新人のためのマニュアル作成の仕方とは?作成のコツやポイントをご紹介!
新入社員の教育担当の方は、新人のマニュアルの作成で困っていませんか。内容の充実したマニュアルを作成することによって、新人育成が一気に効率化します。
この記事では、新人のマニュアル作成のコツやポイントについて、紹介します!
Contents
新人のためのマニュアルを作成するメリットやその役割とは?
マニュアル作りを大変に感じることもありますが、新人向けにマニュアルを作っておくことで多くのメリットが期待できます。マニュアルが持つ役割について紹介します。
新人教育の効率化
業務に関して分からないことや必要な知識を、その都度個人に教えるのは効率的ではありません。新人のためのマニュアルがあれば、各個人が自分でマニュアルを読み込むことで基本的な知識を身につけてもらえます。
まずはマニュアルでわからないことを調べてみて、それでも分からないことは先輩社員や教育担当者に聞くという体制を作れます。
毎年教える内容にあまり違いがない場合は、一度作ってしまえば翌年は手直しをする程度でマニュアルを活用できます。
教育担当者の負担軽減
新人教育をする際、教育担当者が一から教えていくのは大変です。何もない状態で教える場合、何から教えればよいのかを自ら考え、教えることにモレがないかなどもチェックする必要があります。
教育のための十分な時間を確保することも必要です。新入社員のためのマニュアルがあれば、マニュアルに沿って効率的に教育できます。
通常業務もこなしている担当者にとっては教育関わるリソースをほかの業務に割けて、業務負担の軽減に役立つでしょう。
口頭で説明しにくい事柄も伝えやすい
教育する内容によっては、口頭で説明しにくい事柄もあります。たとえば機械や画面の操作の場合、実際に操作するものが目の前にあった方が教えてもらう側もイメージしやすいでしょう。
しかし、すべての新入社員に実際に使う機械や画面の操作をしながら教えることは難しいケースもあります。マニュアルは写真や動画なども取り入れられるため、実際に操作する様子を撮影して文章とともにマニュアルにまとめることも可能です。
そうしたマニュアルがあれば操作する対象のものを見ながら教えられるため、新入社員にとっては理解がより深まるでしょう。
いつでも振り返って学べる
一度聞いただけでは覚えきれない、後で見返して理解を深めたいといった場合にメモをとるケースもあるでしょう。しかし、メモをとったものの急いで書いたため内容が分かりにくい、本当に正しいか不安に感じるという場合もあります。
マニュアルに教育内容をまとめて配布すれば、メモをとらなくてもいつでも振り返って学べます。自分のタイミングで繰り返し学べることで、知識の定着に役立つでしょう。
教育内容を統一できる
同じ業務をしていても、各個人でやり方が違うこともあります。そのため教育担当者によって、教え方にバラつきが生じてしまうかもしれません。
教育担当者によって教え方や手順などが違うと、新人に混乱を与えてしまうでしょう。適切な方法や手順が不明瞭のため、新人教育がスムーズに進まない原因になってしまいます。
マニュアルがあれば教育内容を統一できるため、教え方のバラつきをなくし混乱を防げます。教育の質を均一にすることにも役立ちます。
新人のためのマニュアルを作成するための5つのポイント
新人向けのマニュアル作成時に押さえておきたいポイントや注意点を5つ紹介します。
専門用語は避ける
マニュアルの作り手にとっては普段から使い慣れている言葉も、新人にとっては分からないケースもあります。難しい専門用語を使ってしまうと、その都度調べる必要があるため非効率です。
「こういう意味だろう」と推測して読み進めてしまい、間違って理解してしまう可能性もあります。新人向けのマニュアルでは、専門用語や業界用語は避けましょう。
業務に関する知識や経験がなくても理解できる内容してください。専門用語をどうしても使う必要がある場合は、細かに解説を入れてスムーズに理解できるように配慮しましょう。
分かりやすく、読みやすく記載する
入社してからは覚えることが多く、新人も大変な思いをしているかもしれません。分かりにくいマニュアルは、新人のモチベーションを低下させる原因になります。ダラダラと長い文章は分かりにくいため、簡潔にまとめて読みやすいように配慮しましょう。
場合によっては箇条書きも取り入れ、内容が伝わりやすいようにします。文字の色づけや装飾すると、重要な部分が分かりやすくなります。ただし装飾しすぎると重要な箇所が埋もれてしまい、読みにくくなるため注意が必要です。
画像や図表も取り入れる
文章で埋め尽くされたマニュアルは、読み手に負担をかけます。内容によっては文章だけだと理解しにくいこともあるでしょう。
とくに業務の手順や操作方法などを示す場合は、画像や動画があるとイメージしやすく、理解が深まります。視覚的に分かりやすくするために図表やイラスト、動画などを取り入れるのがおすすめです。
仕事全体を把握できるような構成にする
仕事の全体像の把握が必要な新人には、最初に仕事全体の流れを教えて、その後細かな作業内容や詳細を丁寧に教育するのが基本です。
新人向けのマニュアルでは、仕事全体を把握できるような構成にしてください。詳細を教える際は理解を深めるために、全体像のどのあたりの部分であるかを伝えるのがおすすめです。
解釈に個人差が出ないようにする
マニュアルを読んで業務内容を理解してもらう場合、個人によって解釈の仕方に差が出ることがあります。作り手が意図した内容とは違う解釈をされることもあるのです。
解釈の個人差を減らすために、マニュアルが完成したら複数の人からチェックしてもらうのがおすすめです。作り手よりも社歴の浅い社員や現場で働く社員、可能であればほかの部署の社員などにもチェックしてもらい、解釈に個人差がある部分は修正するようにしましょう。
新人のためのマニュアルの作成手順と必要項目
新入社員に向けたマニュアルの作り方について、順を追って解説します。
マニュアル作成の目的をはっきりさせる
新人向けマニュアルを作成する際は、まず目的を明確にしましょう。マニュアルから新人に何を身につけてほしいのか、どんなときにマニュアルを活用してほしいのかを決めます。
目的が曖昧なままだと、何が言いたいのか分からないマニュアルになりかねません。目的をはっきりさせてから作成に取り組むことが大切です。
作成のスケジュールを立てる
新人向けのマニュアルであれば、4月の入社までには完成させておく必要があります。完成を目指す日から逆算して、必要な工数やマニュアル作成に費やせる時間や日数を考慮しつつ計画を立てましょう。
きちんと計画を立てておくことで、マニュアル作成を後回しにしてしまうことを防ぎます。作成して終わりではなく、周囲の人のチェックする工程も含めて余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
必要項目をリストアップする
マニュアル作成の目的をもとに、新人に身につけてほしいスキルや、教えたい項目をリストアップします。
社会人経験の少ない新入社員向けであれば、細かなビジネスマナーをまとめておく必要があるでしょう。また、中途社員や派遣社員に対しては、会社のルールについての項目や各種手続きの方法についてマニュアルに含めておきましょう。
もちろん、企業理念や会社の目標を記載して、入社時点で社内の結束を深めていくことも効果的です。
業務上で新人がつまずきやすい課題についても、過去の新人がどんなところでつまずいていたかヒアリングして実用的にまとめておきましょう。マニュアルに記載する必要項目を挙げたらジャンルごとに整理しておきます。
目次や構成から作る
いきなり文章を書き始めると、冗長でまとまりのない内容になってしまいます。そのため、まずは目次や構成といった骨組みを決めましょう。
目次があることで読み手が後から検索しやすく、見つけたい情報に素早くたどり着けるようになります。また、構成は大見出し、中見出し、小見出しを使って階層構造にするのがおすすめです。項目別に分けて記載でき、関連項目をまとめられます。
内容を記載していく
骨組みが決まったら、後は内容を肉付けしていく作業です。一文は短く簡潔に、分かりやすく記載しましょう。理由付けもすると説得力のあるマニュアルになります。
文章がびっしり詰まったマニュアルは読みにくさを感じるため、段落や改行を適宜入れたり、空白を作ったりすることがおすすめです。
重要な部分は文字の色を変えたり、ページ全体の背景色を変えたりすると目立ちます。必要に応じてイラストや画像、動画、図表も取り入れましょう。
完成したら周囲の人にチェックしてもらう
マニュアルが完成したら、複数の人にチェックしてもらいましょう。自分では気付かなかったことを発見できるかもしれません。作り手にとっては当然分かるだろうと思った事柄も、新人にとっては分かりにくい場合もあります。
そのため、自分よりも社歴の浅い社員にチェックしてもらうのもひとつです。人によって解釈の仕方は違うため、できれば複数の人にチェックしてもらい改善点があれば修正しましょう。
配布・運用する
新人に行きわたるように紙やデータ資料、オンライン閲覧などの方法で配布しましょう。マニュアルの活用が想定される場面やセキュリティ面などを考慮して、使いやすい方法を選びましょう。
新人向けに作成したマニュアルは、翌年以降も修正や追加をして使用する可能性もあるため、データは残して管理しておくと活用できるかもしれません。
新人のためのマニュアル作成を効率化させるツール
新人向けのマニュアルを作成するなら、効率的に作成できるツールやサービスを使うのがおすすめです。ツールを選ぶ際には利用規約も確認して、自社の使い方に合ったものを選びましょう。以下に具体的なツールを紹介します。
Excel・Word
ビジネスにおいて使用することの多いExcelやWordは、マニュアル作成の際にも活用できます。Wordは文章作成によく利用されます。グラフなどの図表や画像などを多く取り入れたい場合は、Excelがおすすめです。
棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフといったさまざまな種類のグラフを作成できます。普段の業務でExcelやWordを使用している場合は、使い慣れたツールを活用できることがメリットです。
機能は制限されますが無料で使うことも可能です。マニュアル作成のためのコストを抑えたい場合にも向いています。
まずはコストをかけずにExcelやWordを使用してマニュアルを作り、マニュアル作成の効果を検証したうえで以下に紹介するようなツールを使ってみるのもひとつです。
NotePM
登録企業が5,000社を突破した社内wikiツールです。高機能エディタやテンプレート、画像編集機能などを使ってマニュアルをWeb上で簡単に作成できます。
全文検索やワンクリック絞り込み機能など、強力な検索機能も備わっています。マニュアルを活用するとき、知りたい情報を見つけやすいでしょう。変更履歴は自動で記録されるため、誰が何を更新したのかも分かります。よく見られているページなどの活用状況をレポート出力する機能もあり、マニュアルの作成や効果的な運用に役立ちます。
GROWI.cloud
こちらも多数の企業に導入されている、社内・社外のナレッジ情報を共有するwikiツールです。マニュアルや操作手順、社内報告書などを効率的に作成や共有できます。
リアルタイムで同時に複数人が編集する機能もあるため、教育担当者が複数人いる場合にも便利です。自動保存機能があり、過去の履歴の閲覧もできます。
テンプレート機能や強力な編集機能もついているため、マニュアル作成に役立てられるでしょう。操作画面上で図表の作成や、スプレッドシートの埋め込みも可能です。
料金は月額固定制のため予算も組みやすく、バックアップ機能もあるため安心です。作成側へのメリットだけでなく、マニュアルの読み手にとってもメリットがあります。
マニュアルは知りたい情報を見つけやすいことが求められますが、GROWI.cloudはタグ検索や全文検索機能もついているため、知りたい情報を素早くピンポイントで表示できます。
まとめ
新人向けのマニュアルを作成しておくことで、新人教育の効率化や教育担当者の負担軽減に役立ちます。担当者によって教え方にバラつきが出ることも防げます。
マニュアル作成時は専門用語を使わずに、分かりやすいように配慮することが求められます。読み手に負担をかけないように、簡潔に記載したり、画像を使用したりと工夫しましょう。
マニュアル作成の際はまず目的を明確にし、完成までのスケジュールを組みます。新人向けマニュアルだからこそ必要な項目もあるため、こちらの記事で紹介した事柄も参考にモレのないように注意しましょう。
目次や構成を決めてから、便利なツールを使用しつつ内容を肉付けしていくのがおすすめです。