社内の情報共有を成功させる方法とは? ありがちな失敗も解説

2023-12-04

社内の情報共有を成功させるためには、その重要性を社内に広く周知する、責任者やルールを決めるなど、いくつかのポイントを押さえることが必要です。この記事では情報共有の重要性を解説した上で、成功させるための方法や、役立つツールについて紹介します。

社内の情報共有を怠るとどうなる?

「情報共有は重要だ」と耳することはよくあるかと思いますが、なぜ重要なのかをきちんと理解されているでしょうか?

ではまず、社内の情報共有を怠ることで、いったいどのような問題が起きるのか見ていきましょう。

業務効率が低下する

まず、適切に情報共有が行われていないと、必要な情報を探すのに余分な時間がかかってしまい、業務効率が低下します。

本来、情報共有されていればおのずと情報が自分の手元に届いていたはずなのに、情報共有がされないことによって、その情報を自分の手で探し出さなくてはいけないのです。

また、自分が損するだけならまだしも、その情報を人に聞いたりして相手の時間を取ってしまっては、会社にとっての大きな損失となってしまうでしょう。

顧客や取引先との関係が悪化する

スムーズに必要な情報にたどり着けないことで、企業にとって大きな損害につながる例もあります。たとえば現場に必要な情報がきちんと伝わっていなかったため、納期に遅れるといった経験をしたことがある方は少なくないでしょう。


顧客や取引先などから問い合わせを受けた際に、必要な情報の検索に時間がかかればその分だけ回答も遅れてしまいます。その結果、顧客や取引先からの評価が下がってしまい、相手にされなくなることさえあり得るのです。

社内の連携が損なわれる

他のメンバーが何をやっているのかがわからない状態では、社内の連携・協力が上手くいきません。

例えばもし一つのタスクに2時間ずっと困っているAさんがいたとします。

もし社内の情報共有が円滑に行われいて、Aさんが「今このタスクをやっていて、難しくて困っています」と他のメンバーに共有できていたとしたら、すぐ手を差し伸べてくれる人がいたことでしょう。

また、タスクに着手する段階で、そのタスクが得意な人がいれば代わりにやってあげる人もいたかもしれませんね。

社内の情報共有を改善することによるメリット

社内の情報共有を怠ることによって発生する問題は前のセクションで解説しました。

では、続いて社内の情報共有を改善することによるメリットは何かを見ていきましょう。

属人化を防ぎ、業務効率が向上する

適切な情報共有が行われていない企業では、情報を持っている社員しか対象業務を進められない「属人化」を防げません。属人化が顕著である場合、その社員が不在だったり退職したりしたときに業務が滞り、損失につながります。


逆に情報共有が適切に行われていれば、仮にその社員がいなくても他の社員が代わりに対象の業務を進められます。他の社員の視点によって、業務の品質や効率を改善できる場合もあるでしょう。

会社独自のナレッジ・ノウハウを蓄積できる

社員が取得した情報は、企業にとっては大切な財産です。個々の社員が得た情報は、それがそのときは些細に見えても、将来的に仕事を成功させたり、新たなビジネスを生み出したりする上で役立つヒントになるかもしれません。


優秀な社員が獲得したノウハウは、他の社員も活用できる可能性が高く非常に貴重です。これらのナレッジやノウハウが適切に共有されれば、社内の業務効率化・生産性向上も実現できます。

ナレッジやノウハウは、時間が経過すれば使えなくなったり陳腐化したりしてしまう危険性もあります。そのため、常にアップデートやブラッシュアップが必要です。
情報共有がきちんと行なわれていれば、最新の状態に保つのも容易になります。企業にとって重要なナレッジ・ノウハウを、長く活用し続けられるようになるのです。

社内でのコミュニケーションが活性化する

情報共有のほとんどは、社員間でのコミュニケーションによって進められます。そのため情報共有を徹底することは、社内のコミュニケーション活発化につながるのです。
コミュニケーションが活性化することにより、社内の雰囲気も明るくなり社員同士の人間関係も円滑になって連帯感が醸成されます。何らかの問題が発生した際も、互いにフォローし合える環境となり、より迅速に解決できるようになるでしょう。互いに議論をかわす機会も増え、部署の垣根を超えた有意義な取り組みが生まれるかもしれません。

社員への研修や教育のコストを削減できる

情報共有が進み必要な情報が一か所に集約されたり、マニュアル化されたりすることで、社員の教育や研修がスムーズに行えるようになります。業務を引き継ぐ社員は必要な情報をすぐに検索できますし、新人も分からないことを自分で調べられるようになるのです。

新人研修や業務引き継ぎにかけていた期間も、今までより短くできます。その結果、社員研修にかけていたコストも削減されます。また引き継ぎや教育にかけていた社員の工数は、他の業務にあてられるので生産性の向上にもつながるでしょう。

顧客満足度が向上する

情報共有が徹底されれば情報検索の時間もかからなくなり、顧客から問い合わせがあった際も迅速に回答できるようになります。回答は、正確であることはもちろん重要ですが、速やかであれば顧客の満足につながるのは言うまでもありません。
情報共有が徹底され社員対応が平準化されれば、社員によって対応に差がある場合と比べ顧客満足度が改善されます。そうすれば、サービスの継続利用やリピーターの獲得にもつながるでしょう。

社内の情報共有を促進するためのポイント

情報共有の取り組みが社内にうまく浸透せず、失敗してしまう事例は少なくありません。方法が適切でないと、習慣や意識を根付かせるのは困難です。情報共有を徹底するために、以下の4つのポイントに気を付けましょう。

社内全体へ情報共有の重要性を周知する

情報共有を徹底するには、その重要性やメリットを社内全体に周知して、情報共有を行うモチベーションを高める必要があります。多くの社員は、日々の業務に忙殺されているものです。情報共有の必要性が理解できないと、従来の業務に比べ優先度が低いと判断し、後回しにしてしまうでしょう。
そのため、ミーティングや研修などで情報共有の必要性やメリットを繰り返し説明し、意識を高めていく必要があります。本記事の前半の内容から、自社にとって特に関係の深いものを一つずつ選んで説明できるかもしれません。

情報を発信するリーダーを決める

情報発信のリーダーを決めて率先することで、他の社員も取り組みやすくなります。情報共有を進めるための仕組みや環境が整っていても、実行する人が少なければ廃れてしまう可能性があります。


リーダーは自社で情報共有を進める目的や方向性を理解し、それを他の人に伝えなければなりません。各社員の発言や業務の進め方に関してアンテナを張り、役立ちそうな情報を拾い上げ、チーム内で共有することも必要です。そのようにして情報共有の意識を高め、メリットを実感できるようにします。


なお、リーダーが固定されたままだと属人化され業務がスムーズに回らなくなる可能性もあるため注意が必要です。何人かがローテーションでリーダーを務めるなどして、責任を分散し属人化を防ぎましょう。

情報共有がしやすい環境を整える

社員が情報共有に取り組みやすい環境作り・雰囲気作りも重要です。

上長や発言力の強い一部ベテラン社員に意見を述べにくい環境では、情報共有も進みません。意見交換する機会を定期的に設け、そのような場でリーダーが率先して質問や意見を述べるようにすることで、風通しを良くする必要があるでしょう。


また、新人も含めて誰もが情報共有の仕方や内容で迷わないように、情報共有のフォーマットやマニュアルを用意し、見やすいところに提示しておくことも有効です。


さらに、情報共有をした回数を人事評価に含めることで、直接的なメリットを感じられるようにし、情報共有を積極的に行うように後押ししましょう。

ルールを整備する

効率的に情報共有をすすめるためには、そのためのプロセスやルールの整備が欠かせません。


情報共有のプロセスに関し、「何が必要か」だけでなく「何が不要か」も明示することで、作業の無駄が発生しにくくなります。社員が情報共有をしようとする度に「どうすればいいか」と迷うこともありません。


ルールを整備しておけば、チームにおける情報共有の方法が一本化され、情報を利用しやすくなります。例えば、情報を検索する際も、ファイルの命名の仕方が一定のルールに従っていれば、欲しいものを容易に探し出せるでしょう。

社内の情報共有が失敗する例

情報共有はどのような場合に失敗してしまうのでしょうか。以下、主な失敗の事例を紹介します。自社で情報共有を成功させるための参考にしてください。

情報共有のプロセスが統一されていない

プロセスが統一されていないと、情報共有は失敗します。

ある人はメールで、ある人はチャットツールで、といった具合に方法がばらばらだと情報共有は進みません。情報共有を成功させるには、ツールを共通化する必要があります。

その上で、毎週決まった日時に情報発信を行うといったルールがあれば、情報を確認する習慣が定着するでしょう。

情報の更新が早すぎるSNSやメールのみしか使っていない

SNSやメールは手軽に情報共有できるツールですが、更新が早すぎて大切な情報が埋もれやすいのがネックです。タグ付けなどの機能を活用することで、ある程度は目立たせることが可能ですが、限界があります。


「例の案件はどうなっていますか?」「Aまで進みましたが、Bはまだです。」といった、リアルタイムでのコミュニケーションや情報共有には向いていますが、ある程度長期間にわたって参照したい情報の共有にはあまり適していません。情報共有のプロセスとして他の方法も併用するようにしましょう。

情報の一元管理ができていない

情報を一元管理する担当者が決まっていないと、混乱を招いてしまうおそれがあります。スムーズに情報共有を進めるためにも担当者を決め、責任をもって情報を発信したり、適切に管理したりすることが必要です。


一方、担当者が固定化すると属人化を招くので、それも避けなければなりません。複数のメンバーで担当者をローテーションさせるといった工夫も求められます。

意見を言いやすい雰囲気ではない

互いに意見を言いにくい環境であれば、情報共有が進捗しないのは言うまでもありません。その結果、有益な情報があっても個々の社員だけが把握していて社内に広まらなくなってしまいます。


意見を言いやすいオープンな環境作りが求められます。上司が率先して情報を発信し、情報共有の有効性を理解してもらうのも良い方法です。

社内の情報共有にはツールの利用がおすすめ

社内の情報共有を成功させるためには、専用のツール利用が推奨されます。以下、使えるツールの具体例とおすすめの理由をお伝えします。

↓の記事では、おすすめの情報共有ツールを紹介しています。
https://growi.cloud/blog/89

ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。

ツールを利用するメリット

情報共有ツールを使えば、社内の誰もがいつでもどこからでも端末の種類を問わず情報の発信やチェックが可能です。各自が別々の方法を使っていた場合と比べ、ツール導入することで情報共有の方法が共通化されるというメリットもあります。


結果的に、コミュニケーションが取りやすくなり、知識の属人化も防げます。同じことを何度も繰り返し聞かれることも少なくなるでしょう。

社内チャットツール

社内チャットツールとは、チャット形式で手軽にコミュニケーションがとれるツールです。メールのように決まりきった定型文を常に挿入することなく、フットワークの軽いコミュニケーションがとれます。
無料で利用が可能なもの、スマートフォンのアプリが用意されているものも多く、導入のハード

ルは低いと言えるでしょう。社内チャットはMicrosoftのTeamsにも搭載されていますが、その他、よく使われるツールとして以下が挙げられます。

Slack(スラック)
高い拡張性をもつ社内チャットツールです。各種APIが用意されており、メールをはじめさまざまな外部ツールと連携できます。

Chatwork(チャットワーク)
日本製の社内チャットツールで、IT知識の少ない社員でも使いやすいUIが特徴的です。宛名に「~さん」が自動付与されたり、過去のやり取りを検索しやすかったり、といった点が評価されています。

LINE WORKS
個人向けのLINEと操作方法が同じなので、社内に浸透しやすいのがメリットです。スマートフォンで利用でき、飲食店や小売のように普段PCを使う機会が少ない業種にも適しています。チャットだけでなくスケジュールやタスクの管理も可能です。

社内報ツール

社長の声や経営理念の共有などを行うための社内報を、オンラインで簡単に発行・共有できるツールです。「Web社内報」とも呼ばれます。紙の社内報に比べスピーディーに発行できる上に、オンラインで閲覧できることから社員に読んでもらいやすいのがメリットです。
以下、主な社内報ツールを紹介します。

TUNAG
経営者の声を社員へ適宜届けるのに適したツールです。社長ブログや動画メッセージ、タイムラインをはじめ、さまざまな機能を搭載しています。

ourly
シンプルさを追求したUIが特徴で、記事の入稿・管理・分析が直感でできるところが魅力です。SNSのように気軽にコメントできる仕様であるため、社内メンバーに抵抗感なく利用してもらうことができます。

TSUTAERU
社内報の他、動画共有、個別チャットなどを備え、社員エンゲージメントを高めるのに適した社内報ツールです。公開日指定や既読率を把握できるダッシュボードなど、機能が豊富にそろっています。

社内wikiツール「GROWI.cloud

社内wikiツールとは、社員が簡単に情報を発信できる社内wikiを運用するためのツールです。テキスト情報の共有以外に、変更履歴の管理やリアルタイムでの同時編集、変更管理などが行えます。社内wikiはPukiwikiのようなオープンソースを使って無料で作成することも可能ですが、専用ツールを使えば作業を簡略化できます。

なかでも社内wiki・ナレッジベースツール「GROWI.cloud」は、強力な編集機能を備え、テキストも図表もさくさくと作成できるのが特徴です。管理者向け機能も充実しており、チームが拡大してもスムーズに対応できます。

サポートも充実しており、エンタープライズにも対応しています。中小企業から大手企業まで幅広い規模の企業ユーザーに支持されているツールです。さらに高機能ながら、ベーシックプラン(上限ユーザー数25)であれば5,500円/月~から利用できます。

情報共有を成功させるためには、ルール整備やツール選びが重要です。リアルタイムの情報共有に便利な社内SNSのほかに、重要な情報を長期的に保存しておける社内wikiツールの利用も検討するとよいでしょう。

まとめ

社内の情報共有を成功させるためには、その重要性を周知したり方法を整備したりする必要があります。情報共有の方法として手軽な社内SNSは必要な情報が埋もれる可能性があることから、社内wikiとの併用が有効です。中でもGROWI.cloudを使えば、強力な編集機能で質の高い社内wikiを運用できます。