クレーム対応に関するマニュアル作成の仕方とは?作成のコツやポイントをご紹介!
お客様のクレーム対応に関するマニュアルが社内になくて困っていませんか。
クレーム対応のマニュアルを作成すれば、対応の精度やスピード感にポジティブな効果を得られるでしょう。
この記事では、クレーム対応に関するマニュアル制作の仕方、作成コツなどをご紹介します。
Contents
クレーム対応のマニュアルを作成するメリットやその役割とは?
マニュアルを作成しておくことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
まずは、クレーム対応マニュアルの役割について解説します。
誰でもクレーム対応が可能になる
新入社員や部署異動してきた社員にクレーム対応してもらうには、その方法を教える必要があります。ただ、その都度口頭で一から教えていくのは、教える側にとっても負担が大きいでしょう。
クレーム対応をマニュアル化しておくと、本人が読み込んで対応方法に関する知識をつけられるうえ、内容を確認しながら対応していくことも可能です。誰でも基本的なクレーム対応ができて、経験の少ない新入社員も即戦力として活躍できるようになるでしょう。
対応の質のバラつきを減らす
マニュアルがないと、個人によって対応の差が生じてしまう危険性が高まります。担当者によって対応の仕方が違うと、お客様に不信感を抱かせてしまう原因になるかもしれません。
マニュアルの作成はクレームへの対応を均質化して、クレーム対応の適切にするためのサポートする役割があります。二次クレームの発生を防ぐ効果も期待できるでしょう。
一から個人で教えていく場合は、教育を担当する人によって教える内容にバラつきが出てしまうこともあります。教える人によって言うことが違うと、教えられる側は戸惑ってしまうでしょう。クレーム対応のマニュアル化は、社内教育の側面から見ても良い効果が期待できるのです。
業務の効率化を図れる
新入社員や部署異動してきた社員に対して口頭で対応方法を教えていく場合、教育のために多くの時間をかける必要があります。通常業務と並行しながら教育する場合は、とくに教える側にとって負担が大きくなります。
また、教えてもらう側が説明される内容をメモするのも大変なうえ、メモするための手間もかかってしまいます。クレーム対応をマニュアルにしておき、内容を読むことで基本的な知識をつけられ、メモをとる手間も省けます。マニュアル化は教育のリソースを省き、社内全体の業務の効率化につながるのです。
迅速な対応ができる
マニュアルがない場合は、担当者がその都度どうしたらよいかを考える必要があります。迅速さが求められるクレーム対応にもかかわらず、無駄な手間取りや時間の消費につながりかねません。
しかし、マニュアルがあれば、基本的に決められた手順に沿ってクレーム対応できます。あらかじめ定められた流れの通りに対応していくことで、スピーディな対応が可能です。
担当者が受ける精神的なストレスが軽減する
クレームを受ける担当者に、精神的な負担がかかってしまうケースもあります。お客様の理不尽な主張を聞いたり、ときには暴言を浴びせられたりすることも少なくありません。
担当者へのストレスが大きくなりがちな悪質なクレームの場合は、クレーム対応を個人になるべく委ねないようにするためのマニュアルの作成が役立ちます。
また、マニュアルに沿って対応することで誰でも同じような対応ができるようになるため、悪質なクレームを担当してしまうことになった特定の担当者に負担が集中することも防げます。
クレーム対応のマニュアルを作成するための5つのポイント
ここで、クレーム対応のマニュアルを作る際に知っておきたい5つのポイントを紹介します。
事例は多く集める
対応している担当者から実際に起きたクレーム事例を聞き出し、できるだけ多くの事例を集めましょう。
多くの事例をもとにマニュアルを作成することで、さまざまなタイプのクレームに対応できるマニュアルが作れるうえ、それまでに培ってきたノウハウも反映させることが可能です。
起こりそうなクレームの内容を想像してマニュアル作成する方法もひとつですが、まずはこれまでに起きた事例や解決までの流れを把握し、参考にできる事例をマニュアル作成に活かしましょう。
検索しやすいようにする
多くの事例をもとに作成したマニュアルの中から、状況に応じて見たい項目をすぐに見つけられるようにすることも重要です。
後から見返したときに目的のページがなかなか見つからない、見つけるまでに時間がかかるとなっては、使いやすいマニュアルとは言えません。
目次を作ったり、検索しやすいようにしたりと工夫しましょう。提供した商品の質などに関するクレーム、接客態度に対するクレーム、お客様の勘違いなどから発生したクレームなど、一口にクレームと言ってもいろいろな種類があります。
そのため、クレームの種類に分けて記載したり、リスト化したりすることで、後から見やすくしておくこともポイントです。
フローチャートを使用する
だらだらと文章だけでマニュアルを作成すると、説明が不十分であったり、読み手にとって分かりにくかったりすることもあるため注意が必要です。
そのため、クレーム発生から解決までの対応の流れをフローチャートに沿って記載、図解して簡潔に説明するなどの工夫を施しましょう。時系列に沿って手順を図や矢印で示すことで、全体像を把握しやすくなります。
順を追って記載すると流れに沿って対応できるため、見やすくて実効性の高いマニュアルになるでしょう。
定期的な修正や追加をする
マニュアルは一度作って終わりではありません。さまざまなクレームに対応していくにつれて、マニュアルもアップデートさせる必要があります。
実際にクレームに対応している担当者の意見を定期的に収集し、柔軟に修正や追加してマニュアルの定期的に見直しましょう。社内の環境だけでなく、社会情勢や環境の変化に伴い既存のマニュアルでは不都合が出てくることもあります。
鮮度の高いクレーム対応マニュアルにしておくことで、リアルタイムでの有効性・実用性も高まるでしょう。
読み手に伝わりやすいように記載する
クレーム対応に関して知識や経験の有無によって、理解できる内容やスピード感に差が生じます。マニュアルを作成する際は、クレーム対応について知識のない人でも分かるように記載することがポイントです。
職位や経験問わず、誰が見ても分かるように記載しましょう。基本的に専門用語は使わずに作成します。もし専門用語を使う場合は、近くに解説を入れておくと親切です。マニュアルを作成する人にとっては当然知っているだろうと思う事柄も、クレーム対応の経験がない人は知らないケースもあります。
現場の声や新入社員の意見なども取り入れつつ、読み手が分かりやすいマニュアルを作成しましょう。
関連記事:マニュアル作成前に知りたい!気をつけるべき言葉遣いのポイントとは?
クレーム対応のマニュアルの作成手順と必要項目
作成の手順や記載が必要な項目について、順を追って解説します。
作成のスケジュールを立てる
まずはいつからマニュアルの運用を開始するかを決めます。完成させたい日から逆算して、必要な人数や日数などを考慮し、計画を立てます。
クレーム対応マニュアル作成の担当部署や、担当の責任者を決めておくとスムーズでしょう。通常業務と並行しなくてはならない場合は、業務に悪影響を及ぼさないように配慮します。
1日のうちにどれくらいマニュアル作成に時間を費やせるのかを計算し、必要な日数を確保します。
目的を明確にする
「クレーム対応を均質化したい」「マニュアルに沿って対応することで誰でも業務にあたれるようにしたい」など、クレーム対応マニュアルを作る目的や用途を明確にしましょう。
そうすることで部門や担当者など読み手が想定できるため、読み手に合った言葉や用語を使ってマニュアルが作成できます。
また、目的がはっきりすると、マニュアルに含めるべき要素や範囲も絞られます。あまりにボリュームのあるマニュアルは、作成の担当者にとっても読み手にとっても負担が大きいです。
あらかじめマニュアルの目的を決めておくことは、実際に活用しやすいマニュアル作りに役立ちます。
関連記事:マニュアル作成における目標設定の重要性
情報収集する
これまでに起きたクレーム事例や、解決までの流れなどの情報をクレーム対応の担当者から集めます。より多くの事例を収集することで、幅広いケースに対応できるマニュアル作りができます。
商品に対するクレームや接客態度に対するクレームなど、さまざまなジャンルのクレーム事例を集約して適切なマニュアル作りに活かしましょう。
目次や構成を決める
いきなり文章を書き始めると、内容にまとまりがなくて読みにくくなりがちです。まずは目次や構成といった全体の骨組みを決め、マニュアルの目的や方向性から逸れないように注意しましょう。
目次を作るとどこに何が記載されているのかが分かりやすく、知りたい事項を見つけやすくなります。階層構造にしておくと、内容の全体像や関連事項も把握しやすいです。
項目をリストアップして分かりやすく記載
集約した事例をまとめ、記載が必要と思われる内容をリストアップしましょう。クレームの種類別にまとめたり、時系列に並べたりすると分かりやすくなります。
また、記載する内容に理由付けをすると説得力が生まれます。フォーマットや文字の大きさ、フォントは事前に決めておき、全体を揃えると見映えがきれいになるでしょう。
文章ばかりではなく図や表、画像なども活用すると読みやすくなります。
必要項目を記載する
クレーム対応マニュアルにおいて、どのようなことを記載すると良いのかも気になるポイントですよね。必要項目として、クレーム対応に関する基礎知識が挙げられます。
まず、クレーム対応では相手のクレームに対して、しっかりと傾聴している姿勢を示すことが必要です。きちんと話を聞いてもらっていると感じてもらうために打つべき相槌や、受け答えの仕方などを記載しましょう。
また、事実確認も重要です。いつ、どこで、誰が、誰に、何を、なぜ、どのように、どのくらい、いくらなどの情報を確認し事実を把握する必要があります。
お客様への解決策の提示も記載しましょう。お客様に誠意が伝わるようにすること、個人の判断ではなく会社のルールに従った解決策であることなどもポイントです。
仮運用で改善点を確認する
完成した仮マニュアルを周囲の人に確認してもらうと、作成した本人が気付かなかった点が分かることもあります。
また、可能であれば実際に仮運用してみるのも良いでしょう。もっと必要な項目が明らかになることがあります。仮運用をもとに改善点はないか確認しましょう。
配布する
マニュアルを活用してほしい人、必要とする人に使用してもらえるように配布の範囲を決めます。配布方法には、紙・データ資料・オンライン閲覧などがあります。
マニュアルの利用者、セキュリティ面なども考慮して運用しやすい方法を選択しましょう。また、マニュアルには必要に応じて要素の修正や追加もありますが、その際に容易に変更ができるようにしておくことがおすすめです。
定期的に更新する
マニュアルは適切に管理し、運用し続けることが重要です。
クレーム対応する現場の声を聞きながら定期的に見直して、現状に合わせてアップデートしていくことで、担当者が使いやすく、正しく機能するマニュアルになります。
クレーム対応のマニュアル作成を効率化させるツール
マニュアルを作成するには、ツールを使うのがおすすめです。ビジネスシーンで使われることの多いExcelやWordなどをはじめ、そのほかの有料ツールについてもご紹介します。
Excel・Word
Microsoft社が提供するExcelやWordは、ビジネスシーンで活用されることの多いツールです。
Wordは文章作成によく利用されますが、図表や画像などを多く取り入れたい場合はExcelがおすすめです。棒、折れ線、円グラフなどのさまざまな種類のグラフを作成することも可能です。使いこなすことでマニュアル作成の作業効率をアップできます。
マニュアル作成のためのツールは多く提供されていますが、コストが気になって導入をためらうケースもあるでしょう。その場合、一旦は使い慣れたExcelやWordを使ってマニュアルを作り、マニュアルがあることの効果を検証してみるのもひとつです。
機能は制限されますが、ExcelやWordは無料で使うことも可能です。本格的なマニュアルを作成する際には、便利な機能を搭載した有料ツールに移行すると良いでしょう。
NotePM
社内の知りたいことが見つかる、ナレッジ共有に特化した社内wikiツールです。マニュアルに限らず、議事録や社内報、報告書などの作成や共有ができます。
矢印や吹き出しといった画像編集機能や、強力な検索機能が備わっているのが特徴です。ファイルの中身も全文検索できるため、知りたい情報が見つけやすいでしょう。
フォルダとタグ機能で情報を整理しやすいという特徴もあります。アクセス権限の設定も柔軟で、ページを見た人の履歴も分かります。変更履歴も自動で記録できます。
また、コメントやいいね機能によってコミュニケーションをとることも可能です。料金は月額4,800円(税込)~の月額制です。プランによって利用人数やストレージ容量などが変わってきます。
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まとめ
クレーム対応のマニュアルを作成すると、業務の効率化や対応の質の均一化などに役立ちます。特定の個人への負担も軽減され、誰でもクレーム対応ができるようにサポートします。
マニュアルを作成する際は、多くの事例をもとにすることや検索しやすくすること、読み手に伝わりやすいように工夫することなどがポイントです。
作成する際にはスケジュールを組み、計画的に進めましょう。まずは構成や目次などの骨組みを決め、その後内容を肉付けしていく流れで進めます。
マニュアルの作成にあたっては、ExcelやWordを使う方法もありますが、より共有しやすく、便利な機能が使えるマニュアル作成のための有料ツールを活用するのもおすすめです。