顧客との重要な接点である電話対応のマニュアル作成徹底解説!
電話対応は顧客との重要な接点になります。電話対応によって会社の印象を左右する可能性があります。会社全体としてできる限り丁寧な対応と言葉遣いを心がけたいですよね。
今回は電話対応の意図や重要性、マニュアル作成するときのメリット・デメリットをご紹介します。マニュアル作成する際にぜひ参考にして、顧客とのスムーズなやり取りに役立ててください。
Contents
電話対応の目的と重要性
電話対応の目的は会社によっても異なりますが、基本的にお客様のスムーズな課題解決です。お客様は何らかの問題を解決するために電話をかけてきています。
電話内容は多岐にわたります。コールセンターに勤務している場合は、たとえば会社の製品の使い方など、受付の方の場合は、営業電話などもかかってくるでしょう。相手を困らせたり、不安にさせたりしないよう丁寧な案内を心がけることが大事です。
電話対応の重要性は、会社と顧客の接点を持つ大切な場所だという点です。声だけのやり取りではありますが、丁寧な電話対応で良い印象を与えると顧客との信頼関係を良好にできます。
早口や暗いトーンで話してしまうと、焦りや、やる気のなさが相手に伝わり良い印象を与えません。電話は声だけしか伝わりませんが「笑声」と表現されるように明るくはっきりと話すようにするといいでしょう。
電話対応をマニュアル化することのメリット・デメリット
電話対応をマニュアル化することのメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
電話対応をマニュアル化することのメリットは、電話オペレーターの経験にかかわらず一定の品質を保てることです。とくに入社すぐや新入社員の場合は、マニュアルがないと言葉遣いや対応が個人によって変わってしまいます。
また、会社としても顧客への対応に差異があるとよくないです。電話対応には決まりきった正解がありません。マニュアルがないと対応にムラがでやすい職種と言えます。電話対応をマニュアル化することで、社内としての品質を担保できます。また、同じような質問やクレームに対する回答を共有できるため、電話応対のサービス向上にもつながります。
一方、電話対応をマニュアル化することのデメリットもあります。デメリットは、臨機応変な対応が難しくなることです。マニュアルに書かれていない質問や、状況に置かれた場合戸惑ってしまうことも考えられます。
マニュアルを完璧には覚えていなくても、電話応対していくにつれて頭に内容が入ってくるため、マニュアル作成はデメリットよりもメリットのほうが大きいです。
よくある質問はFAQでマニュアルに追加するなど、定期的マニュアルをアップデートすることでさらなる品質向上ができます。
電話対応におけるマナーを知りたい
電話対応する以前に、電話対応には事前に知っておくマナーがいくつかあります。知らないまま対応してしまうと、普段話すような言葉遣いをしてしまうことがあるため注意しましょう。
先述しましたが、明るくハキハキと話すことが重要です。普段よりもワントーン明るく話すようにするとよいでしょう。早口になりすぎると焦りが伝わってしまうので、普段よりもゆっくり話すことを心がけてください。
また、敬称や敬語は正しく使用しましょう。基本的なビジネスマナーとして、電話に出る際「もしもし」は必要ありません。「○○会社の△△部の□□です」のように会社名や部署名と名前を名乗ることが一般的です。
ほかにも敬語の使い方や敬称を含めて、相手に不快感を与えないように対応できるとお互いが気持ちよく終話できます。新入社員がやりがちなミスとして、自社の社員の名前に敬称をつけてしまうことがあります。
新人社員は電話口で呼び捨てすることに心理的に抵抗があるかもしれません。しかし、電話対応では敬称をつけないことがマナーです。
さらに、電話を受けた場合は相手が切るのを確認してから、こちらが電話を切ることもマナーの一つです。顧客の場合は、こちらから電話したものも後で切ると覚えておきましょう。
相手も切ってくれない場合は「数秒時間を置いてから、お電話ありがとうございました。こちらから失礼いたします」などと、一言添えてあげると相手も不快にならずに終話できるでしょう。
電話対応マニュアル作成の手順と記載項目
電話対応マニュアル作成の手順は、基本ルールを作成し、基本ルールに沿ったトークスクリプトを作成、イレギュラーが発生した際の対応方法の項目を入れましょう。
基本ルールは、会社内の電話対応のルールです。会社名の名乗りを統一する、3コール以上待たせた場合は「お待たせしました」と言ってから社名を名乗るなどです。
会社では受けるだけでなく、折り返しの対応が必要になるときもあるでしょう。電話をかける際の基本ルールもあわせて作成すると統一できるのでおすすめです。
基本ルールが統一できたら、トークスクリプトを作成しましょう。トークスクリプトとは、お客様との会話の流れをあらかじめ定めた台本のことをいいます。電話をかける・受ける際の流れを図式化したものです。トークスクリプトはいくつか種類がありますが、一般的な形式はフローチャートです。
フローチャートはこちらが主導で話を進めていき、相手の人の反応によって文言を変えるといった形式です。「はい」「いいえ」のように相手の反応と、次に話す文言がわかりやすいため採用している企業が多いです。
トークスクリプトは、新人の教育から品質の標準化にまで幅広く利用できます。お客様対応の評判が良い従業員のトークスクリプトを、社内共通のマニュアルにするだけで成績の数字の改善が図れます。
コールセンターはお客様から電話がかかってくるインバウンドが中心だと思いますが、インサイドセールス部署などでのアウトバウンドでも効果的です。
電話をかけることも受けることもある場合は、両方のトークスクリプトを用意しましょう。電話を受ける際はあくまでも一例ですが、相手が名乗る前に会社名と部署名、自身の名前などを名乗ります。
電話をかける場合は「○○会社△△部の□□」のように、自分の名前と要件を簡潔に伝えます。要件のある人の手が空いているかどうかを確認し、いない場合は戻り時間を聞いておくと次に電話を掛けるときにスムーズです。
もし時間がかかる可能性がある場合は「今お時間よろしいでしょうか」といった言葉を添えると、相手に寄り添う気持ちが伝わるでしょう。
社内や上司に確認が必要な場合は、電話を取り次ぐこともあります。電話を取り次ぐ場合のマニュアルも作成しておくと安心です。電話を保留にしたうえで取り次ぎします。
社内で確認が必要で、取り次ぐ担当者が席を外している場合は、不在時間などを確認し、折り返しが必要かなどの今後の対応を確認します。担当者に電話があったことを伝えるために、メモ書きは忘れないようにしましょう。
FAQの作成やイレギュラーが起こった際の対応は、マニュアルの末尾のほうに作成しておきましょう。たとえば保留のルールや、分からない質問への対応などです。
頻度は多くないかもしれませんが、電話対応においてクレーム対応は避けられません。クレーム対応は誤って対応してしまうと、相手をさらに怒らせてしまうことがあります。最悪の場合は取引の解消などの問題につながりかねません。
相手の質問内容やクレームの内容をしっかりと聴き取り、謝罪しましょう。その後は担当に変わるのか、上席に対応してもらうなど会社によってフローは異なると思いますが、誰が電話に出ても適切な対応が取れるようにしましょう。
効果的なマニュアルを作成するためのポイント
電話対応は、さまざまな内容の電話をうけることになります。基本だけを抑えていても対応できないイレギュラーなケースもあるでしょう。イレギュラーな電話がきたときの対処法も書いておくと、誰でも落ち着いて対応できる可能性が高まります。
イレギュラーの例をいくつかご紹介します。会社によってイレギュラーな質問は変わってきますが、全体に当てはまるものをご説明します。
1つ目は、相手が名前を名乗らない場合です。お客様からの電話や急ぎの要件で電話をかけてくる場合、最初に名前を名乗らないことは多いです。名前を聞く際のテンプレートを用意しておきましょう。「恐れ入りますが、お名前を頂戴できますでしょうか」といった丁寧な言い方を心がけましょう。
珍しい名前の場合は、一度聞いてもわからないこともあります。名前の漢字を聞く、復唱するなど名前を間違わないための確認が必要です。
2つ目は、相手の声が聞こえにくい場合です。相手が外で電話をかけてきている場合など周囲が騒がしいことはたまにあるでしょう。
電話越しに声が遠いと伝えるためには「恐れ入りますが、お電話が少々遠いようでございまして」や「申し訳ございません。ただいま電波が途切れてしまいまして、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか」などと伝えましょう。
3つ目がクレームを受けた場合です。クレームを受けている際は上席に変わるのか、それとも電話を受けた本人が対応するのかを明確にしておくことが重要です。クレームを受ける方は、基本的に傾聴するように心がけましょう。相手に誠意を見せるため、相槌や謝辞を織り交ぜながら話を聞きます。
電話対応で相槌する際や聞き返すときに役立つものを紹介します。クッション言葉といい、お断りがきつく聞こえないように文言の最初に言い添える言葉としても便利です。電話対応は顔が見えないからこそ、丁重なお断りが重要になります。
クッション言葉の例として「恐れ入りますが」「お手数をおかけしますが」などがあります。マニュアルに、クッション言葉をまとめた資料や、電話対応のポイントが書かれた記事などの情報を作成すると、空いている時間に確認できて便利です。
とくに新卒で入社した新入社員向けとしてビジネス用語を覚えさせるのにも役立ちます。電話対応と関連して社内で使用する言葉遣いも変わってくるでしょう。
クレームを受けていると、自分で判断できないことを頼まれることもあります。向こうからの要望の受け入れ可否をコールセンターや受付で判断してしまうと後々のトラブルになりかねません。わからない場合は保留や折り返しといった対応も必要です。
クレーム対応の場合はとくに長い時間待たせることや、たらいまわしにすることは避けるようにしましょう。折り返しが億劫になる気持ちもわかりますが、待たせるくらいならば折り返しのほうが相手の怒りを増長せずに対応できます。
まとめ
今回は、電話対応のマニュアルの作成する方法をご紹介しました。マニュアルを作成することで電話の品質を向上できます。マニュアルを作成したあとはロールプレイングなどの実践が第一です。
マニュアルを読み込み、対応を覚えることで自信にもつながります。その自信は相手にも伝わり、相手にも信頼感をあたえられるでしょう。今回の記事を参考にしつつ、電話対応のマニュアルを作成してみましょう。