社内情報共有に活用|ビジネスフレームワーク(自社分析)

2024-03-29

前回までに問題・課題を発見するビジネスフレームワークとして、「問題の抽出」「問題の整理」「優先順位の決定」についてご紹介させて頂きました。

今回は問題・課題を発見した後工程について、ステップは様々ありますが、ここでは「市場を分析する」手法、ビジネスフレームワークについてご紹介させて頂きたいと思います。

社内情報共有ツールの導入の検討にあたっては1社のみではなく、多数の企業と比較、もしくは、自社独自で対応できないか、等、様々な可能性を考えて検討されているかと思います。また別の視点ですが、会社は1社のみで成り立たず、複数の企業との取引に支えられて成り立っています。

マクロ環境の変化や競合の動き、顧客の動向、その中での自社の立ち位置、今後どのように進むべきかなど、複合的にいくつもの状況や要件などを考えないといけない局面もあるかと思います。そのような時に俯瞰的に物事を考える時に役立つビジネスフレームワークとして「市場を分析する」手法をご紹介させて頂きます。課題・問題を発見したもののどう進めて良いか分からないとつまずいたときに、今回ご紹介するビジネスフレームワークを活用すると良いでしょう。

分析とは

分析とは、複雑な物事を一つ一つのパーツ(構成要素)に分解して、その構成や関係性について明らかにすることです。「全体」と「部分」に分け、それぞれの部分において詳細な情報を収集・整理する能力が求められます。分析を行うためにまず必要なのは、対象の全体像を把握した上で「分解」する作業です。

そして、どのように分解し、どこを調査するのか判断するために重要となるのが、分析を行う「目的」です。よく「目的」を定めず、とりあえず調査・分析を進めるケースを目にしますが、それでは何の効果もありません。分析した結果、最終的に何をしたいのか、目的から逆算することが大切です。調査を行う時は、目的に基づいて自分なりの仮説をもって臨むことが重要です。

また、世の中にはさまざまな分析手法が存在していますが、分析の基本は3C(「自社」「顧o客」「競合」)と、それらを取り巻く「マクロ環境」です。3Cとは、「自社(Company)」「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」を指しますが、3つの要素は連動しているので、全く独立して考えてはいけません。3Cを連動した全体像としてとらえながら、各要素について詳細に調査することがポイントになります。

さらに3Cに加えて「マクロ環境」を把握しておくことが重要です。世の中のトレンドや時代の動き、具体的には人口動態、政治、技術、経済、などが挙げられます。時代の変化の中でそれまで勝ち組であった企業が、一気に負け組に落ちることも、今の早い時代の流れの中で珍しいことではなくなってきました。「全体」と「部分」を意識して、分析を進めて行きましょう。

PEST分析

「PEST分析」とは、自社の事業や組織に影響を与える「マクロ的な環境要因」を考える際に便利なフレームワークのことで、戦略立案・戦術設計の際に活躍します。PESTは「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の頭文字です。時代の変化という大きな流れの中で、自社について考えられるのがPEST分析のメリットです。

使い方

  1. 「影響を及ぼす要素を書き出す」:「政治」「経済」「社会」「技術」の各要素を切り口として、影響がありそうな情報を書き出します。複数メンバーで行う時は付箋に書き出して、知識や経験を持ち寄ると良いでしょう。
  2. 「要素を整理する」:ある程度の量が書き出せたら、情報を一度整理して抜け漏れがないかチェックしましょう。全体をチェックしたら、自社にとって重要な要素をピックアップします。市場への影響の大きさや、不確実性などを評価基準にするとよいでしょう。

ここで注意すべきは、ネットの記事や噂などを鵜呑みにしないことです。書き出した情報の正誤は必ずチェックするようにしましょう。また、日頃から世の中のトレンドや時代のキーワード、自社に大きな影響を及ぼしそうな事柄などに注意していると、スムーズに取り掛かることができます。

ファイブフォース分析

「ファイブフォース分析」とは、「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」「業界内の競争」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」の5つの要因を切り口として、業界の競争構造や魅力度を分析する手法です。これら5つの要因が多かったり、強かったりする状態であればあるほど、その業界の競争は激しく、収益化のハードルが高いといえます。既に参入している市場であれば、自社の立ち位置として、自社の属する業界の競争構造を把握することに役立ちますし、これから参入を目指すのであれば、業界の競争構造を把握することに役立ちます。

使い方

  1. 「買い手の交渉力を分析する」:買い手とは、自社の商品・サービスを購入してくれる企業や個人などの顧客です。買い手のニーズが変化していないか、他社製品に乗り換えしやすいかなど、買い手の交渉力が高くなる要素を考えます。
  2. 「売り手の交渉力を分析する」:売り手とは、商品・サービスを提供するために必要なパーツや素材などの仕入れ先です。仕入先の企業や業界が自社に影響を及ぼす影響を整理します。
  3. 「業界内の競争を分析する」:業界内にどのような競合が存在しているか、また、競合がどのような技術、戦略をもっているかについて情報収集し、整理します。
  4. 「新規参入者の脅威を分析する」:業界への参入障壁の高さや、新規参入者の存在を整理します。技術的障壁、資金的負担、などの点で考えます。
  5. 「代替品の脅威を分析する」:既存の商品・サービスと同様のニーズを、さらに高いコストパフォーマンスで満たすことができる商品・サービスを創出可能かどうかを分析します。

まとめ

以上が、「自社の分析」に関するビジネスフレームワークのご紹介でした。

社内情報共有ツールを導入するにあたり、自社の立ち位置を把握しておくことは重要です。今回ご紹介させて頂いたビジネスフレームワークは、数多のビジネスフレームワークがある中でも基礎的な部類のビジネスフレームワークです。自社を分析する局面でつまずくことがありましたら、今回ご紹介させて頂いたビジネスフレームワークを活用することをお勧めします。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

引き続き宜しくお願いします。