組織のサイロ化を防ぐには?問題点の解決策をご紹介!

2023-07-27

ビジネスが大きくなるにつれ、組織の「サイロ化」が問題となるケースがあります。

組織のサイロ化とはどのような問題で、何に影響するのかを理解し、業務を協力し合える組織作りを進めましょう。

この記事では、組織のサイロ化による問題点や解決策をご紹介していきます。

サイロ化とは?

サイロとは、もともと工業原料や家畜の飼料、農作物を保管しておく円筒型の大きな容器や倉庫のことを指します。サイロは基本的に同じ場所に設置されていますが、各サイロは独立した建物のため、互いの物資が混ざり合うことはありません。

このサイロを企業にたとえると、企業内の各部門や部署がそれぞれ完結しているものの、お互いが上手に情報共有できておらずコミュニケーションが取れていない状況を指します。

サイロ化が進む原因として考えられるのは、組織が縦割り構造になってしまっていることです。縦割り構造によって部門ごとに明確な目標を立てやすいため、特定の目的を達成するためには理にかなった構造と言えるでしょう。しかし、さらに大きなプロジェクトを達成するためには、部門の垣根を超えた協力体制の構築が必要不可欠です。

サイロ化は大企業になればなるほど深刻化しやすい傾向にあります。それは、部門や部署が細かく分かれることによって、コミュニケーションが取りづらい状況になるからです。

では、具体的にどのようなサイロ化の傾向があるのかご紹介していきます。

社内の部署間でのサイロ化

社内の部門や部署がうまく連携がとれていないために、組織としての協力体制が整っていない状態を指します。

部門や部署が増えて作業内容が細分化されることにより、それぞれ独自のプロセスが生れてさらにサイロ化が進行します。企業全体としては同じ目標に向かって動いているはずなのに、蓋を開けてみるとどの部門も独立しており、情報共有が行えていない状況です。結果的に、成果を出しにくくなる、連携がとりづらく担当者単位での連絡がとりにくいなどの問題が発生しやすくなります。

アプリケーション間でのサイロ化

アプリケーションシステムが社内で上手く連携できていない状況を指します。

具体的には、特定の部署で使用していたソフトウェアから別の部署が使用するソフトウェアへ情報を置き換えようとした際に、うまく閲覧できないという問題が発生することです。

これは、異なるソフトウェアそれぞれが対応しているデータの形式が違うことにより発生する問題です。

データ化が進む一方でこのようなアプリケーション間でのサイロ化が増え続けているのはなぜなのか。それは、細分化された部署内でそれぞれが自分達にあったアプリケーションを使用することでデータを連携できなくなってしまうからです。

重要なデータを各部署が持っているにも関わらず分散した状態になっていると、データの一部しか使用することができなかったり必要なデータを抽出できなかったりします。結果的に企業として時間と費用を無駄にすることにつながるでしょう。

組織がサイロ化することによっておこる問題は何か?

組織がより大きくなるためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)というデジタル技術を日常的に取り入れていくことが必要不可欠です。しかし、組織が拡大することで、よりサイロ化は進行しやすい状況にあります。

DXの進行を妨げるのもサイロ化であり、組織においてサイロ化は一刻も早く解決しなければいけない問題であるといえるでしょう。

具体的にサイロ化によってどのような問題が発生するのでしょうか。

欲しい情報に辿り着けず、生産性が下がる

部門や部署間で連携が取れていないことにより、作業の生産性が下がる可能性が高くなります。たとえば、情報共有がうまく行えていないと、すでに他部署で行っている作業を別の部署も行ってしまうということが発生します。

同じ作業を複数人が行うことで、時間とコストの無駄が生じることになります。こういった現象は、組織にとって大幅な損害を生むことにつながりかねません。

また、情報のデータ化は日々進んでいて、大手企業はとくに膨大な量のデータを扱っています。そういったなか、情報がサイロ化して分散されていると、必要な情報にありつくまでかなりの時間を要してしまいます。

せっかく貴重な情報が揃っているにも関わらず、いざ使いたい時に取り出せないのではまったく意味がありません。

必要な情報を効率的に取り出すためには、やはり情報を一元化してひとつにまとめる必要があります。データが多くなるほど難しいことではありますが、膨大なデータを扱う企業こそ、情報を集約し整備することが大事なのです。

チーム/部署間で対立する

個別に情報を管理していることでお互いの状況が把握できず、いざ擦り合わせると矛盾が発生している場合もあります。そのような事態になると、一度すべての部署の情報を確認し再度擦り合わせを行わなくてはなりません。

チームや部署がそれぞれ違ったやり方をすることで、考え方も変わってきます。互いに協力することでうまくいくプロジェクトであっても、縦割り組織が生まれることで互いに対立してしまい、プロジェクトの進行に支障をきたしてしまうこともありえるでしょう。

このように、サイロ化が進行することで必然的に組織にとって重要な資源を無駄にすることにつながるのです。

意思決定が遅くなる

経営判断に必要な情報を集めようとした時、その情報がさまざまな部署に散らばって保管されていると、集めるだけで多くの時間を要します。すると、意思決定が遅くなることにつながります。

また、データの保存形式が各自違う場合は手動で合わせなければならないので、手間や時間がかかる上にミスも起きやすくなるでしょう。

サイロ化を解消することのメリット

サイロ化が進行することで、さまざまな分野に悪影響を及ぼすことがわかりました。裏返せば、サイロ化を解消すると多くのメリットが存在するということです。

具体的に、各部署の情報を集約することでどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

業務効率化、生産性向上

各部署間での業務連携ができている状態であれば、迅速にデータを取得できるようになります。すると、経営体制が整ったことで日々の細かいルーティンワークを自動化することも可能になり、業務の効率化が実現するでしょう。

また、日々の細かいルーティンワークが自動化されることで、社員は別の業務に時間をあてることができます。企業価値を上げる重要な業務に人の手を集めることが可能となり、生産性の向上も期待できるのではないでしょうか。

データや書類の価値向上

さまざまな情報を集約しやすくなることで、データや書類の価値が向上します。また、情報共有がスムーズになれば、新しいアイデアも生まれやすくなるでしょう。

たとえば、各部門から集めたデータからほしい情報を取り込むことで、マーケティング部のヒントにつながることがあります。顧客の購買データや行動範囲など、ひとつの部門では集められなかった情報がスムーズに集められるようになると、複雑な条件設定のもと抽出するデータも正確に取得しやすくなるでしょう。

サイロ化を防ぐための3つのポイント

サイロ化を引き起こす原因は複数存在します。システムを整えることも必要ですが、それ以外にどのような防止策が存在するのでしょうか。

部署をまたいで交流会を開催する

部署同士がお互いのことをわかっていない状態であることが、サイロ化を引き起こす原因でもあります。他の部署はどんなことをしているのか、どんな社員がいるのかということを理解するためにも、まずは交流する機会を増やしましょう。

交流といっても仕事上に限らず、飲み会やランチ会などでも構いません。互いに情報共有しコミュニケーションを取ることで、サイロ化の解消につながります。

企業全体で、情報共有のためのルールなどを設定する

企業においてサイロ化を生み出す1番の要因が、縦割り構造になっていることです。日本の企業は組織体制がもともと縦割り構造になっていることが多いので、無意識に各部門が分断され情報共有がしづらい環境になっています。

まずは部門のリーダーが互いにコミュニケーションを取り合うようにし、企業全体のルールを整えるようにしましょう。上司が行わなければなかなか部下は行動を起こしづらいので、責任者同士が協力することで部門間のコミュニケーション方法を改善することにつながるはずです。

情報共有ツールを導入する

部署の垣根を超えて情報共有しやすくするために、情報共有ツールを導入することもひとつの対策です。

とくに、若い社員は飲み会などでの交流より、SNS上での交流の方が気軽で良いと考える人も少なくありません。上司や部下とも情報共有ツールを通じて日常的にコミュニケーションを取れることは、情報共有がしやすくサイロ化の解消にもつながるでしょう。

では実際どのような情報共有ツールがあるのか、具体的なサービス内容を交えつつ3つのツールをご紹介します。

GROWI.cloud

GROWI.cloudはWESEEKが提供するシステムサービスです。

内外にある知識や情報を有効に使うために、さまざまなシステムを導入している企業は多いでしょう。部門や部署ごとに対応可能なサービスが異なるためです。しかし、この状態だとコストや時間が多くかかり効率的ではありません。

GROWI.cloudはさまざまな部署の情報管理をまとめて行うことが可能です。

管理者向けの機能が充実しており、ユーザー増減にも対応しやすいので、管理業務の負担を削減できます。チームの拡大やプロジェクトの終了にともなう解散などにも迅速に対応できるので、変化の多い環境でも使いやすいでしょう。

また、GROWI.cloudは編集機能に優れています。リッチテキストエディタやMarkdownといった言語も使用可能であり、多くのエンジニアから支持を受けています。多人数リアルタイム同時編集にも対応しており、情報共有を手軽に感じていただけるでしょう。

GROWI.cloudのプランはユーザー数に応じた4段階制で、社内の状況に合わせて選択できます。

月額(税込)1appあたりの上限ユーザー数標準app数
ベーシック6,050円252
ビジネススタンダード16,500円753
ビジネスプロ46,200円無制限6
エンタープライズお問合わせください無制限お問合せください

無料トライアルで実際に使用し、感触をたしかめてから導入できるため、導入してからのギャップに悩むことはありません。

Notion

Notionは機能を豊富に取り揃えたメモアプリケーションです。メモアプリケーションといえど、プロジェクト管理やタスク管理、wikiとしての機能も備えています。とにかく万能で、本来であればいくつものサービスを使用するところをNotion1つでまかなえてしまうので機能性は文句なしと言えるでしょう。

とくに利用しやすい点としてあげられるのが、デバイスフリーであることです。MacBookやWindowsはもちろん、スマートフォンでも利用可能です。外出先や自宅などでも作業をしたい人にはもってこいですね。

しかし、Notionは日本でまだあまり認知されていないため、使用の仕方を解説してくれるWEBページは多くありません。周りにも使用している人が少ないかと思うので、やり方を一から自分で理解する必要があります。とはいえ、使用方法が特別難しいわけではありませんので、まずは個人利用をして試してみるのはいかがでしょうか。

esa

esaは迅速な情報共有ができるようにサポートする情報共有ツールです。チーム全体で情報を育てていくという視点で作られたツールで、esaはその過程をサポートしてくれます。

esaの中で一番特徴的なのは、WIP機能です。作成途中の文書でも、Save as WIPというボタンを押すと作成途中であることを知らせた状態で公開できます。途中段階で共有することで、進捗状況を複数人で把握できるのでこまめにやり取りをする必要がなくなるでしょう。

気になる料金プランですが、esaはひとりあたり500円/月のプラン一種類のみ用意されているのでとてもシンプルです。従業員数が多い企業はその分費用がかさむことになるので、機能性とコストのバランスを考えた上で検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

企業がより大きく成長するためには、サイロ化の解消がいかに大事かおわかり頂けましたでしょうか。情報を円滑に共有することで、業務の効率化につながり生産性も上がります。

各部署が集めた有力な情報を最大限活用するためにも、サイロ化の解消を目指しましょう。