメリットは異なります。作成するマニュアルのテーマによって向いているフォーマットを選びましょう。
要点を簡潔にまとめる
見やすいマニュアルを作成するときは、要点を簡潔にまとめることもルールの一つです。いくら内容の「見やすさ」に気をつけたとしても、要点が散らばっているようでは万人に分かりやすいマニュアルとは言えません。
誰もが見やすいと判断するマニュアルは、要点が簡潔にまとまっていて、内容が充実していることがほとんどです。分かりやすい文章を書くためには「5W1H」を意識するとよいでしょう。5W1Hを心がけると、自然と要点をとらえたテキストを書けるほか、構成がまとまりやすくなります。
さらに、マニュアルを読む側にとっては「この作業がなぜ必要なのか」「現在なぜこの流れを採用しているのか」を一度読んだだけで理解しやすくなるので、個々人のパフォーマンスの向上にもつながるでしょう。
目次を作る
読み手がほしい情報をすぐに得られるように、マニュアルに目次を作ることもルールとして取り入れたいポイントです。目次が充実しているとマニュアルが見やすく、さらに普段から使いやすくなるので、個々人の理解度も高くなります。
目次があれば一目瞭然でほしい情報がどこに記載されているのかが分かるため、すでにマニュアルに書いてある情報を人に聞いてしまう手間も省けるでしょう。
また、マニュアルを使用するときは業務をしながらの場合が多いため、探している情報が見つけにくいと業務が停滞してしまうでしょう。業務の効率化のために目次挿入は必須といえます。
マニュアル作成のルールを作成するメリットとその役割
マニュアルを作成する際のルールを作ることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
マニュアル作成ルールの具体的な役割のほか、ルールがないことで発生する恐れのあるデメリットなども確認していきましょう。
マニュアル作成のルールを作る目的
ビジネスにおけるマニュアルは、作成によってチーム全体の業務レベルを標準化し、業務を効率的に運用にするという大枠の目的があります。組織内で必要な知識や情報を共有できるため、業務の効率化を目指すうえでは必要不可欠です。
また、マニュアルの作成で得られる効果は業務の効率化だけでなく、教育コストの削減のほか、人件費の削減や業務の属人化の予防にもつながります。
そうした多くのメリットがあるマニュアルは、フォーマット決めや目次の挿入など最低限のルールを意識しつつ、作成に対するスタッフの負担を軽減しながら作成していきましょう。
マニュアル作成のルールを作るメリット
マニュアル作成におけるルールには、誰が作成しても「見やすさ」「分かりやすさ」が一定レベルに保たれるメリットが挙げられます。たとえチームでマニュアル作成に取り組む場合でも、ルールに沿って作成できるので作成者ごとのバラつきは最小限に留められます。
はじめてマニュアルの作成を頼まれたスタッフでも、ルールが決まっていればスムーズに作成を進められるでしょう。さらに、もしマニュアル作成の引き継ぎが必要になった場合も、決まっているルールを伝えるだけで引き継ぎがスピーディーに完了するはずです。
マニュアルがあること自体が業務の効率化になりますが、マニュアル作成にルールを設けることも作成するスタッフの業務効率化につながる点も理解しておきましょう。またルールを定め、それをチームに理解してもらうことによって、特定の人物に負担がかけることなく作成できるのです。
企業において、特定の人物にしかできない仕事があるのはリスクが高く、避けるべきポイントです。マニュアル作成にもルールを設ければ、あらゆるリスクの回避につながるといえるでしょう。
マニュアル作成のルールがないデメリット
マニュアル作成にルールがなければ、現場の混乱を招くリスクがあります。まったくルールがない状態からマニュアルを作成することになった場合、作成に取り掛かるまでの時間が必要以上にかかってしまうでしょう。
とくにはじめてマニュアル作成を任された社員にとっては、かなり負担が大きいものです。イチから自分でマニュアルの作成方法を調べなければならないので、ポイントをつかむまでに必要以上の労力と時間がかかる恐れがあります。
さらに、ルールなしで個々人が単独で動くとなると、マニュアルの見やすさや分かりやすさのレベルに大きなバラつきが生まれます。たとえば、図や写真を交えて説明したマニュアルや、テキストだけのみのマニュアルが同じ部署内に混在してしまうかもしれません。
分かりにくいマニュアルは、いずれ使われなくなることも十分にあり得ます。社内にマニュアルを浸透させるためにも、すべてのマニュアルが一定の水準を保っていなければなりません。そのためには、誰が作成しても同じようなレベルを維持できるルール作りが必要なのです。
マニュアル作成のルールを作るための5つのポイント
マニュアル作成ルールを作るにも5つのポイントがあります。それぞれどのような内容なのか詳しく解説いたしますので、自社に合ったルール作りを始めてみましょう。
仕事の判断基準を決める
マニュアルのルール作りには、仕事の判断基準を決めることがとても大切です。仕事の判断基準とは、簡単に言えば業務などに迷ったときの参考となる基準のことを指します。
ルールを作るうえで判断基準があいまいになっていると、マニュアル作りにもうやむやな姿勢が伝わり、業務の標準化が困難になる恐れがあります。マニュアルにも仕事の判断基準を記載することは必要不可欠ですが、とくにチーム全体でマニュアルを作る際はとても効果的です。
たとえば「どのようにすれば分かりやすいマニュアルができるのか」と判断に困ったときも、「業務フローを明記する場合は図式化する」などの判断基準が明記されているだけで作成のパフォーマンスは向上します。
運用ルールも見据える
マニュアルが実際に運用されたときのルールも考えることが大切です。マニュアルは作成して終わりではありません。作成したマニュアルは、きちんと運用されてこそ効果を発揮します。作成ルールを考えるときは、その後の運用ルールも見据えるようにしましょう。
まず、マニュアルが効果を存分に発揮するには、組織のなかで広く使用できることが前提です。社内で活用されるためにも、マニュアルの共有は欠かせません。運用担当者を決めたあとは定期的にメンテナンスすることも視野に入れてください。
実際に運用されれば、マニュアルの改善点なども可視化され、作成ルールも徐々にアップグレードしていく可能性があります。さらに「どうすれば社員にマニュアルが定着するのか」「どのようにマニュアルを配布するのか」を見越しておけば、運用する際もスムーズに進むはずです。
マニュアル作成者の気持ちを考える
マニュアル作成のルールを作る際も、読み手の気持ちを考えることが大切です。ルールの内容が分かりにくいものになってしまうと、作成者にかなりの負担がかかります。作成ルールで業務の非効率を招いてはいけません。
ルールが分かりにくくなってしまうと、作成者の業務負担は大きくなってしまいます。さらに、作成者の通常業務がマニュアル作成以外にもある場合、相当な負担がかかるはずです。
「抽象的な表現や難解な言葉、冗長な文章などルール作成にも基本的な工夫が必要であることは理解しておきましょう。さらに、必要であれば「なぜこのルールを導入するのか」というポイントも明記すると作成者の深い理解につながるでしょう。
完ぺきを求めすぎない
マニュアル作成のルール作りには、最初から完ぺきを求めすぎないことも一つのポイントです。先ほども少し触れましたが、マニュアルは運用していくなかでブラッシュアップする意識が欠かせません。運用と同じく、作成ルールにも改善点は随時見つかるでしょう。
マニュアルの運用で分かりにくい点が発見されたら、ルールも見直し、必要であればルールも更新してください。マニュアルを活用してもらう際は必ずフィードバックをもらい、マニュアルだけでなくルールもだんだんと完成に近づけるイメージで行うのが理想です。
最初からルールを盛り込みすぎると、はじめてマニュアルを作成することになった人が混乱するかもしれません。マニュアルを更新するたびにアンケートを実施して、フィードバックから浮かび上がった不明点や要望をもとにルール作成へ役立てるようにしてください。
業務を「見える化」しておく
作成ルールを作る前には、業務を「見える化」することも不可欠です。マニュアルは業務を効率化するためのものなので、普段の業務がきちんと見えていなければよいマニュアルを作成することは不可能です。
マニュアル作成のルールは、マニュアルに必要な情報から浮かび上がってくるものもあるため、あらかじめ必要な業務を洗い出しておくのが必要なのです。
業務の見える化には、チーム内で意見を交換することが重要です。たとえば、クレームやトラブルのマニュアル作成に関するルールを作るときは、対処方法を考えるだけではなく、具体的な事例なども一緒に洗い出すことをおすすめします。そうすれば「クレームやトラブルのマニュアルには、事例も併せて載せる」というルール作りにつながり、社内に印象強く共有することが可能です。
ルール作りは、どのようにマニュアルの内容を頭に入れてもらえるかという点に直結することも忘れないようにしましょう。
マニュアル作成のルールを作成するツール
マニュアル作成のルールについてメリットやポイントを解説してきましたが、具体的にどのようなツールを使ってルールを作成すればよいか迷っている方も多いかもしれません。
無料でマニュアル作成のルールを作ることもできますが、最近では有料ツールで利便性を最大限追求したものもあります。おすすめのサービスも紹介いたしますので、自社に合ったツールで早速ルールを作成してみましょう。
Word
Wordはマニュアル作成及びマニュアルのルール作りに重宝されています。Wordは文書作成に向いているため、テキスト中心でルールを作成したい場合は大きな効果を発揮するでしょう。
また、マニュアル作成に関しては、自動で目次を作成できるのでとても便利です。アウトラインもうまく活用することによって、文書構造の確認・変更も簡単にできます。
マニュアル作成をWord中心で進めるのであれば、フォーマットを統一する意味でもルール作成もWordで行ってもよいかもしれません。Wordは使い慣れた人も多いツールでもあるので、ルールの文書もスムーズに作成しやすいでしょう。
PowerPoint
PowerPointは、マニュアル作成において重宝されるツールの一つです。マニュアル作成ではアニメーションも効果的に使えるので、かなりデザイン性の高いツールとなっています。テキストはもちろんのこと、図や写真などを盛り込むにはうってつけのツールです。
さらに音声も活用できるため、動画を盛り込んだマニュアルを作成したい場合にも向いているでしょう。PowerPointでマニュアル作成のルールを作るときも、デザイン性にこだわりたい方にはおすすめです。
ルール作成の点でも見る側の気持ちになって作ることが大切なので、視覚に訴えた内容にしたいケースにはPowerPointがおすすめです。マニュアル作成のルールにも視覚情報を重視すると、担当者の理解を深めることも可能です。
Excel
Excelは、マニュアルやそのルール作成で活用されることが多く、表やリストを挿入したい場合にはおすすめです。たとえば画像の使用では、レイアウトを簡単に調整できるのでWordよりは自由度が高いといえます。
マニュアル作成のルール作りにおいては、やはり主に表やリストを使って決まり事を全体に共有したい場合に効果を発揮します。とくに注意点などをチェックリスト化するのがおすすめです。見やすさを重視するならばExcelで作成するのがよいでしょう。
Google スプレッドシート
Google スプレッドシートも、Excelと同様に表やリストでマニュアル作成のルールを作りたい方におすすめです。Google スプレッドシートとは、ブラウザ上で表計算ができるツールで、使用にはGoogleのアカウントが必要ですが、一度登録してしまえば基本的に無料で使用できます。
WindowsやMacなどのOSに関係なく使えるのも嬉しいポイントです。Google スプレッドシートはExcelと似たような機能を持ち合わせていますが、大きく異なる点はブラウザ上で編集や保存ができるかどうかです。
インターネットの接続があれば、Google スプレッドシートはいつでも、どこでも使用できます。すべてWEB上で完結するため、ファイルがかさばることもありません。
GROWI.cloud
GROWI.cloudは、業務マニュアル作成において効果的な月額固定の有料サービスです。社内外のさまざまなナレッジを共有することに長けており、マニュアル以外にも要件義書やシステム設計書、議事録、課題などの作成にも向いています。
マニュアル作成においては社内に広く周知する必要があるので、チーム全員がマニュアルをチェックしやすい環境が手に入るのは大きな魅力です。
図表やテキストの挿入も可能となっており、ページやファイルなどの検索もできます。そのため、業務マニュアルのほか、マニュアル作成のルールを加えたとしてもファイルを見失うリスクはありません。
さらにGROWI.cloudはサポート体制も整えられており、バックアップサービスも提供されているのでミスがあっても安心です。
NotePM
NotePMは、社内wikiでナレッジが共有できる有料サービスです。NotePMではマニュアルやノウハウをWEB上で簡単に作成できます。
矢印や吹き出しなどを盛り込める画像編集機能やフォーマットの統一機能、ファイル内の文書の検索機能などの機能が充実しています。マニュアル及びルール作成において高クオリティーなものを作れるはずです。
まとめ
本記事では、マニュアル作成におけるルール作りのコツやメリットを紹介してきました。誰もが見やすいマニュアルを作成するには、充実したルールの運用が不可欠です。
作成ルールを一覧で分かりやすくすれば、作成者の作業効率性も守れます。
また、マニュアルの改善すべきポイントが見つかれば、作成ルールにも見直すべき点はないか確認することで質の高いものを維持できます。マニュアル作成のルール作りのフォーマットには、無料ツールから有料サービスまであるので自社に合ったものを利用しましょう。
もし資金に余裕があれば、有料サービスの導入をおすすめします。有料サービスを使用すれば、あらゆる業務が効率化されます。業務全体の無駄を省くことにもつながるので、ぜひ検討してみましょう。