マニュアル作成前に知りたい!気をつけるべき言葉遣いのポイントとは?
読みやすいマニュアルを作るためのコツは何か知っていますか?
説明が多くなるマニュアルは、言葉遣いや文章の長さによって意味が伝わりづらくなってしまいがちです。
注意すべき点を抑えて、伝わりやすいマニュアルを作成していきましょう!
Contents
マニュアル作成時に抑えておきたいポイント
マニュアルはただ作成すればよいのではなく、読み手の視点に立って作成することが大切です。
読みやすく、活用しやすいマニュアルにするためのポイントを4つご紹介します。
見やすく、読みやすいか
見にくいマニュアルは、読み手にとっては負担になってしまいます。読むのが負担になると、せっかくのマニュアルも活用されなくなってしまうかもしれません。
見やすく読みやすいマニュアルにするためには、まず内容の要点を整理する必要があります。ダラダラと長い文章で書かれたマニュアルは、結局何が言いたいのか、どこが重要なのかが伝わりにくいからです。
必要に応じて箇条書きも取り入れるなど、簡潔に記載するようにしましょう。内容の区切りなどを意識して、余白を残すのもおすすめです。余白があることで読みやすく、内容に集中しやすくなります。
また、人が文章などを読むときは、左から右、上から下へとアルファベットのZのように視線が動くとされています。これはZの法則と言われるもので、広告やポスターなどでも活用されています。
マニュアルを作成する際も、左上から右上、左下、右下という人の視線の動きを意識して記載すると、読みやすくなります。
色づけや装飾は適度に行う
重要な情報を記載した部分には、ページの背景全体に色をつけるなどして目立たせると読み手の注意を引きます。たとえば安全に関する事項や、必ず読んでほしい内容などに使うとよいでしょう。
ただ、あまりに多用すると重要な部分が埋もれてしまう可能性もあるため、本当に重要な部分だけに使うことが大切です。他の部分とのメリハリをつけましょう。
文字自体の色づけも同様です。基本的には黒色ですが、強調したい部分には赤色や青色などの違う色を使うと、該当の箇所を目立たせられます。ただし色を変える部分が多すぎると本当に重要な部分が分からなくなったり、色を使いすぎると見にくくなったりします。
そのため、文字に使用する色は、2~3色までを目安としてください。太字などの文字装飾も同様で、強調したい部分にだけ使いましょう。
読み手の理解度に配慮する
マニュアルは誰に向けたものであるかという点は、とても重要です。読み手の属性によって、
わかりやすいワードや文体に影響が出るからです。そのため、作成前に今一度読み手を明確にする必要があります。
たとえば新入社員向けに作るのであれば、専門用語は使わず、業務に関する知識や経験がなくても分かるような言葉を使用します。やむを得ず専門用語を使用する場合は、近くに解説を入れておくとよいでしょう。
わからない言葉がある度に自分で調べていては、読み手に負担をかけてしまいます。読み手に負担がかかることは、業務が滞る原因になります。マニュアルの読み込みに予想以上に時間がかかる可能性もあるでしょう。
一方で読み手が中堅社員の場合には、すでに共通認識が育っており、理解の下地が整っていることが想定されます。業務の経験がある人なら当たり前に知っている内容は省略することで、より分かりやすい内容になるでしょう。
解説する必要のない用語説明があると、ページを無駄に使ってしまって必要な情報になかなかたどり着けない、読みにくいマニュアルになってしまいます。
マニュアルを作る際には、読み手の属性や理解度を考慮して文章を作成する必要があるのです。
情報を見つけやすくする
お客様の対応中にマニュアルを確認する場合など、目的の情報をすぐに見つけたいですよね。
読み手が情報を見つけやすくするために必要なもののひとつが、目次です。
マニュアルの冒頭に目次があれば、何がどこに書かれているのかがわかりやすくなります。目次があれば、必要な情報をスピーディに見つけられるでしょう。さらに目次をつけると、全体像を把握できます。
マニュアルを作成する際は、まず目次や構成といった骨組みを決めますが、目次は作り手にとっても必要なものです。マニュアルを作っているうちに内容がブレてしまうことも防げます。
情報を見つけやすくするためには、マニュアルを階層構造にすることも必要です。大見出し、中見出し、小見出しと階層化することで、それぞれの項目に記載されている内容の範囲が分かりやすく、関連項目も見つけやすくなります。
見出しの冒頭に数字をつけるのも、分かりやすくする手段のひとつです。見出しは長すぎない方が分かりやすいでしょう。
読みやすいマニュアルで使われる文章の書き方のコツとは?
読みやすいマニュアルを作成するには、文章の書き方に配慮する必要があります。具体的にどのような点に気をつければよいのか、文章を書くときのコツについて解説します。
言葉遣いに気をつける
話し言葉と書き言葉は異なるため、普段会話で使うような文章をそのままマニュアルに書くのは避けましょう。ら抜き言葉や、い抜き言葉にも注意が必要です。たとえば「食べれる」「来てる」などは会話で使うことも多いですが、文章で書くときは「食べられる」「来ている」と省略せずに正しく書きます。
また、自分にとっては慣れ親しんだ言葉であっても、読み手にとっては違うケースもあります。自分の常識が相手にとっても常識とは限りません。読み手の立場に立って、相手がすぐに理解できる言葉を選びましょう。
マニュアル全体を通して、常体(~だ、である)か敬体(~です、ます)か、どちらかに統一することもポイントです。ただし会話などは除いて構いません。
表記を統一する
日本語は、同じ意味でもさまざまな表現の仕方や言い回しがありますよね。同じ文書内などで言い方に違いがあることを表記ゆれと言います。
たとえば似たような意味の言葉に「会議」「ミーティング」「打ち合わせ」があります。
作り手としては同じような意味でそれぞれの言葉を書いていたとしても、読み手からするとこれらの言葉を使い分けることに何か意図があるのか、会社独自のルールなどがあるのかと考えてしまう可能性があるのです。
つまり「会議」を意味する言葉に表記ゆれがあることで読みづらくなり、考えなくてもよいことに時間を費やしてしまうことにつながりかねません。表記ゆれが誤解や認識の違いを招くこともあるため、表記を統一するように注意しましょう。
接続詞を使いすぎない
話し言葉で何気なく使っている接続詞ですが、書くときにはあまり多く使わないように注意が必要です。「だから」「したがって」「しかし」「ところが」「または」「あるいは」「ところで」など、接続詞にはいろいろあります。
接続詞には次の文章とのつながりをよくする、読み手が先の文章を予測しやすくするなどの役割がありますが、使いすぎはしつこい印象を与えます。
接続詞があると内容が伝わりやすいメリットから、完全に接続詞をなくす必要はありませんが、なくても困らない接続詞、不要な接続詞は削ってみましょう。
接続詞を削ると違和感がある部分は、1つの文章にまとめると伝わりやすい文章になることもあります。
一文を長く書きすぎない
ダラダラと長い文章は、内容が伝わりにくくなりがちです。情報量の割に文章が多いという状態にならないように注意しましょう。
情報量が同じであれば、短い文章の方が伝わりやすくなります。一文を長く書きすぎないようにするためには、不要な修飾語を削ったり、書かなくても分かることは省いたりしてみてください。
一文に含める内容は1つにすると、文章がスッキリと簡潔にまとまります。また、読点が多い文章はいくつかの文章に分けるのもおすすめです。場合によっては、箇条書きを取り入れると分かりやすくなります。
画像や図表を入れる
開いたページいっぱいに文章が並んでいると、読むだけで疲れてしまいそうですよね。
文章だけでまとめられたマニュアルは、相手に読みにくさを感じさせます。視覚的に内容をイメージできるよう、画像や図表を適宜入れることをおすすめします。
中には文章よりも画像や図表の方が理解しやすい内容もあるため、読み手の立場に立って文章で伝えるか、画像や図表を使うかを選びましょう。
ただし画像や図表の使いすぎは分かりにくさの原因にもなります。文章とのバランスを考えて、適切に使いましょう。図表などを複数並べる場合、文章を左に配置したり右に配置したりとバラバラにすると、読みにくくなります。
視線をあちこちに動かさなくて済むように、図表は右もしくは左に統一させて、サイズや位置を考えて配置すると見やすくなります。
マニュアル作成時に便利なツールのご紹介
マニュアルを作成する際には、便利なツールやサービスを利用するのがおすすめです。作成しやすく、人に共有する際もスムーズなツールを使うことで、マニュアルの実用性も高められるでしょう。以下に、おすすめのツールを2つご紹介します。
Teachme Biz
Teachme Bizはマニュアルの作成から共有、運用まで簡単にできるサービスです。テンプレートに従って画像や文字を入れると、簡単にマニュアルを作成できます。
マニュアルを作成後に変更したい場合も、内容の更新が簡単に行えます。画像や動画に矢印やテキストを挿入するなどの編集もできるため、分かりやすいマニュアル作りに役立てられるでしょう。1つの動画から画像を切り出すことも可能です。
たとえば手順を示すマニュアルを作る際、最初から最後までを動画で撮影した後に、必要な部分だけを画像で切り出すこともできます。
フォルダごとのマニュアル管理や、キーワード検索もできるため、必要なマニュアルを探しやすいのも特徴です。マニュアルをタスクとして配信し、配信先の従業員がマニュアルを閲覧したかを把握する機能もあります。
閲覧数や検索状況を分析し、きちんとマニュアルが活用されているかをチェックできます。月額5万5,000円(税込)~で、3つのプランから選べます。
GROWI.Cloud
GROWI.Cloudは社内や社外のナレッジ情報を共有できるwikiツールです。マニュアルや議事録、社内報告書などの作成や共有ができます。強力な編集機能が備わっていることが特徴です。
マニュアルに必要な文章を書くのはもちろん、操作画面上で図表の作成やスプレッドシートの埋め込みも可能です。サイドバーのカスタマイズ性が高く、マニュアル作成に役立つでしょう。リアルタイムで複数人が同時に編集することも可能です。
変更履歴は自動で記録され、過去の編集履歴もチェックできます。管理者向け機能も充実しており、管理者権限の付与や、ページ閲覧権限の設定機能もあります。マニュアルの内容に合わせて柔軟に設定できるでしょう。
マニュアルを使う人にとっては、使いたいマニュアルや目的のページをすぐに見つけられると便利ですよね。GROWI.Cloudは全文検索機能がついており、検索が容易にできます。バックアップ機能もついており、もしものときにも安心です。
料金は月額6,050円(税込)~の定額制で、利用人数や機能、ストレージ容量などに応じて複数のプランから選べます。月額固定制のため、利用者が増加予定であったり、利用者の増減が頻繁にあったりする場合にも安心です。
有料ツールはコストも気になりがちですが、月額料金が決まっていると予算も組みやすいでしょう。
まとめ
マニュアル作成では、読み手に伝わりやすいように配慮することが求められます。
相手が読みやすいように簡潔に記載する、装飾は適度に行う、相手の理解度に合わせる、検索しやすくするなどの工夫をすると、より分かりやすく、機能するマニュアルになるでしょう。
表記の統一や正しい言葉遣い、簡潔な文章にすることなどが、わかりやすい文章を書くためのコツです。必要に応じて画像や図表も挿入すると、読み手の理解を深められるでしょう。
マニュアル作成の際は、便利なツールやサービスを利用するのがおすすめです。効率的なマニュアル作成や、マニュアルの適切な運用に役立つでしょう。
今回ご紹介したツールも参考に、使い方に合ったツールを選んでみてください。