社内情報共有に活用|ビジネスフレームワーク(顧客分析)
社内情報共有に活用できるビジネスフレームワークとして、前回、前々回で「自社分析」のフレームワークを紹介させて頂きました。
分析のビジネスフレームワークのうち、これまでに「自社分析」についてご紹介させて頂きましたので、今回は3C分析のうちの「顧客分析」に活用できるビジネスフレームワークをご紹介させて頂きます。
顧客について分析する
さて唐突な質問ですが、読者の皆さまの会社ではどのような商品、サービスを取り扱っていますでしょうか。その商品、サービスは「誰に何を届ける」ものでしょうか。顧客を分析することにおいて「誰に何を届ける」のかという視点が非常に重要です。今回の記事では「誰に」についての情報収集や分析の手法についてご紹介します。
「顧客分析」と呼ばれるこの分析作業は、自社の商品・サービスをどのような人が利用してくれているのか、そして、それぞれの顧客がどのようなプロセスを経て自社の商品・サービスを体験してくれているのかという、2つの視点を持って分析を行います。
1つ目の「自社の顧客は誰か?」という視点については、「自社にとってのお客さまはどのような人か?」「お客さまはどのような悩みを持って自社に訪れるか?」「お客さまは何がきっかけで自社のことを知り、やってくるか?」、これらの視点が重要です。
次に2つ目の「顧客がどのようなプロセスを経て、自社の商品・サービスを体験してくれているのか」については、「顧客は点ではなく線で動いている」ということを認識することが重要です。顧客が自社の商品・サービスを体験する前後に何らかの行動があります。また、顧客が物事の認知から行動に至るまでには心理段階というものがあります。
効果的な戦略を設計するためには、大きく分けて2種類の顧客情報が必要です。1つはライフスタイル(価値観や趣味嗜好、生活のありかたなど)に関する情報。もう1つは、各心理段階でどのようなことを感じ、求め、行動をとるのかという情報です。
パレート分析
ここでは顧客の状況を分析するフレームワークとして2つのフレームワークをご紹介させて頂きます。まず、「パレート分析」についてご紹介させて頂きます。
パレート分析とは、構成要素を大きい順に並べた棒グラフと、それらの累積量(全体に対する百分率)を示す折れ線グラフを組み合わせることで、上位の一部要素が全体にどのくらい貢献しているかをみる分析方法です。
顧客と売上の関係や、営業担当者と契約額の関係など、少数の人(要素)が全体の大部分を占める現象を「パレートの法則」と呼びます。この考え方を活かして、自社への貢献度が高い要素は何か、自社の資源をどこにどのくらい割くべきか、といったことを考えるフレームワークが「パレート分析」です。
限られた資源の中で最大の成果を得るための意思決定をする際に判断材料を見出すことが出来る点が特徴です。
使い方
- 「集計してグラフ化する」:顧客ごとの売上を整理してグラフ化します。累積比率を求めて第2軸で折れ線グラフで表す点がポイントです。
- 「グルーピングをして今後の方向性を考える」:数字を整理したら、今後の方針を設計するためにグルーピングします。グループごとの特徴や共通点などを分析し、今後の方向性を記載します。
ポイント
現在の顧客を整理する中で、今回している施策が効果的に回っているか、意図を持った施策になっているかを考えることが重要です。限られた経営資源をどのように配分していくかを考えることに役立ちます。グルーピングをする際は、自社の意図をしっかりと持つことが重要です。
RFM分析
「RFM分析」とは自社にとっての優良顧客を抽出・分類する分析手法です。顧客の購買行動によって顧客をグループ分けした上で、各グループの性質に合わせたマーケティング施策を実行していくために行うものです。最終目的はLTV(顧客生涯価値)の最大化にあります。
具体的には、顧客を「Recency(最新購買日)、Frequency(購買頻度、累計購入回数)、Monetary(累計購入額)」の3つの項目を切り口として、分類・分析をします。
使い方
- 「評価軸の定義と指標化」:RFMの各項目について、それぞれの定義や分析をする期間などを分析の目的に応じて設定します。後にグルーピングを行うために、各評価軸を点数化できるような指標を設定します。
- 「情報を収集して整理する」:収集した顧客の売上データをシートに入力します。一覧シートにRFMの項目の数値をそれぞれ入力して、総合点数を算出します。
- 「グルーピングして戦略・戦術の検討を行う」:点数を算出し、目的に応じてグルーピングをします。基本的にはRFMの合計点数で分けますが、その他の軸で分類しても問題はありません。作成したグループごとにアプローチの方向性を考え、具体的な戦略・戦術の設計を行います。
ポイント
合計点で見るのも一つの手法ですが、RFMのいずれかの項目の値が高い場合は優良顧客化できる可能性が高いので、各項目の数値に焦点をあて、潜在的な優良顧客として認識、キャンペーン等を設計するのも効果的な手法です。また、RFM分析により、最近みかけない(離脱した)顧客や逆に普段「お得意様」と呼ばれるような顧客を数値化できる点に特徴があります。
まとめ
ここまで、顧客分析における「パレート分析」「RFM分析」についてご紹介してきました。
自社の顧客を客観的に具体的な数値を用いて分析が出来る点で今回ご紹介させて頂いたビジネスフレームワークは有効です。顧客の事を分析する機会があればぜひ活用を検討してみてください。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
引き続き宜しくお願いします。
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