失敗しない社内FAQの作り方│ 問い合わせ削減に不可欠なポイント

2023-11-06

業務効率化を実現できると、社内FAQに注目が集まっています。近年、多くの企業が導入をしており、業務の効率化やヘルプデスク担当の負担軽減を実現しています。本記事では、FAQの概要や導入によるメリット、具体的な作り方などを解説します。併せて、活用におけるポイントもお伝えしましょう。

そもそも社内FAQとは?

社内FAQについて、耳にしたことはあるものの、具体的にどのようなものかわからない、といった企業経営者、ヘルプデスク担当者の方もいるでしょう。まずは、社内FAQの概要について解説をします。

社内FAQとは?

FAQとは、Frequently Asked Questionsの略であり、よくある質問と回答を意味します。社内FAQは、企業における業務や各種手続きなど、従業員からよく寄せられる質問と、それに対する回答をまとめたものです。

産休の手続きはどうすればよいのか、この費用は経費になるのかなど、同じような質問を何度もされると、担当者が本来取り組むべき業務が進みません。社内FAQの導入により、従業員は自ら求めている答えを探し出せるため、ヘルプデスク担当の負担軽減、業務効率化につながります。

社内FAQの具体例

  • 有給休暇の取得方法
  • 引っ越し時の手続き方法
  • 給与明細の閲覧方法
  • テレワーク申請方法
  • 会議室の予約方法

社内FAQを導入するメリット

社内FAQの導入を検討しているのなら、具体的にどのようなメリットを得られるのかは気になる

ところです。導入後の活用イメージを掴むためにも、ここでメリットを把握しておきましょう。

問い合わせ数が削減

社内FAQの導入により、従業員からの問い合わせ数を削減できます。従業員が自ら情報にアクセスし、求めている答えを見つけ出せるためです。

問い合わせ数が削減すれば、担当者はほかの業務に注力できます。業務を効率化でき、部門の生産性向上にもつながるのです。

顧客対応に関するFAQも、併せて整理しておけば、顧客からの問い合わせに適切な対応を行えます。ケースごとに最適な答えを用意しておけば、対応品質が高まり、顧客満足度の向上にもつながります。

24時間365日の対応可能

社内FAQの構築により、従業員は24時間365日、求めている情報を取得できます。土日を挟むようなときでも情報にアクセスでき、休日が明けるまでに疑問を解決できます。

従業員が、本来の業務へより注力できる環境を構築できるのも、メリットといえるでしょう。福利厚生に関する情報など、業務に直接関わりのない情報を自宅で調べられるため、業務時間内は本来の業務に集中できます。

社内のナレッジが蓄積

社内FAQを構築し、定期的に情報を追加、整理していけば、どんどんナレッジが蓄積されます。蓄積された情報には、組織に属する全従業員がアクセスできるため、共有も容易です。

業務に関するナレッジやノウハウを蓄積し、情報共有できれば、作業の属人化も回避できます。成果につながるノウハウ、ナレッジを共有でき、作業の標準化を進められるためです。

社員のエンゲージメントが向上

同じような質問を何度も受けていると、ストレスが溜まりモチベーションの低下にもつながります。また、対応に時間をとられてしまうため、自身が本来やるべき業務もなかなか進められません。

社内FAQの導入により、このような課題を解決できます。似たような質問を何度もされることがなくなり、快適な気持ちで業務を遂行できるでしょう。負担も軽減し、満足度が高まります。

また、質問をする従業員側にとっても、知りたい情報をスムーズに手に入れられるメリットがあります。求める情報を取得できるスピードが速くなるため、快適かつ効率的に業務を進められるのです。

教育コストを抑えられる

業務に必要なナレッジやノウハウを、社内FAQに集約させることで、教育コストの削減につながります。わざわざ、研修のために資料を作成する必要がなくなるため、人的コストと時間コストを削減できます。

習熟度が低い従業員の場合、研修や教育後に再度質問をされるケースもあるでしょう。このよう

なとき、わざわざ時間を割くとなると、本来の業務が疎かになり無駄な時間コストが発生します。しかし、社内FAQがあれば、それを参照してもらえば済むため余計なコストがかかりません。

「誰に聞いたらいいのか分からない」という問題解決

企業によっては、いくつもの部署や部門が設置されているため、「誰に聞けばよいのかわからない」といった問題が発生するケースがあります。誰に聞けばよいかわからないため、解決までいたずらに時間がかかり、複数部署をたらい回しにされてしまう、といったことも考えられるでしょう。

このような問題も、社内FAQが解決してくれます。社内のあらゆる情報がまとめられているため、知りたい情報へスピーディーにアクセスできます。テレワーク下においても、自宅の端末からアクセスできるため、迅速に疑問を解決できるでしょう。

【4ステップ】社内FAQの作り方

業務効率化や担当者の負担軽減、コストダウンなど、さまざまなメリットを得られる社内FAQですが、どのように構築すればよいのでしょうか。ここからは、社内FAQの具体的な作り方を、4つのステップにわけて解説します。

利用するツールを選定

社内FAQの作成には、ツールの利用が一般的です。エクセルや無料で利用できる専用ツールなどが代表的です。どのツールを選ぶかによって、できることや利便性、費用などが変わるため注意しましょう。

ツール選びにおいては、自社の予算や従業員数などを考慮して進めるとよいでしょう。予算が少なく、利用人数も少ないのなら、エクセルでも事足りるかもしれません。利便性の高さを求めるのなら、有料の専用ツールがおすすめです。

細かい質問を収集

社内FAQで整理する質問を、各部署から集めるステップです。各部署の担当者にヒアリングし、どのような質問がよく寄せられているのかを把握しましょう。

できるだけ、細かい質問を集めるのが大切なポイントです。大ざっぱな質問では、従業員が求める情報をなかなか見つけられないかもしれません。あらゆるケースに対応できるよう、細かい質問を集めていきましょう。

簡潔な回答を作成

集めた質問への回答を作成します。回答を作成するときは、誰が読んでもわかりやすいように記すのがポイントです。新入社員からベテランまで、あらゆる従業員がアクセスする可能性があるため、わかりやすさを重視しましょう。

冗長になりすぎるのもNGです。要点がわからなくなってしまうため、できるだけ簡潔にまとめましょう。また、関連した質問があるのなら、そちらへのリンクを設置すると、よりマッチした答えを見つけられる可能性があります。

運用・更新

完成した社内FAQの運用を始めるステップです。完成したらそこでおしまいではなく、社内FAQは定期的に更新を行い、アップデートを繰り返す必要があります。また、社内FAQは、組織の全員で運用し、成長させていく必要があります。ただ、誰も管理しない状態では、不要なものや誤った情報が追加される可能性もあるため、管理者を決めておきましょう。

運用を開始したあとは、従業員に使用感について質問をしてみましょう。使いにくい、説明がわかりにくい、といった声があるのなら、すぐに対応して改善を行います。分析と改善を繰り返し行うことで、より使いやすく実用的な社内FAQへと昇華させられます。

社内FAQを作成したのに使ってくれない! その原因とは?

社内FAQを作成しても、従業員が使ってくれないとなると意味がありません。ただ、実際このようなケースは少なくないため、注意が必要です。うまく運用できるよう、使われなくなる原因を把握しておきましょう。

情報量が少ない・古い

情報量が少ないと、アクセスしても求める答えを見つけられないため、利用者が少なくなってしまいます。情報が少ない理由は、作成時に細かい質問まで回収できていないことが考えられま

す。

また、古い情報を残さないよう注意しましょう。アクセスしても古い情報ばかりとなれば、利用者の役に立たず、結局使ってもらえません。古い情報をそのまま信じてしまい、誤った対応をしてしまう、といったリスクも考えられます。定期的な更新を怠ると、このような事態が発生するため注意してください。

そもそも社内FAQがどこにあるのか分からない

社内FAQがどこにあるのかわからない状況では、適切な運用につながりません。利用したいと思っても、どこにあるのかわからず、結局担当部署に連絡して質問する、といったことが起きてしまいます。

質問をしたい従業員が、スムーズにアクセスできる体制を構築する必要があります。社内ポータルサイトを運用しているのなら、トップページのわかりやすい位置に設置する、FAQへアクセスできるQRコードを配布するなどすれば、状況を改善できるでしょう。

使いづらい

そもそも使いづらいとなると、利用する気になれません。あらゆる情報がストックされていても、使いづらいと必要な情報にアクセスしにくく、結局人に聞くことになってしまいます。

コンテンツを充実させるのは大切なポイントですが、使いやすさにも着目しなくてはなりません。従業員に使ってもらわなければ意味がないため、作成時にはそのあたりの設計をよく考えましょう。構築したあと試用してもらい、使いづらさがないか確認するのもひとつの手です。

社内FAQはツールがおすすめ

社内FAQを手書きで作成するとなると、膨大な時間を要してしまいます。あまり現実的とはいえないので、ツールを用いて作成を進めましょう。以下、社内FAQの作成に役立つツールを、いくつかピックアップしました。

Excel・スプレッドシート

エクセルやスプレッドシートなら、導入している企業が多いため、すぐにでも作成と運用を始められます。質問と回答をセルに入力するだけなので、作成も簡単です。すでに導入してあるのなら、新たなコストが発生する心配もありません。

一方、エクセルやスプレッドシートに慣れていない方は、操作が難しいと感じる可能性があります。また、専用ツールに比べるとできることが少なく、情報の検索性も劣ります。

チャットボット

チャットボットを、社内FAQに活用するケースも増えています。知りたい情報について質問すると、ボットが答えてくれるため、スムーズに答えを導き出せます。

ただ、基本的にチャットボットは、ロボットに学習させる必要があり、使用頻度によっては検索性が悪くなるため注意が必要です。従業員があまり使っていないと、ロボットが学習できず、マッチする回答を表示できないのです。

ナレッジベースツール

ナレッジベースツールは、社内のノウハウやナレッジを集約、管理できるツールです。ノウハウやナレッジの一元管理ができ、情報共有も容易に行えます。画像や動画も挿入できるため、より従業員にわかりやすい社内FAQを構築できます。

また、ナレッジベースツールは検索性の高さも魅力です。キーワードで簡単に情報を検索できるため、必要な情報へすぐアクセスできます。製品によって機能や費用が異なるため、比較しつつ検討してみましょう。

ナレッジベースツールの「GROWI.cloud」では、非エンジニアでもナレッジベースを手軽に作成できます。テレワークを推進する企業に必須のセキュリティ面も万全で、アクセス認証も容易に行えます。ナレッジベース作成を検討しているなら、まずは「GROWI.cloud」を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

社内FAQの導入により、従業員はいつでも知りたい情報へアクセスできる環境を整えられます。ヘルプデスク担当の負担を軽減でき、業務効率化や生産性向上につながるなど、多くのメリットも得られます。作成のポイントを踏まえたうえで、ツールを活用し効率よく社内FAQの構築を進めましょう。

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