社内情報共有に活用|ビジネスフレームワーク(問題の整理)

2024-03-29

前回は社内情報共有に活用できるビジネスフレームワークとして問題の抽出方法、「As is/ To be」「6W2H」「なぜなぜ分析」「コントロール可能/不可能」分析についてご紹介させて頂きました。

今回は前回の問題の抽出をした後の工程、問題の整理、課題の設定、解決策の方向性を検討していくステップのビジネスフレームワークをいくつか紹介したいと思います。ロジックツリーやMECEなど聞きなれた方も多いかと思いますが、問題の大小にかかわらず、問題の抽象度やそれぞれの問題を整理する能力はビジネスを進める上において必要不可欠なスキルです。基本的なビジネスフレームワークとはなりますが、業務の進め方や情報の整理などで迷った場合は基本に立ち返るのがおすすめです。

問題整理の大まかな流れ

問題を整理するときの大まか流れとしては、「①問題の抽出で挙げた問題に対して抜け漏れ(MECE)が無いかをチェックする」「②グルーピング(分類)する」「③論理的に整理する」というのが基本的な流れになります。

問題を整理する際に重要なことは、情報の抽象度・具体度をきちんと考えて整理するということです。個人で考えるときはもちろんですが、複数人で行う場合には、それぞれの認識の違いから同じ抽象度・具体度で議論ができないとすれ違いが生じてしまうので、複数人で行う場合は特に重要です。後ほど紹介するロジックツリーの考え方を使うと、情報の抽象度、つまり情報の「階層」や「関係性」を整理して可視化することができるので便利です。

MECE(漏れなくダブりなく)を意識して問題を整理する

問題を整理する際には、情報に抜け漏れ、ダブりがないかを意識することが重要です。さまざまなフレームワークがありますが、MECEの考え方は大前提として必要な考え方です。

MECEに関して、「漏れ」があると問題に対する情報が不足したまま意思決定を行うことになるため、ミスが起きる可能性が高まります。また、「ダブり」があると思考が偏ったり、必要以上の時間を分析や議論に使うことになったりしてコストがあがることになります。特に「漏れ」については、どこかのステップで抜け漏れが発生してしまうと、最後まで気づかずに進んでしまうので、より一層の注意が必要です。

以下では、問題の整理に役立つ「ロジックツリー」「課題設定シート」について紹介させて頂きます。

ロジックツリー

「ロジックツリー」は物事を分解して考えていくことで「全体」と「部分」を網羅的に整理するフレームワークです。最初に設定した問題を、いくつもの要素に分解していきます。ロジックツリーでは右(下位の概念)に向かうほど情報が具体的に分解され、左(上位の概念)に向かうほど要約されます。問題の場所を特定する「Whatツリー」や「Whereツリー」、解決策を模索する「Howツリー」など、用いる疑問詞の種類によって、ツリーの用途を分類することができます。

使い方

  1. 「問題を設定する」:ロジックツリーの頂点となる問題を設定します。起きている問題や事象を記載します。
  2. 「主な問題を書き出す」:設定した問題に対して「Why?(なぜ)」と問いかけ、主な原因と考えられる要素を書き出します。大枠で見てどのような種類の原因があるのか、大きな分類を把握することがポイントです。
  3. 「原因を細分化する」:2.で書き出した原因に対して、さらにWhyを問いかけ、各原因を細分化して掘り下げていきます。以降、必要に応じてこの作業を繰り返します。
  4. 「ツリーを整理する」:情報を出し切ったら、各要素のつながりが論理的であるかどうか、上位概念・下位概念の関係に間違いがないかをチェックします。上位と下位が逆になっていたり、同じ階層で話の大きさがバラバラにならないよう注意が必要です。

話は少し変わりますが、ロジックツリーを作る際みなさんはどのようなツールを使われていますでしょうか?直観的にすぐ始められるのは手書きだと思いますが、その他にもパワーポイントなど様々なツールがあるかと思います。ここでは最近筆者が使ってみて使いやすかったツール「Miro」についてご紹介させて頂きたいと思います。

Miroについて

コロナの影響によりリモートワークが広がり、Web会議が増えてきたかと思いますが、「Miro(ミロ)」は直感的に操作ができ、非常に使いやすいオンラインホワイトボードサービスです。オフラインでホワイトボードを使っていた方もいるかもしれませんが、オンラインで同様のことができるようなイメージです。むしろ、オフラインより広がった議論に繋がるかもしれません。また、一人で考えを深める、アイディアを整理するのにも便利なツールです。

An Online Whiteboard & Visual Collaboration Platform for Teamwork | Miro

Miroは直感的に作成できるツールですので、普段オフラインの際に使用している付箋や矢印、枠線、などもパワーポイントで資料を作成するときと同じように作成することが出来ます。ビジュアル的にも非常に見やすいです。テンプレート的には、ビジネスフレームワークとして良く活用される「SWOT分析」「カスタマージャーニーマップ」などがあらかじめ揃っているので大変便利です。

話は「ロジックツリー」に戻りますが、Miroで作成した「ロジックツリー」を簡単にご紹介させて頂きます。

1人で考えを深めたい場合、複数人で議論を深めたい場合などに活用頂けると新しい切り口がもしかしたら見つかるかもしれません。

課題設定シート

ここでは、問題を解決するために取り組むべきことを整理するフレームワークとして「課題設定シート」をご紹介します。

①解決すべき問題若手社員の定着率が低い
②取り組む課題若手社員向けの教育プログラムや相談体制の充実を図る

【課題の要望を整理する】

6W2Hを意識して整理する
・why:所属部署の進め方についていけない、相談体制が整っていない
・How:コミュニケーションが希薄になっている
・What:新入社員のうち、10%が1年以内に辞めてしまっている
・Who:入社3年目以内の有力社員
・Whom:上司との関係に不満を持っている
・When:信頼度が高まった段階で辞めていく。
・Where:大阪事務所
・How much:一人当たり300万円の採用コスト

「課題設定シート」は問題の抽出で出てきた問題を整理し、取り組むべき課題を設定するフレームワークです。

使い方

  1. 「問題を設定する」:解決すべき問題を1つだけ書き出します。
  2. 「取り組む課題を設定する」:設定した問題を解決するために取り組む課題を書き出します。ここも1つだけです。
  3. 「課題の概要を整理する」:設定した課題に関する前提や条件、周辺情報を書き出します。6W2Hを意識して課題の概要を整理していくことが重要です。

まとめ

以上が「問題の整理」に関するフレームワークのご紹介でした。

社内情報共有ツールを導入するにあたり、なぜ導入する必要があるのか、導入するメリットは何なのか、また、導入にあたり上司をどのように説得してくべきか、など、一人で考える場合ももちろん、複数名で議論をする場合も、今回ご紹介させて頂いた「ロジックツリー」「課題設定シート」は有効です。

本記事が少しでも皆様の業務にお役に立てると幸いです。

また、GROWI.cloudは社内wikiの活用や社内情報共有ツールの導入支援を行っております。

少しでも気になった方はぜひGROWI.cloudのサイトも訪問頂けると幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。引き続き宜しくお願いします。