部署間のコミュニケーションを活発にする秘訣とは?

2024-04-01

組織運営において、部署間のコミュニケーションの停滞に頭を悩ませるケースは少なくありません。

組織が一定の規模の大きさになることで、いわゆる組織の縦割り化が進行することは珍しくなく、部署同士のコミュニケーションは自然と減少していきがちです。

しかしいうまでもなく、部署間の活発なコミュニケーションは、事業における新たな活力を生み出すためにも、非常に重要です。

本記事では部署間のコミュニケーションの重要性を再確認するとともに、連携が取れなくなる理由や、停滞した部署間のコミュニケーションを改善し、活性化するための方法について詳しく解説します。

なぜ部署間のコミュニケーションが重要なのか?

そもそもなぜ、部署間のコミュニケーションが重要なのでしょうか。部署間のコミュニケーションが進展しない理由のひとつに、コミュニケーションの重要性に対する組織のメンバーの認識不足があります。

部署間の相互交流の重要性を理解することは、状況改善のための第一歩です。ここでは社内で共有しておきたい、部署間のコミュニケーションが重要な理由について、詳しく解説していきます。

組織の一体感が高まるため

部署間のコミュニケーションが必要な理由のひとつに、組織の一体感の向上とそれにともなう組織力の強化があります。

組織は規模の拡大とともに、縦割り化が進みます。従業員数が増加することで、ひとつの部署の人数も増えて、それ単体でひとつの組織ともいえるほどの規模になる場合もあります。

このようなケースでは、目指す成果や目標も、部署ごとに最適化されたものへと変わっていきます。組織全体の理念や目標は直接的な評価や利害に絡まないため、意識されづらくなる傾向があり、意識が部署の内側へと閉じていきがちです。

これはコミュニケーションによって生じる調整をコストと考えた場合、自然に起こる現象です。部署外のロジックの学習コストが生じるうえ、それが自部署とマッチしない場合に心理的な負担になってしまいます。そのため、交流の機会を無意識に回避してしまいがちです。

しかし、このようなふるまいは、企業組織においては部署間のつながりを弱くしてしまうため、組織全体の弱体化につながってしまいます。

利益の追求に対する意識が部署のレベルにとどまるようになってしまい、組織全体の生産性が落ちるほか、心理的な一体感も減退してしまいがちです。当然このような体制では、危機的な状況が発生した際の団結力にも悪い影響を及ぼすでしょう。

一方で、部署間のコミュニケーションが活発な企業では、組織全体の一体感も高い傾向があります。業務内外での従業員同士の交流を増やすことで、事例やノウハウの積極的な交換の機会となり、それぞれの課題の解決につながるケースもあります。

生産性が高まりやすい

組織内のコミュニケーションの活発化は、生産性の向上にもつながります。他部署のノウハウやスキルを借りることにより、自部署だけでは進めることが困難な案件についても、より効率的に進めることができます。

また商品やサービスの開発においても、部署内にはない知見や着想を得るきっかけにもなります。

反対に自部署だけですべてを賄おうとすると、部署内の文化や発想に強く縛られがちです。風通しが悪くなることも多く、新しい発想や異なる意見は伸ばすよりも排除されやすくなります。

このような空気のなかでは、既存の事業には一定の効率化が見込めても、さらなる改善や新しい事業を進める活力が失われてしまいます。その結果、組織全体としての生産性の停滞につながってしまいます。

他部署とのコミュニケーションは、客観性も含めた新たな視野を得られるよい機会であり、積極的に進めるべきでしょう。

具体的には、関連する問題を一覧にして共有する、効率化を意識した連携を行うなどの方法があります。事業のなかで連携した取り組みを意識的に導入するのも、よい方法のひとつです。

知識やノウハウが共有されやすい

部署間のコミュニケーションを積極的に行うことで、特定の部署が持つ知識や技能、資料などが共有されやすくなります。

同じ会社のなかとはいえ、それぞれの部署では従業員の持つスキルも大きく異なります。自部署の持つ一般的なスキルや知識が、他部署の問題を解決できるケースも多くあるでしょう。

また課題の解決について、部署内で完結させようとする発想は、どの組織にも根強く存在します。日頃から、部署ごとに持つ潜在的な問題を共有することで、部署同士へ力を貸す・借りるという発想につながりやすくなるでしょう。

とくに組織の規模が大きくなってくると、他部署が具体的にどういった事業を行っているかわからないというケースは珍しくありません。

社内にノウハウがある場合でも、部署内で完結させることに意識が向いて不要な外注をしてしまうなど、非効率につながってしまうケースも出てしまいます。

課題を社内で共有し解決することで、具体的なノウハウにもとづいた事例を社内に蓄積でき、今後生じる類似の課題への解決にもつながるでしょう。

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部署同士のシナジーにより新たなイノベーションが生まれやすい

部署間のコミュニケーションの円滑化をはかることで、それぞれの持つノウハウや知識から、新たなイノベーションが生まれることがあります。

部署が変わることで、同じ社内でも行う仕事が異なります。しかし、同時に携わる事業の性質が近いこともあり、持っているスキルや知識は近しいものになります。

それぞれの持つノウハウを共有することで、いわゆるシナジー効果が期待できるほか、他部署との交流において受け取った新たな見識などが、従来にはない新たなイノベーションを生み出す場合があります。

またイノベーションの創出のためには、異なる要素を持つ人たちと気軽に交流できるという風通しのよさも非常に重要でしょう。日常的な交流のなかから、新しいものが生まれるきっかけにもつながります。

社員のストレスが下がる

部署間のコミュニケーションが頻繁な会社は、風通しがよくストレスの生じにくい社内風土を醸成します。他部署の人間とアイデアや考え方の交換を行うなかから、新たな評価を受けることも少なくありません。

職場の人間関係が固定化すると、評価もそれにならったものになりがちです。評価は直属の上司からのものが中心になりやすく、場合によっては仕事を窮屈に感じることもあるかもしれません。

また退職理由で多いのは、職場の人間関係といわれています。社員にとっても評価の軸が部署内に限定されないのは、メリットになります。ストレスをなるべく感じづらい職場にすることで、人材の定着しやすい会社になるでしょう。

他部署とうまく連携が取れない原因とは?

他部署と連携がうまく取れないケースには、どういったものがあるでしょうか。ここでは、原因について解説します。

他の部署・部門のことがよくわかっていない

縦割り化した組織でありがちなのが、他部署とのコミュニケーションがないことから「他部署のことがよくわからなくなっている」というケースです。

他部署がどういった業務を行っているのか、また繁忙期やスケジュール感などが把握できていないため、連携のハードルが高くなっている場合に起こりがちです。このような状況が長引くと、連携の機会がさらに遠のいてしまうという、悪循環が生まれてしまいます。

また、他部署に対するこのような見方は、他部署から自部署を見た場合にも同様だという点にも気付くべきです。他部署から接しやすく、わかりやすいコミュニケーションを意識することが重要です。

経営理念や目標が社内で共有されていない

経営理念や目標といった、全体のビジョンが従業員の間に共有されていないと、自部署のことを最優先に考える状況に陥りがちです。

同じ会社とはいえ、部署が異なることでそれぞれに利害関係が発生することもあり、それを乗り越えるためには、全体の大きなビジョンが必要不可欠です。

お互いに助け合うための意識があってこそ、相互のコミュニケーションが浸透していくといえるでしょう。

また全体のビジョンは、社員同士の価値観の共有にも影響します。それぞれの役割をまっとうしつつも、それを超えたつながりを持つために、理念や目標を社員に意識づけることは非常に重要です。

部署間で利害が一致していない

経営に関する大局的なビジョンが浸透していない場合、部署間での利害の優先度がほかよりも先行してしまう場合があります。このような状況では、部署間の利害が一致していない場合にコミュニケーションが活発化しない傾向があるため、注意が必要です。

互いの利する点が一致しないことから、実りのある話し合いが実現せず、敵対的な感情に発展してしまうケースも珍しくありません。

部署をまたいで統率できるリーダーシップが存在しない

前述のように部署間での利害の調整が難しい場合、部署をまたいだまとめ役が出てきづらくなってしまいます。これは連携の必要性に対する理解以前に、部署間での利害の調整を行なうことで得られるメリットについて、評価できる人物がいないことにも起因しています。

このような取り組みを実施すること自体を評価しない風潮が広がってしまうと、さらにコミュニケーションが取りづらくなるという負のスパイラルが生じてしまいます。社内の評価制度にも反映させることで、強い組織づくりにも役立ちます。

部署間コミュニケーションを改善するには?

部署間でのコミュニケーションを改善するための方法として、どういったものがあるでしょうか。ここでは代表的なものを紹介します。

経営ビジョンの共有を図る

経営ビジョンが各部署、各従業員に行き渡っていないと、自部署に閉じた利益優先を実現する局所最適化が生じてしまいがちです。とくに部署ごとの規模が大きくなるにつれて、この傾向は強くなっていきます。

このようなケースでは、社員同士が別部署とのコミュニケーションを取る必要性を感じなくなってしまうほか、コミュニケーションを取ることが自部署の業務を進めるうえで、マイナスに働くとさえ感じるようになってしまう場合があります。

得られるメリットが不明瞭な一方で、部署間の調整コストなどが生じることから、意識もコミュニケーションを避ける方向へと傾きがちです。

またコミュニケーションが停滞することで、組織内での情報の伝達が阻害されるケースも少なくありません。自部署を優先した行動に陥りがちであり、全体としての非効率につながります。

このような現象が進行してしまうと、改善に大きなリソースを取られてしまいます。組織全体としての理念や目標をあらためて発信することで、組織としての一体感を取り戻す必要があるでしょう。

部署間で人材の交換を行なう

部署間での人材交流も、コミュニケーションへの発展の機会となる良い取り組みです。ひとりの社員が複数の部署を経験し、多数の業務を経験することで、多面的な視点を獲得できます。

また、それぞれの部署の立場を経験することで、具体的なスキルやノウハウの獲得も含めて、部署間の立場や考え方に対して相対的な視点を持てるようになります。

昨今ではスペシャリストとしての人材に重きを置かれがちですが、広く組織全体を見渡せる人材としての成長も期待できるでしょう。

社内報やグループウェアで情報を共有し認知を高める

社内報やグループウェアなどによる積極的な情報共有も、他部署への認知を強める良い機会です。

トップからの経営ビジョンや戦略の共有や各部署で力を入れている事業など、発信する内容に応じて組織内の情報共有や一体感の向上が期待できます。

社内報やグループウェアを用いた情報共有のメリットは、スキマ時間や休憩時間などに読める気軽さが魅力です。リラックスした気持ちで読めるため、社員に浸透しやすいという特徴があります。

また、とくにグループウェアなどのデジタル配信では、最新のトピックを素早く公開できます。運用方法によっては各部署からの直接配信も可能なため、積極的に自部署の情報を全体に向けて共有できます。発信コストがほとんどかからないのも、大きな利点のひとつです。

社内イベントを開催する

社内イベントを設けることで、業務と離れた場でリラックスしながら社内の人間と交流できるようになります。

社員同士とはいえ、業務内のコミュニケーションでは、自部署への所属感を持っての交流になりがちです。

休日を使った社員旅行やスポーツ大会、バーベキュー大会などを行うことで、仕事では見られない意外な素顔が見られるでしょう。人間的な一面を垣間見ることで、相互理解が一気に深まるケースもあります。

最近ではプライベートと仕事を切り分ける考え方が進んでいますが、レクリエーションとして交流の場を上手に設けることで、新たな関係を構築する機会になるでしょう。

セミナーや勉強会を開催する

セミナーや研修会、勉強会を開催することは、社内のコミュニケーションの活発化につながります。研修の内容やタイプにもよりますが、最近では座学だけではなく、参加型の内容のものも増えています。

またセミナーや研修会などをチーム形式で行うケースも増えており、つながりを築きつつスキルやノウハウの習得も狙えます。

とくにセミナーや研修会、勉強会は業務そのものではないため、リラックスして参加できることも多いでしょう。個人の体験にもとづきながら事例の交換を行う機会にもつながるため、よりリラックスしながらコミュニケーションの活性化が図れる点でおすすめの方法です。

社内チャットを導入する

社内チャットなどの、気軽にコミュニケーションが取れるツールを導入するのも有効です。チャットでは個別に行う日常的な雑談以外にも、テーマに即した個別のチャットルームを作れます。

ノウハウの共有や勉強会向けのチャットから交流用まで、用途に応じてさまざまなコミュニケーションの機会を設けられます。

チャットはメールと同様、受け手が自分のタイミングでメッセージを読むことができ、会話への参加も任意で行うことができます。

部署が異なる場合は、日々のスケジュール感が異なることも多いため、同時にメッセージを送りあうことはなかなか難しいものですが、チャットであれば、より気軽に参加できます。

休憩室などの共有スペースを増やす

休憩室などの共有スペースを配置することで、社内の人間が交流しやすい環境を作ります。利用者が偏らないよう、特定の部署に近づけすぎないように配置し、人の出入りをしやすくするとよいでしょう。

とくにコロナ禍によって、テレワークの状態が長く続いた会社も少なくありません。テレワークは働きやすさの再発見にもつながりましたが、社内コミュニケーションの不足によるさまざまな問題も新たに指摘されています。

コロナ禍は終息の兆しが見えていませんが、社員同士が気軽に生で会話できるスペースを設けることは、働く実感の回復も含めて、非常に重要性の高いものといえるでしょう。

まとめ

組織の規模が大きくになるにつれ、部署間のコミュニケーションは停滞していきがちです。組織が硬直していく原因ともなるため、積極的な対応が必要です。

自部署の成果を最優先にしたセクショナリズムは、全体として見た場合に非効率につながるケースが少なくありません。広い視野を持ちながら、部署間を相互にサポートできる体制を作ることで、組織の活性化につなげることが必要です。

本記事では、部署間のコミュニケーションが上手くいかない理由と対応方法について解説しました。自社の事例にあてはめながら、対策としてぜひ活用していただければと思います。

最後に、情報を共有し認知を高めて部署間のコミュニケーションを活性化させるのに役立つツール、GROWI.cloudを紹介して終わりたいと思います。

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特徴

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