業務を見える化するメリットとは?やり方やポイントなども併せて解説!

2024-03-28

近年、コロナ禍によってリモートワークを取り入れる企業が増えています。リモートワークには多くのメリットがありますが、その一方、管理する側にとっては難しい面もあるのではないでしょうか。

部署内の社員がいつ、どのタスクやプロジェクトに取り組んでいるのかをすべて把握することができないことに悩んでいる方も多いでしょう。

社員の業務を把握するには「業務の見える化」という言葉どおり、業務を可視化する取り組みを行うことがおすすめです。

本記事では、業務の見える化がもたらすメリットや具体的な方法まで詳しく解説します。

業務の見える化って何?

「業務の見える化」とは、社員一人ひとりが行っている業務を可視化して「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」行っているのか、常に全体を把握できるようにする取り組みを指します。

見える化によって、業務内容や進捗状況を客観的・正確に把握しやすくなり、定量的な分析も可能です。

また、視覚的・直感的に理解しやすくなるため、確認の手間が省け、結果の伝達が容易になる点も特徴の一つです。

たとえば、プロジェクト管理ツールを使用してプロジェクトの進捗状況や担当者、タスクなどを可視化したり、ワークフローを可視化して業務の流れをわかりやすくしたりすることなどが挙げられるでしょう。

見える化がもたらすメリットとは?

それでは、見える化がもたらすメリットにはどのようなものがあるのか、ここでは4つのメリットを取り上げて解説していきます。

問題の早期発見

業務を見える化すれば、管理者は現状をリアルタイムに把握することが可能です。そのため、問題の早期発見や、トラブルやミスが起きた際にも迅速な対応ができます。

紙でのやり取りで情報共有を行う場合、管理者と提出者との間にタイムラグがあったり手間がかかったりといった欠点がありますが、たとえばツールなどで見える化すれば、リアルタイムでの情報共有、プッシュ通知やアラート機能で対応することが可能です。

また、特定の担当者のみが業務に携わるといった、いわゆる「業務の属人化」状態を防ぎ、報告や連絡、相談がスムーズになります。

顧客とのトラブルや大きな問題に発展しかねないようなミスも、業務の見える化によって情報共有できるようになるため、他の社員からアドバイスをもらったり、対処方法を相談しやすくなったりするでしょう。

業務の質が保たれる

業務の質が保たれることも見える化のメリットの一つです。仕事量や内容をデータとして見える化することが可能なので、繁忙期などで仕事量が増えた場合、他の社員に業務を適切に配分できます。

そのため、全体の業務の質を落とすことなく、顧客にとって満足度の高いサービスの提供が可能です。

仕事量が偏らず、業務の質が保たれれば、うっかりミスも削減できます。ミスが起こった後の修正する手間などがないので、業務の効率化にもつながるでしょう。

また、報告書のフォーマット化やマニュアルの作成といった業務フローの見える化によって、特定の担当者だけでなく社員の誰もが一定の方法で業務を進められるようになります。

見える化で情報を共有することによって、企業全体を通した業務の品質が担保できるのです。

公平性を保てる

社員の公平性を保てるところも見える化のメリットだといえます。基準が不明確な人事評価や、負担を感じがちな仕事量について不公平感を持っている人は多いのではないでしょうか。

実は「人事評価」と「仕事量」の2つのポイントを見える化することで、社員の不公平感を払拭することが可能です。

人事評価に関しては、仕事内容に対する評価基準や方法があいまいかつ不適正になってしまっているケースもあるでしょう。

業務の見える化を取り入れることで、社員それぞれの作業内容や実績、スキルなどが明確に把握できたり、数量化できたりするため、正当な人事評価を行いやすくなります。

適正な人事評価を行うことによって、社員のモチベーション向上はもちろん、人員の最適配置や適切な人件費の分配につなげることも可能です。

仕事量に関しては、一人の社員や部署に業務が偏ってしまっている場合、どうしても不公平感が出てきます。

業務の見える化を進めれば仕事量の把握が可能になるため、社員それぞれの適性やスキルに合わせて業務を細分化したり、割り振ったりすることができるでしょう。

適切な仕事配分によって不公平感がなくなるだけでなく、一人ひとりの業務負担が軽減できて作業効率も大きくアップします。

業務の効率化を図ることができる

見える化の導入で得られる最も大きなメリットは、業務の効率化を図れることです。ツールなどの利用で、質を落とさずに作業が簡略化できたり、迅速に報告・連絡・相談を行ったりすることが可能になります。

そのため業務自体の効率が上がるのはもちろん、タスクが明確化されて工数の削減につながり、全体の生産性も向上するでしょう。

また、業務効率化に対する社員の意識改革も可能です。

たとえば、どこが不足しているのか、どこで止まっているのか、どんな作業に時間がかかっているのかなどが明確になるため、改善すべきところを把握しやすくなります。業務状況が把握できれば、業務効率化を意識できる環境作りも可能でしょう。

加えて、見える化によって実働時間が分かりやすくなるため、業務効率化の効果を実感できる点もポイントです。業務の効率化が図られると顧客満足向上などにつながり、企業の業績アップが見込めるでしょう。

さらに、残業代や休日出勤手当などの発生が抑制できるといった利点もあります。

見える化するべき情報

このように、業務の見える化にはさまざまなメリットがありますが、どんな情報でも見える化していいわけではありません。課題や目的を明確にした上で、見える化しておくべき情報を把握しておくとよいでしょう。

ここでは、見える化するべき主な情報を5つ取り上げ、それぞれの概要について解説します。

業務フロー

「業務フロー」は、必ず見える化しておきたい情報の一つです。特定の仕事を進める際の手順や流れを業務フローとして作成し、資料として情報共有します。

業務の無駄の削減やミスを回避できる効果があるため、ぜひ見える化しておきましょう。

また、業務フローを共有しておけば、担当者だけでなく他の社員も同じ業務を行ったりサポートしたりすることが可能です。作成方法としては、図式化もしくはエクセル、スプレッドシートなどの利用をおすすめします。

業務状況、タスク

業務状況やタスクは、見える化することで高い効果が期待できる情報です。

業務状況やタスクを見える化すれば確認忘れや作業漏れがなくなるため、業務の精度が上がり効率化が進みやすくなります。

また、管理者が部署の社員一人ひとりの業務状況やタスクを確認できることで、フィードバックをしやすくなる点もメリットです。より効果的に見える化するには、職種に合わせたツールを活用するとよいでしょう。

営業部門では営業の生産性を向上・改善させる「SFA」(営業支援システム)を、カスタマーサポート部門では顧客管理システム「CRM」を、事務部門では「タスク・プロジェクト管理ツール」の利用がおすすめです。

ナレッジ

「ナレッジ」の見える化は、業務時間削減やエラーの減少などに効果があります。ちなみにナレッジとは「知識」や「情報」という意味の言葉です。

ビジネスシーンで使われるナレッジには「付加価値の高い知識」や「利益になる情報」といった意味が込められています。

完全なルーティンワークのケースでは、業務フローと合わせて、ナレッジをマニュアルによって可視化することで大きな効果が見込めるでしょう。

また、マニュアル化が難しい場合でも、ナレッジの要素だけでも見える化しておくと業務の均質化が可能です。

たとえば、ナレッジを見える化しにくい営業部門なら「顧客別の課題の種類」や「商談を成約に持ち込むケース」などの言語化をおすすめします。この場合、トップの成績を誇る社員のナレッジは、特に見える化が必要になるでしょう。

ナレッジの見える化を行う際は、情報共有ツールの利用が便利です。

顧客に関する情報など

顧客に関する情報も、見える化することによって効率化が図れます。

営業部門やカスタマーサポート部門で利用されやすい情報ですが、経理・管理部門でも使われることが多いはずです。

ただし、企業全体で共有される情報のため、個人情報の取り扱いには十分に気をつける必要があります。

コンプライアンスに関する研修やセミナーに参加するなど、社員全員が意識を持って情報にあたることが大切です。

勤怠情報など

社員一人ひとりの勤怠情報は、見える化しておくべき情報の一つです。

他部署の社員と連絡を取り合う場合、相手が休暇中だったり退勤していたりといった情報がわかりにくいため、無駄な時間や手間がかかる可能性があります。

社員全員の勤怠状況が把握できるツールなどがあれば「もう退勤しているようだから明日連絡しよう」「しばらく休暇を取っているみたいだから代わりの人に依頼しよう」といった判断が可能です。

そのため、業務の効率が上がり、生産性の大きな向上につながるでしょう。

実際に見える化するための方法とは?

それでは、実際に見える化を取り入れるにはどうしたらよいでしょうか。

業務の見える化にはさまざまな方法がありますが、ここでは取り入れるためのポイントとおすすめの方法、ツールを紹介します。

見える化を取り入れるポイント

見える化を取り入れるポイントとして最も重要なのが「業務を把握すること」です。

現状の業務について問題になっていることや課題を把握し、見える化を行う目的を明確にしておく必要があります。

加えて「業務を分析すること」も必ず行っておきましょう。見える化によって業務がどれくらい効率化できるのか、他の業務とどのように関連しているか、といったことの分析で、効果的な見える化推進が可能になります。

また、見える化の「運用体制を整えること」も大事なポイントです。社員の誰もが簡単に確認できたり入力できたりするよう、自社に合わせた仕組み作りをしっかり行っておかなければなりません。

いくら「見える化を始めました」と告知しても、実際に使いやすいものでなければ効果は見込めないでしょう。

よって、環境やスタイルに適した、みんなが使える仕組みにしていくことが重要です。

ツールの導入がおすすめ

業務を見える化する具体的な方法として「ツールの導入」と「エクセルでの管理」の2パターンがありますが、まずはツールの導入を検討することから始めましょう。

企業向けに設計された業務可視化ツールは、高い操作性で見やすく、誰でも簡単に扱えることが特徴だからです。このようなツールを利用することによって、手軽に業務の見える化が実現できます。

また、数多くの種類があるため、目的や必要に応じたものを選択することも可能です。

ただし、ほとんどのツールは有料のため、予算を確保する必要があります。予算の確保が難しい場合は、エクセルでの管理を検討してもよいでしょう。

無料で使えるクラウドツールを活用すれば、リアルタイムでの確認や共同作業が可能です。しかし、社員に毎回記入してもらうなどの負担がかかってしまうため、結局運用で失敗してしまうこともあるので、できればツールの導入をおすすめします。

GROWI.cloudの紹介

「GROWI.cloud」は、組織やナレッジをとことん管理することができる情報共有ツールです。

IT部門や研究室を中心に多くの導入実績があり、特にMarkdownで情報共有する場合におすすめできます。

業務マニュアルやシステム設計書の作成、会議の議事録をまとめることができるなど、業務の見える化に取り入れやすいところもポイントです。

業務マニュアルの作成においては、テンプレート機能の利用で効率的にフォーマットを作って、スムーズにWikiを作成できます。

アップロードしたさまざまなファイルやテキストを含めた全文検索が可能で、多人数のリアルタイム同時編集のほか、編集履歴を自動保存して、過去の履歴閲覧も可能です。

また、エンジニア集団が企画した強力なエディタ機能を搭載し、ツール内のみで図表作成からプレゼンまですべて完結できます。

全体のカスタマイズ化も自由で、業務効率化を促進するグループ管理機能も特徴の一つです。

料金プランはわかりやすい月額固定制で、一番のおすすめは月額16,500円(税込)の「ビジネススタンダード」プランになります。ビジネススタンダードプランは上限ユーザー数が75人となっており、社員数が75人未満の中小企業にぴったりです。

もちろん無料トライアルもできるので、ツールを導入して見える化を進めたい場合は、ぜひ検討してみてください。

関連記事はこちら: 社内wiki|ナレッジベース-GROWI.cloudの使い方

まとめ

「業務の見える化」は、社員一人ひとりの業務内容や進捗状況を可視化して、常に全体を見渡せるようにする取り組みのことです。

多くの企業にとって取り入れる必要がある業務の見える化ですが、リモートワークの推進や効率化が求められる昨今、ますます注目されるようになるのではないでしょうか。

業務の見える化はさまざまなメリットをもたらし、特に効果が期待できるものとしては、業務の効率化や問題の早期発見、業務の質や公平性の保持などが挙げられます。

見える化を行う場合、共有に必要な情報を見極めておくとよいでしょう。たとえば、情報業務フローや各社員の業務状況・タスク・ナレッジ、顧客情報などが見える化すべき情報です。

また、運用がスムーズに実施できるシステムを利用した仕組み作りが重要になります。見える化を取り入れる目的を明確にした上で自社に適したツールを選び、導入することをおすすめします。

その際は、「GROWI.cloud」の導入も検討してみましょう。