作業効率化!OSS(オープンソースソフトウェア)の種類を一覧で紹介
OSSとはオープンソースソフトウェア(Open Source Software)の頭文字を取った略語で、
ソースコードが公開されていて誰でも自由に利用することができるソフトウェアのことです。
OSSを使用することで開発コストを抑えたり、作業を効率化することが出来ます。
OSSについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の関連記事もあわせて読んでみて下さい。
関連記事:エンジニアが知っておくべきOSSライセンスの基礎知識
それでは、OSSソフトウェアを種類別にご紹介していきます。
Contents
wiki
社内での情報共有やドキュメントの管理をスムーズにするwikiツールもOSSとして提供されています。
GROWI
GROWIは、「快適な情報共有を、全ての人へ」をコンセプトに掲げる株式会社WESEEKが提供する、Markdownが使えるオープンソースのwikiシステムです。
特徴として、本サービスは利用者自身でオンプレミス環境や各種クラウドVMに導入できるという自由度で人気を博しており、社内WikiやオープンWikiとして活用されています。他にも、Markdownでの記述、強力な GUI による図表編集、リアルタイム同時多人数編集、全文検索が可能であるなど、機能面でも優れた点の多いサービスです。
また、GROWIにはクラウド版のGROWI.cloudもあり、費用がユーザーの増減に影響されない月額固定制という点で、管理コストを削減したい管理層の方にもおすすめのサービスです。詳しくは料金・機能をご確認ください。
Outline
OutlineはGeneral Outline, Inc.が提供するオープンソースのwikiシステムです。
特徴として、リッチリザルト・Markdownでの記載、全文検索が可能、英語は勿論、日本語など約40か国語に対応しているなどが挙げられます。
Outlineにもクラウド版は存在し、ユーザー毎に料金が発生する従量課金型の料金システムになっています。
Pukiwiki
PukiwikiはPHPで動作するオープンソースのウィキソフトウェアで、htmlなどに関する知識が無くても簡単に文書の書き換えを行えるツールです。
特徴としては、多数の豊富なプラグインが公開されており、自由に機能拡張することができるほか、innerWikiにも対応していることが挙げられます。
クラウド版は存在せず、ossでの利用に限ります。
プログラミング
多くのプログラミング言語もOSSとして提供されています。
Python
Pythonは、カスタムソフトウェア開発者が使用する一般的なプログラミング言語です。
IEEEによると、2019年に最も人気のあった言語でした。使い方も簡単なので、たくさんの開発者に使用されています。
PHP
PHPは、Webサイトやその他のデジタルプラットフォームの作成に使用されるソフトウェア開発言語です。
高速で柔軟性があり、SlackやSpotifyなど世界中で人気のあるWebサイトで使用されています。
Ruby
Rubyは、日本で開発されたプログラミング言語です。
Webサイト制作、ショッピングサイト構築、SNS開発などさまざまなことが出来ます。また、クックパッドや食べログなどでは、Rubyによるウェブページを作成しています。
なでしこ
なでしこは日本で開発され、日本語で書くことのできるプログラミング言語です。
ファイル処理・画像処理・ネットワーク・Word/Excel連携・ 文字列処理など、日々の定型作業を自動化するための便利な 命令をたくさん備えています。(その数1000以上)
文法が単純で敷居が低く、さらに日本語の語順で書くので、これからプログラミングを学ぶ方に最適の教材であるともいえます。
高専、短大、専門学校の授業、社員教育に活用されています。
動画
動画編集ツール、動画配信機能、 さらに多形式に対応したマルチメディアプレイヤー もOSSとして提供されています。
Kaltura
Kalturaは、動画の配信・録画・編集・管理・視聴分析まで、動画コンテンツのあらゆる機能が集約された統合動画プラットフォームです。
WordPress用のプラグインが提供されていたり、Moodleとも連携が可能です。
学習動画配信・一般動画配信・ウェブコンテンツに動画を挿入することなどが出来ます。
Blender
Blenderは、統合型3DCGソフトウェアで、3Dモデリング・モーショングラフィックス・アニメーション・シミュレーション・レンダリング・デジタル合成 (コンポジット)などの機能を備えています。
Blenderは人気のツールであるため、インターネット上にたくさんのチュートリアルが公開されています。そのため、初心者でも調べながら使いやすいというのがメリットです。
また、日本語に対応しているのも特徴です。
Shotcut
Shotcutは、高機能な動画編集ソフトです。4K 動画の編集や、複数ファイルの連結・合成 等々の処理にも対応しています。
また、動画ファイルを編集できるだけではなく、複数の 動画 / 画像 / 音声ファイル をタイムラインに読み込み、それらを連結したり合成したりして一つの動画ファイルを作成することもできます。
さらに、複数のフォーマットに対応していることもShotcutの特徴です。 BMP・GIF・JPEG・PNG・SVG・TGA・TIFF・WebP・ 4K動画などのファイル形式に対応しています。
VLC Media Player
VLC media playerは多形式に対応したマルチメディアプレイヤーです。
一般的に使われているほとんどのメディアファイルを、標準の状態で再生することができます。
指定した区間をリピート再生する機能や、再生速度を変更する機能、お気に入りのファイル等を登録することができる “ ライブラリ ”、映像 / 音声 / 字幕トラック の切り替え・色調補正・回転 / 反転・デブロッキング・サラウンドエフェクト(ヘッドフォン用)・ノーマライズ・イコライザー・音ズレ補正・静止画キャプチャ 等の機能が付いています。
チャット機能
Rocket.Chat
Rocket.Chatとは、オープンソースソフトウェアのウェブチャットサーバです。
インターネット上で提供されているSlackのようなチャットサービスを、プライベートな独自のプラットフォーム上で構築することができます。
アカウント管理をLDAPやActiceDirectoryで行っている場合、既存のアカウント管理システムと連携してRocket.Chatにログインできます。
また、用途に応じたチャットルームを作成することができます。
- 公開チャットルーム/誰でも利用登録ができるチャットルーム
- 限定公開チャットルーム/管理者が招待したユーザだけが利用登録できるチャットルーム
- 非公開チャットルーム/管理者が登録したユーザだけが利用できるチャットルーム
スマートフォンなどの端末からでも、チャットルームの会話を確認、返信可能です。
グラフィック
グラフ描画ソフト を使えばグラフやカラーマップを簡単に作成できます。
Samurai Graph
Samurai Graph は高機能かつユーザフレンドリーなグラフ描画ソフトです。 スカラー型もしくはベクトル型の2次元データをグラフに描画することができます。
Javaベースのアプリケーションなので、幅広い環境で利用できておすすめです。
スカラー型・ベクトル型のデータを2次元のグラフや疑似カラーマップとして描画でき、画像ファイルとして書き出せるのが特徴です。軸目盛や数字のスケール幅などが、用途に応じて自由にカスタマイズできます。
写真
GIMP
GIMPはさまざまなフィルターやエフェクトなどを使用することが出来る写真編集ツールです。
レイヤー機能はもちろんのこと、エフェクトやブラシなども豊富に揃えており、高価な有償グラフィックソフトにも引けをとらない多機能性が魅力です。
WindowsやLinuxを含む複数のプラットフォームで利用でき、さまざまな3Dパーティプラグインとカスタマイズオプションもあります。
多くのイラストレーター、グラフィックデザイナー、写真家に使用されています。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)
WordPress
WordPressは、世界で圧倒的なシェアを獲得している無料で使えるブログソフトです。
WordPress自体にブログとしての機能やページを更新するための仕組みが組み込まれているため、プログラミングの知識が無くても簡単にサイトを作成・更新出来ます。
デザインプレートが豊富でカスタマイズ機能が充実しているのも特徴です。
baserCMS
baserCMSは、国産のCMS(Contents Mangement System)です。
CMSとは、ホームページ制作に関する知識がなくてもWEBサイトあるいはブログの構築・管理が行えるサービスのことです。
また、クラウド型Web脆弱性診断ツール「VAddy」による脆弱性診断をクリアしているので、セキュリティとメンテナンス性が高いというのも特徴です。
さらに、日本語が管理画面の標準になっていてストレスなく操作できます。「コンテンツ一覧」画面では、サイト構造をツリー形式で表示してくれるため、視覚的にページ同士のつながりを確認することができます。
EC-CUBE
ECサイトの運営や管理に特化したCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。
EC-CUBEは、日本発で、シェアは国内NO.1のオープンソースのソフトウェアです。(第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査)
大手ECパッケージは多くの場合有料ですが、EC-CUBEは無料で使用できます。改変も自由なので、カスタマイズやプラグインの導入によって、定期購入やBtoBサイト・オンライン予約など、様々な販売形態にも対応できます。
数多くの企業が利用しており、信頼性が高いのが特徴です。
オフィス
LibreOffice
LibreOfficeは、プレゼンテーション・ドキュメント・スプレッドシート・データベースを提供するオフィススイート製品です。
Microsoft Office と互換性があり、Word・Excel・PowerPointで作成したファイルを開封・編集・保存できます。また、同等の機能を持っていますがMicrosoftOfficeとは異なり、LibreOfficeは完全に無料です。
Sugar CRM
SugarCRMは、米国のSugarCRM社が開発したCRM(顧客関係管理)の代表的なソフトウェアです。無償のコミュニティ版は、世界中で1000万以上もダウンロードされています。
営業管理・顧客サポートサービス・マーケティング管理・グループウェア・システム管理機能などの分野の一部がオープンソースとなっています。
顧客管理の効率化におすすめです。
Web会議システム
BigBlueButton
BigBlueButtonは、オープンソースソフトウェアのWeb会議システムです。BBBとも呼ばれており、ウェブブラウザを使用して、オンラインでのWeb会議を実現することができます。
PDF形式のプレゼンテーション資料の共有や、モデレーター(主催者・運営・操作)、プレゼンター(セミナーで実際に話す人)、ユーザー(視聴者)などの役割や権限をわけることもできます。
また、HTML5対応なのでスマホやタブレットでも使用可能です。
さらに、Web会議システムとしての機能に加え、プレゼンテーションの共有や録画機能などの機能があり、オンラインでの企業説明会や企業セミナー、学生に向けてオンライン授業を開催したりなど、様々な用途での利用が可能です。
Jitsi Meet
Jitsi Meet とは、Jitsiプロジェクトがオープンソースで開発しているビデオ会議システムです。
機能はGoogle MeetやMicrosoft Teams、Zoomと同じですが、異なる点はアカウントを作る必要がなく、さらに完全無料で使用できることです。
また、コンピューターにクライアントソフトをインストールしたりする必要はなく、ウェブブラウザやスマートフォンからセキュアなビデオチャットが利用可能です。
便利機能
embulk
Embulkは、さまざまなストレージ・データベース・NoSQL・クラウドサービス間のデータ転送を支援する並列バルクデータローダーです。
Embulkには以下のような機能があります。
- 入力ファイルフォーマットの自動推測
- 巨大なデータセットを扱うための並列・分散実行
- All or Nothingを保証するトランザクション制御
- 再開機能
- RubyGems.orgでのPluginの提供
Linux
Linuxは,WindowsやMacと同じOSの1つで、主にサーバーやシステム開発の構築に利用されています。
無料で使用できるのに加え、カスタマイズも可能で個人・企業問わず人気です。
安全性が高く、優れたコミュニティサポートがあるのも特徴です。
Chainer
Chainerは、日本製の深層学習フレームワークです。ニューラルネットワークをPythonで柔軟に記述し、学習させることができます。
画像分類・物体検出・セグメンテーション・線画自動着色サービスといった機能を使えます。
また、開発元が日本企業であるため日本語に対応しています。英語が苦手な人でも安心です。
scikit-learn
scikit-learnは、オープンソースの機械学習ライブラリです。
Numpy、SciPy、matplotlibといったPythonのライブラリ上で動作し、scikit-learnを使えば、誰でも手軽に機械学習の前処理やモデリング、評価指標の算出などを行うことができます。
scikit-learn は機械学習を行うにあたって有用なアルゴリズムが数多く実装されています。
さらに、機械学習のチュートリアル用に用意されている様々なデータセットが付属しているため、はじめて機械学習を学ぶプログラマにはうってつけのライブラリとなっています。
まとめ
OSSソフトウェアを種類別にご紹介しました。
数多くのオープンソースがあるのでその特徴やメリットを知って、必要なものをぜひ取り入れていきましょう。
導入が簡単な物も多く、すぐに使い始められます。OSSを使えば作業や業務の効率をアップ出来ます!