マニュアル作成における目標設定の重要性
マニュアルを作成することで「業務内容の手順や内容が明確になる」「新人教育の際に質問される時間を短縮できる」など、従業員の業務の効率を上げられます。
しかし、インターネットで「マニュアルの作り方」「マニュアル作成目標設定」と検索をしても、自分の業務にあった検索結果が出てこないと感じる方も少なくありません。
マニュアルを作成する際は、マニュアルの必要性や目的、マニュアルを活用するメリットを明確にすることがポイントです。
そこで本記事では、目標設定の重要性やツールを用いたマニュアル作成について解説します。おすすめのツールについてもご紹介するので、参考にしてみてください。
目標設定の重要性とは?
マニュアルを作成する際、マニュアル作成にあたっての目標設定が重要です。目標設定をすると、業務の手順が明確になり、従業員全体が同じ目標に向かって業務が行えます。
目標設定の重要性について、以下で解説します。
成果を可視化できる
目標設定することで、設定した目標を達成できたかどうかが可視化できます。成果を可視化すれば、今後の目標設定や改善点などが洗い出しやすくなります。さらに目標までにかかる時間や必要コスト、必要なスキルなどが明確になるため、成果を出しやすくなります。
また、目標が達成できなかった場合でも「目標へどの程度進んだのか」が可視化されるため、目標設定は従業員の得意不得意や成長スピードなどがわかるといった点でも重要です。
従業員のモチベーションにつながる
目標設定を設けると最終的な目標が明確になり、従業員のモチベーションの維持につながります。
明確な目標があることで、従業員は目標を見失うことなく業務を行えます。モチベーションは業務を行ううえで大切です。明確な目標がなく、上司から指示されたことだけをやっている状態である場合、指示がないと動けないという姿勢になってしまう恐れがあります。
受け身の姿勢では「結果を出せるよう業務を行おう」「目標達成のために効率のよい仕事をしよう」という気になるのは難しいでしょう。
また、業務中にイレギュラーが起こった際、業務に時間がかかってしまうといった影響が出てしまう場合があります。
しかし、目標設定が明確にされていると、イレギュラーが起こった場合でも「目標に達成するためにはどうすればいいのか」がわかっているので、最善の策を考えることができます。
やるべきことが明確になる
マニュアルを作成すると、目標に向かってやるべきことが明確になります。
業務内容や手順、各業務内容の目的などを記されているので、マニュアルを確認すれば業務が進められます。どの段階で何をするべきかが具体的にわかるので、悩む時間を少なくでき、目標に向かって確実に進むことが可能です。
また、新入社員の研修や既存社員向けのセミナーなどでマニュアルの配布を行うと、目標に向かって「何をすればいいのか」「どういう手順で作業をすればよいのか」などを理解してもらいやすくなるでしょう。
目標や各手順が明確化されることで、人材による能力値に差があったとしても、ある一定の成果レベルを維持することが可能になります。
達成感を得られる
マニュアルを作成することで目標に向かって業務を進めるので「目標を達成した」という達成感を得られます。目標を達成した実感や実績、成功を体験ができ、自信や次の業務へのやる気にもつながります。
また、業務へのマンネリ化も解消されます。業務内容によっては、毎日同じ業務をする場合もあり「達成感がない」と感じてしまう従業員も少なくありません。しかし、明確な目標設定がされていることで、目標に向かって効率よく業務を進めようと努力できます。
活気のある社内になる
同じ目標に向かって切磋琢磨する同僚や上司がいることで、社内に活気が生まれます。目標もなく、決められた業務をただこなすだけだと「めんどくさいな」「早く退勤時間にならないかな」といった気持ちが出てくることも少なくありません。マイナスな気持ちが多いと、職場全体が暗い雰囲気になりがちです。
しかし、明確な目標を掲げると従業員が一丸となって進むので「頑張ろう」「次はこうしてみよう」などポジティブな言葉が自然と飛び交います。
ポジティブな言葉が溢れる会社は明るく、人と人が助け合える居心地のよい企業という印象を与えられるでしょう。
また、目標達成時には達成感や喜びを従業員同時で共有し合えるメリットがあります。同じ目標に向かって進む仲間と苦楽を共有でき、目標達成時に大きな達成感が感じられます。活気のある社内を作るという点でも、明確な目標設定は重要です。
マニュアル作成における目標設定とは?
マニュアル作成をする際、マニュアルを作成する目的や目標達成基準など業務の全体像がわかるように作成することがポイントです。また、最終的な業務目標を忘れず明確にしておきましょう。
マニュアル作成における、目標設定の具体的な内容を以下で解説します。
マニュアルを作成する目的を明確にする
マニュアル作成をする際は、目的を明確にしましょう。
業務の効率化や教育に割く時間の削減など、マニュアルを作成することで得られるメリットは多岐にわたります。部署によって仕事内容は変わるため、どこの部署に対してのマニュアルであるのかなども明確にしておきましょう。
マニュアルの使われ方を明確にする
マニュアルを作成するにあたって、マニュアルの使われ方を明確にしておきましょう。
新入社員に向けてのマニュアルや既存社員へのマニュアル、会社の規定に関するマニュアルなどマニュアルの内容はさまざまです。既存社員に新人教育用のマニュアルを配布したところで、活用する社員は少ないでしょう。
「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」という5W1Hを意識するとマニュアルの使われ方を明確にしやすくなります。「どのような目的でマニュアルが活用されるのか」を明確しておくことが、質の高いマニュアルを作るポイントです。
目標達成の基準を明確にする
マニュアル作成の目的や使われ方のほかに、目標達成の基準を明確に記載しておくこともポイントです。
目標達成までの手順を可視化し、達成の基準を明確すると「業務の基準が満たされているのか不安」といった悩みが減ります。手順の可視化をし、目標達成の基準を明確にすることは、従業員の業務に対する自信にもつながるメリットになります。
業務の最終目標を行動レベルで明確になる
マニュアル作成における目標設定を明確にすると、業務の最終目標までの道筋が定かになります。
最終目標までの手順や次に起こす行動などが明確になると「わからなくて作業が止まってしまう」「目標はわかったけれど、進め方がわからない」といった無駄な時間が減ります。
また、目標までに同じ手順を繰り返している場合、業務に慣れてくると作業時間も短くなり、持て余す時間も増えていくでしょう。結果として、指示を待つ受け身の姿勢となってしまいがちです。
最終目標が行動レベルで明確になれば、無駄な時間や受け身の姿勢がなくなり、従業員が確実にスキルアップできる環境になります。
マニュアル作成のステップ
マニュアル作成はステップを踏んで作成をすると、スムーズに作成できます。
以下でマニュアルの作成ステップをご紹介します。
マニュアル化する業務を決める
マニュアルを作成する前に、まずはマニュアル化する業務を決めましょう。
業務内容によって、マニュアルは異なります。たとえば、営業職の方に経理事務の業務内容が必要になることはほとんどありません。各業務にあったマニュアルを作成することが重要となるため、マニュアル化する業務は必ず決めましょう。
どの業務に対してのマニュアルであるかを明確にすることは、質の高いマニュアルを作成するポイントのひとつになります。
マニュアルが使用される状況を知る
作成したマニュアルがどのような状況で使用されるのかを知っておきましょう。
社内全体で使用されるのか、会社説明会などの外部でも使用されるのかなど、使用される状況によってマニュアルの形式や内容が異なります。
使用される状況を知らずにマニュアル作成をした場合、社外秘の内容を外部に洩らしてしまうなど、思わぬトラブルに発展することも考えられます。
誰がどこで使用するのか、どこまでマニュアルをどこまで持ち出すのかなどをしっかりと把握し、マニュアルの作成を行いましょう。
ほかにも、社内業務のマニュアル化を進めることで、業務内容が統一されて効率化が期待できる一方、個々人の裁量が減少してしまい、柔軟性や機動力を損なうデメリットもあります。
そのため、どの業務範囲までをマニュアル化するのかといった仕様については、十分に検討したうえで慎重に判断する必要があります。
マニュアルの構成と目次を決める
マニュアルの作成は、ただ内容を詰め込むだけではわかりにくくなります。まずは、構成と目次を決めて内容を書き込みましょう。
構成を決定する際には、目次や概略といった大きな枠組みで全体像の把握を行い、さらに各詳細の説明を細かく分けて区切ることで、業務全体を俯瞰しやすくなります。
また、目次があると、マニュアルに何が記載されているかの一覧がわかるので、必要なページを探しやすくなります。
マニュアル作成業務を担当する部署などがあれば問題ありませんが、普段の業務の合間にマニュアル作成を行う場合は、あまり時間が取れません。いきなり内容を書き出してしまうと、内容がまとまらず作成に時間がかかります。
目次と構成を決めていれば、記載する内容や項目などが明確になり、短時間で内容のまとまったマニュアル作成が行えます。
フォーマットを決める
マニュアル作成時は、フォーマットを決めておきましょう。フォントやデザイン、文字の大きさなどを統一しておくと、完成後のマニュアルの見た目や読みやすさにつながります。
フォーマットの作成後はフォーマット自体を保存しておくと、今後新たにマニュアルを作成する際、フォーマットを作成する手間が省けて作成時間短縮にもなります。
フォーマットが作成できてから内容を詰めると、作成後のフォントの修正や文字サイズの修正がないので、最低限の時間でマニュアル作成ができます。
仮運用後に配布する
マニュアルの完成後は仮運用を行いましょう。仮運用を行うことで、マニュアルの改善点や必要な内容が記載されているかなどが見つかる場合があります。
また、マニュアルを使用した従業員からのフィードバックをもらえる場合があるので、追加項目や削除する項目なども洗い出されます。フィードバックを受けることで、わかりやすいマニュアルを作成できます。
また、マニュアルを作成した者でない、第三者の意見を取り入れられることで、より質のよいマニュアルを配布することが可能です。
効率よくマニュアルを作成するには?
「マニュアルの作成にあまり時間が割けない」という方も少なくありません。
効率よくマニュアルを作成するポイントを、以下で解説します。おすすめのツールについてもご紹介するので、参考にしてください。
またマニュアルを作成する際に、気をつけるべき言葉遣いのポイントについて気になる方は以下の関連記事をご覧ください。
関連記事:マニュアル作成前に知りたい!気をつけるべき言葉遣いのポイントとは?
作成スケジュールの決定
マニュアル作成をする際、まずは作成スケジュールを立てましょう。
通常業務を行いながらマニュアル作成をする場合、時間の管理が大切です。マニュアル作成さえしてしまえば、新入社員への教育の時間の削減やトラブル時も個人で問題解決ができます。
マニュアル作成を任された際は、個人が持っている業務を手伝ってもらったり、マニュアル作成時間を設けさせてもらったりするなどの協力をしてもらえるように、ほかの従業員に伝えておきましょう。
また、あらかじめマニュアル完成日を決めておき、作成を進めていくこともポイントです。後回しにしてしまうとマニュアル完成までに時間がかかり、今までの業務に関連する新しい業務が出てきてしまう恐れがあります。
マニュアル完成日に合わせ、スケジュール管理をしてマニュアル作成を行いましょう。
業務の流れに沿って作成する
業務の流れに沿ってマニュアルを作成することで、効率よくマニュアルを作成できます。1日の業務のプロセスに従ってマニュアルを記載すると、マニュアル作成時に内容がまとまりやすくなるでしょう。
マニュアルを見返すなかで、どこに何が記載されているのか、知りたい項目が見つからないという場合も多くあります。マニュアルを手に取る従業員もプロセスに従って記載されていれば、必要な項目がわかりやすいでしょう。
図解を加える
マニュアルを文字列だけで作成すると、読みにくくイメージが湧きにくい場合があります。そこでマニュアルに図解を加えれば、業務をイメージしやすいでしょう。
また、専用のシステムを使用する業務の場合、図解があるとクリックする箇所やどのような表示が出るのかなどがわかるため、理解しやすくなります。
文章だけのマニュアルは、読み進める気力がなくなってしまうことも少なくありません。また、文字でマニュアルを記載していくと、文章が長くなってしまうことや説明が難しい内容が出てくる場合もあり、マニュアル作成に時間がかかってしまいます。
図解に加えて、吹き出しなどでポイントを記載すると読みやすく、マニュアル作成時間の短縮にもつながります。
ツールを用いた作成がおすすめ
マニュアルを作成する際は、ツールを使用するのがおすすめです。
WordやExcelなどのアプリケーションを使用しての作成も可能ですが、近年ではマニュアル作成に特化したツールが登場しています。
ツールを用いることで、簡単かつ短時間でマニュアル作成ができます。ツールの中には、ITの知識が少ない方でも使いやすいツールもあり、それぞれの用途や使う人に合わせたツールを選ぶことが可能です。
また、マニュアルの作成や更新、リアルタイムでの共有などに特化しているツールもあり、マニュアル作成後のフィードバックの反映を素早く行うこともできます。
ツールを上手く使い、マニュアル作成の時間短縮や更新などを効率よく行いましょう。
GROWI.cloudの紹介
多くの企業で利用されている「GROWI.cloud」は、テンプレート機能が備わっており、簡単な操作で手軽にマニュアルの編集が可能なツールです。
フォーマットを一度決めてしまえば、スムーズにマニュアルを作成できます。さらに、図や表をツール内で作成できるので、マニュアルの中に簡単に図表を組み込めます。
また、グループ機能を使ったマニュアルの公開範囲の設定が可能なので、セキュリティ面でも安心です。
近年、テレワーク化が進んでいることもあり、「自宅でマニュアルを確認したい」という場面も増えてきました。自宅へマニュアルを持ち出す際、懸念されるのが情報の流出です。
しかし、GROWI.cloudを使用すれば、クラウド上でマニュアルの確認できるので情報の流出を防ぐことができます。
マニュアル作成のツールを検討している場合は、ぜひGROWI.cloudを使用してみてはいかがでしょうか。
関連記事: 社内wiki|ナレッジベース-GROWI.cloudの使い方
まとめ
「マニュアル作成における目標設定の重要性」について解説しました。
マニュアルを作成するにあたって目標設定を行うことは、やるべきことが明確になり、悩む時間や何もしない時間といった「無駄な時間」の削減につながります。
また、明確な目標を設定すると、目標達成をした達成感が得られるというメリットがあります。同じ目標に向かって業務を行うため、チームや会社全体に活気や統一感が生まれ、業務をしやすい環境作りにもなるでしょう。
マニュアル作成は時間がかかる作業ですが、あらかじめ目標や目的、フォーマットなどを決めておくことで、スムーズにマニュアル作成を行えます。
しかし、人の力だけで一からマニュアルを作成する場合は、作業時間の短縮には限界があります。
マニュアル作成や編集が簡単に行えるツールを使用すると、フォーマットが決まっていたり、図や表の挿入が簡単にできたりするので、ツールを用いることがおすすめです。
目標設定やフォーマットの設定、ツールを用いて質の高いマニュアルを作成しましょう。