社内のナレッジ共有とは? 成功させる方法やポイントを解説
社内にさまざまな情報が散在していると、効率的に活用できません。社内のナレッジは、整理と共有により業務への活用が可能です。本記事では、社内ナレッジの共有とは何か、得られるメリットや共有がうまくいかない原因、成功させるポイントなどを解説します。記事の内容を踏まえ、ナレッジを共有できる環境構築を成功させましょう。
Contents
社内のナレッジには「暗黙知」と「形式知」の2種類がある
ナレッジとは、知識を意味する英単語です。社内ナレッジとは、組織の内部に存在するノウハウや知識などの情報を指します。社内のナレッジには、暗黙知と形式知の2つがあり、それぞれ性質が大きく異なります。
暗黙知とは?
暗黙知とは、言葉ではなかなか説明できない知識、経験などを指します。実際に行為そのものは可能であるものの、言葉や文字にして説明ができない、難しい知識や経験を暗黙知と呼びます。
職人の勘やトップデザイナーのセンスなどは、わかりやすい暗黙知ではないでしょうか。過去に積み重ねてきた経験に基づき、作業を行う職人に、どのようにしているのか、と質問しても的確に答えることは難しいでしょう。なぜなら、経験や環境により培われたものであるからです。
高い成約率を誇る営業担当のスキルも、暗黙知といえるでしょう。本人は、これといって特別なことをしている自覚がないため、説明を求められてもできません。対話中の間や、相手の心を読む力などを、経験で培っているためです。
このように、暗黙知は言葉や文字で伝えにくい特徴があります。それゆえに、暗黙知のナレッジは共有がしにくく、活用が難しいのも事実です。
形式知とは?
形式知とは、言葉や文字で説明が難しい暗黙知を、伝えやすいよう変換したナレッジを指します。これにより、そのままでは共有や活用がしにくかった暗黙知を、誰もが使いこなせるようになるのです。
企業が成長を続け、利益の拡大を実現するには、社内に存在するさまざまな暗黙知を形式知へと変換しなくてはなりません。市場や消費者ニーズの変化は年々著しく、ビジネスにはスピードが求められています。採用した新たな人材に、即戦力としてすぐ活躍してもらうには、成果に直結する暗黙知を形式知へと変換し、素早く共有できる仕組みを構築する必要があるのです。
ナレッジ共有とは、暗黙知を形式知へと変換し共有する仕組みです。また、ナレッジの共有により効率的な経営を行う概念を、ナレッジマネジメントと呼びます。
社内のナレッジを共有するメリット
そもそも、社内のナレッジを共有することで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。従業員のスキルアップやコスト削減、業務の効率化など、得られるメリットはたくさんあります。詳しく見ていきましょう。
社員の知識を底上げできる
業務に役立ち、成果につながる知識やノウハウを習得することで、従業員はスキルアップを図れます。共有した知識を活用し、今まで以上に効率よく業務を進められる可能性があり、作業時間の短縮や作業品質の向上にもつながります。
新入社員の教育に役立つのもメリットです。成果につながるノウハウが言語化されていれば、情報を共有して業務に関する知識、ノウハウを得られます。短期間で即戦力として活躍できる人材を育成できるのです。
教育や研修のコストを削減できる
従来では、教育や研修のたびに、資料を作成する必要がありました。資料を作成するとなると、業務に人材を割かねばならず、必然的にコストが発生します。人的コストだけでなく、資料に使用する用紙、インク代などのコストも発生するのです。
ナレッジを共有できる体制が整っていれば、資料を作成する必要がありません。ナレッジベースのようなツールやシステムを導入していれば、そこで業務に要する知識を習得できるためです。
また、研修の品質を均一化できるのもメリットです。研修の担当者が毎回変わるようなケースでは、どうしても品質にムラが生じてしまいます。その結果、きちんと知識を習得できたものもいれば、習熟度が低くなる従業員も出てきてしまいます。
優れたナレッジを集約し、共有できる仕組みができていれば、このような心配もありません。蓄積してあるナレッジを研修に用いることができるため、研修担当の技量や知識量に左右されにくくなります。
業務を効率化できる
優れたナレッジを共有すれば、より成果の出やすい業務を遂行できます。たとえば、営業成績抜群の担当者がもつスキルを、ナレッジとして共有したとしましょう。組織に在籍する、すべての営業担当が、このナレッジを共有できれば、全員が同じような成果をあげられる可能性があります。
また、失敗が起きやすい業務に関する情報をまとめておけば、ミスの繰り返しを回避できます。二度手間の発生も抑制できるため、結果的に業務効率化につながります。ミスが減り、より効率
よく業務を進められる環境が整えば、生産性の向上効果も期待できるでしょう。
ナレッジへ速やかにアクセスできる環境を整えていれば、時間コストも削減できます。一ヶ所にまとめて整理しておくことで、必要なときに目的の情報を速やかに手に入れられます。管理する部署が異なるナレッジでも、スピーディーに情報を入手することが可能です。
社内のコミュニケーションを強化できる
規模の大きな会社になると、部門間に壁ができてしまうことも珍しくありません。その結果、コミュニケーションがとりにくくなり、連携もしにくくなるといった弊害が生じます。
ナレッジを共有できる環境が整えば、部門間を超えたコミュニケーションや連携が可能です。シームレスな連携が可能になることで、組織全体の生産性の向上につながるでしょう。
コミュニケーションや連携がしやすい環境が整えば、組織としての一体感も生まれます。組織全体で、ひとつの目標に向かって突き進めるようになり、より大きな成果を得られる環境が構築されます。
さらに、部門間の壁が取り払われることで、情報交換もしやすくなり、相互に新たなアイデアや課題の解決案をやり取りできるのもメリットといえるでしょう。
流動的な人材に対応できる
ひとつの会社に長く留まって働くことを、美学とする時代はすでに終わりを告げました。現在では、より働きやすい環境、自分の能力を正当に評価してくれる職場を求め、転職するのが当たり前の時代です。
人材の流出は企業にとって避けたいものですが、それ以上に困るのがナレッジの流出です。誰もまねできない営業スキルをもつ人材が、ナレッジを共有せぬまま職場を去るとなれば、企業にとってどれほどの痛手となるのか想像に難くないでしょう。
ナレッジの整理と管理を行い、共有できる体制ができていれば、このような事態を回避できます。仮に営業成績トップの人材が会社を去ったとしても、ナレッジを共有できていれば問題ありません。会社に利益をもたらす資産として、残すことができます。
社内のナレッジ共有がうまくいかない要因
社内のナレッジ共有に取り組んでいる企業は多々ありますが、うまくいかないといった声もよく耳にします。スムーズに進まない要因はいくつか挙げられますが、よくあるのは以下のようなケースです。
ナレッジを共有する人がいない
社内にナレッジを共有する人がいない、といったケースは意外と少なくありません。このようなケースでは、実際にどのようにして運用すればよいのかわからず、手探り状態になっている可能性があります。
知識やノウハウを共有するには、正しい手法と手順が必要です。それに基づき、継続的に共有を行うのですが、そもそもできる人がいないため、属人性が蔓延したままになってしまいます。
社内のナレッジを共有する方法が周知されていない
ナレッジを共有するには、社内に存在している知識を集約し、言語化して共有、といったプロセスが必要です。また、言語化した情報を、どのように共有するのかが明らかになっていないと、従業員はどうすればよいのかわかりません。
共有方法を、組織全体に周知させることが重要です。また、周知させるだけでなく、必要性やメリットなどについても、きちんと伝えなくてはなりません。必要性やメリットが理解できないと、なぜナレッジの共有が必要なのかと疑問を抱き、行動にも移してもらえない可能性があります。
方法やメリットの周知ができても、実際の取り組み方が難しいとなると、これもまたうまく進みません。心理的なハードルが高くなってしまい、積極的に行動しようとしないのです。
社内のナレッジ共有をうまく進めるポイント
社内のナレッジ共有をうまく進めるには、大切なポイントを押さえておくとよいでしょう。取り組みがなかなかうまく進まない、と課題を感じているのなら、以下のポイントを押さえたうえで取り組んでください。
共有するナレッジの取捨選択をしておく
共有するナレッジは、何でもよいわけではありません。大切なのは、自社の利益拡大や成長につながるもの、生産性の向上を実現できる情報を集約し、共有することです。
ナレッジの共有はあくまで手段であり、目的ではありません。情報の取捨選択を徹底しないと、とりあえずどのようなナレッジでも共有しよう、といった状態に陥ってしまうおそれがあります。共有すること自体が目的となってしまうため、これでは本末転倒です。
社内の知識やノウハウを集めたら、どれが必要なのか細かく仕分けを行いましょう。不要なものまで含めてしまうと、余計な情報が増えてしまい、検索性も悪くなってしまいます。業務の効率化に役立つのか、生産性を向上できるかなど、自社の成長に寄与できる情報かどうかで判断しましょう。
社内全体へナレッジを共有する目的を周知しておく
ナレッジ共有は、組織全体で取り組んでこそ効果を発揮します。一部の人や部門しか取り組んでいないようでは、大きな効果は望めません。組織全体で取り組むべき事柄であることを、全従業員へ周知しましょう。
目的をきちんと伝えることも大切です。一方的に、取り組みを始めると伝えただけでは、従業員たちはなぜそれが必要なのかわかりません。しかも、現場の人間は本来の業務に追われているため、必要性や重要性が理解できないと、後回しにしてしまいます。
従業員には、自分ごととして捉えてもらえるよう、丁寧な説明を心がけましょう。ノウハウや知識の共有により、自分たちの仕事が楽になる、業務の時間を短縮できるなど、具体的なメリットも挙げつつ説明すると、積極的に取り組んでもらえる可能性が高まります。
本気で取り組んでいることを示すため、幹部や経営者が率先して取り組みの姿勢を見せるのも効果的です。経営陣が本気で取り組んでいることを理解できれば、従業員も重要性を理解できるで
しょう。
ナレッジを管理する担当を決めておく
管理の担当者がいないと、間違った方向性のまま取り組みを進めてしまうおそれがあります。その結果、二度手間が発生してしまい、なかなか本格的な運用ができない、といったことにもなりかねません。
スムーズに取り組みを進めるため、担当者を決めておきましょう。定期的に振り返りを行い、問題なく進められているかどうかをチェックする必要もあります。実際に運用を始めて、どのような効果が得られたのか、問題点はないか、といったことも確認し、必要に応じて適宜修正も行わなくてはなりません。
社内におけるナレッジ共有の方法
社内に散在するノウハウや知識を、ノートに書き出して従業員が読む、といった方法でもナレッジ共有は可能です。ただ、この方法はあまりにも非効率的であり、おすすめはできません。基本的には、ツールを用いた取り組みがおすすめです。以下、社内におけるナレッジ共有の方法について解説します。
ナレッジ共有には社内wikiがおすすめ
社内wikiとは、Wikipediaのように使用できるナレッジ共有ツールです。社内の情報を一ヶ所に集約してデータベース化でき、従業員が情報の追加や編集を行えます。
社内wikiの導入により、散らばっていた情報を一ヶ所にまとめて管理できます。そのため、必要なときに目的の情報を、スムーズに抽出できるのです。また、ツールによっては情報共有できる範囲も制限できるため、そのときどきの状況に応じた、柔軟な運用が可能です。
情報の物理的な管理スペースを要しないのも、メリットといえるでしょう。紙で情報を管理するとなれば、専用の保管スペースが必要です。社内のあらゆるノウハウ、知識を紙媒体で管理するとなれば、相当な物量となるでしょう。社内wikiであれば、このような課題は発生しません。
リアルタイムに情報の更新が反映されるのも、メリットです。更新した情報は、すぐシステム上で反映されるため、古い情報が残ったままになる、といった心配がありません。従業員は、常に最新の情報へアクセスでき、古い情報や誤情報によるミスの発生も防げます。
従業員の、ナレッジ共有に対する心理的ハードルを下げられるのも魅力です。共有の仕方が難しい、複雑で面倒といった場合、従業員から敬遠されてしまうおそれがあります。操作性がよく、簡単に使える社内wikiを導入すれば、このような心配もありません。
ナレッジ共有ツールの選び方
無料のものからAIを導入したものなど、実にさまざまなナレッジ共有ツールがリリースされているため、基本的な選び方を押さえておきましょう。機能面や費用面は気になるところですが、それと同じくらい使いやすさも重要なポイントです。
ナレッジ共有ツールは、組織に属する全従業員が使用します。そのため、使いにくいツールを導入してしまうと、組織をあげた運用ができません。一部の従業員しか使いこなせないようでは、
ナレッジ共有の意味、効果も薄れてしまいます。
若者からシニア層まで、幅広い年齢層の従業員が使いこなせるツールを選びましょう。ツールによっては、無料トライアルができるものもあるので、そのような製品を選ぶとよいかもしれません。
効率的にナレッジを管理できるかどうかもチェックしましょう。同時編集はできるのか、利用人数が増えたとき柔軟に対応できるのか、検索は容易にできるのか、といった部分も要チェックです。
近年のツールは高機能なものがたくさんありますが、大切なのは自社の目的にマッチする機能が備わっているかどうかです。機能がたくさん備わっているかどうかではなく、自社が達成したい目的をクリアできるか、役立つかといった部分をチェックしましょう。
社内のナレッジ共有なら「GROWI.cloud」
GROWI.cloudは、簡単に社内ナレッジを共有できる環境を構築できるツールです。社内のあらゆるナレッジをひとつのプラットフォームで管理でき、リアルタイムに同時編集できる機能も備わっています。豊富な導入事例があるため、選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
テキストのみならず、図や表を追加できるのも魅力です。わかりにくい作業の手順を図で示す、要点を表で簡潔に示す、といったことが可能です。キーワードを入力して、スムーズに必要な情報へアクセスできるのもメリットといえるでしょう。
利用者の人数が変わったときも柔軟に対応でき、管理者の負担軽減にもつながります。強固なセキュリティを備え、万全のサポート体制も整えているため、安心して利用できるのも特徴です。
シンプルなプラットフォームゆえに使いやすく、高機能であるにも拘わらず、月額5,500円~利用できることも、選ばれている理由です。無料トライアルも可能なので、事前に機能や操作性をチェックできるのも、魅力的なポイントです。
まとめ
社内ナレッジの共有により、従業員の知識を底上げし、教育コスト削減や業務効率化などのメリットを得られます。ナレッジ共有の方法は多々ありますが、本記事でもお伝えした通り、おすすめなのは社内wikiのようなツールの利用です。GROWI.cloudなら、高い機能性と操作性を兼ね備え、なおかつ低コストで導入可能なのでおすすめです。