社内情報共有に活用|ビジネスフレームワーク(戦略を考える)続き
前回は社内情報に共有できるビジネスフレームワークとして、戦略の策定に使えるビジネスフレームワークを紹介しました。
前回は「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM分析)」「アンゾフの成長マトリクス」を紹介しましたが、今回は「クロスSWOT分析」「ポジショニングマップ」について紹介したいと思います。
競争優位性をいかに見いだしていくか
前回に引き続き、ここでも戦略の方向性についての内容を書いていきますが、戦略の方向性を考えていく上で、競争優位性をいかに見出していくかが重要です。
競争優位性という言葉はよく耳にしますが、「競争優位性がある」ということを、改めて確認しておくと、「競合と比べて真似できない経営資源を当社が持っていて、その経営資源を活かすことができる状態にある」ということを指します。
競争優位性を考える際にはその商品やサービスの「市場」「商品・サービスそのものの内容」「提供方法」などに分解し、戦略の方向性を考えていくことが有効です。
クロスSWOT分析
「メリット・デメリット」「内部環境・外部環境」の軸でマトリクスを構成し、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つについて分析するフレームワークがSWOT分析でした。なお、SWOT分析については以下の記事で紹介しました。
今回ご紹介する「クロスSWOT分析」はSWOT分析で分析した「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つを軸として新たなマトリクスを構成し、戦略の方向性を検討する手法です。
SWOT分析で書き出した情報はあくまでも点の情報です。クロスSWOT分析を活用し、戦略を練るために考えるべき内容を検討しましょう。
使い方
- 「SWOT分析を行う」:SWOT分析を行い、外側のフレームの中に記入します。あまり多くなりすぎないように重要なもののみ抽出するようにしましょう。
- 「それぞれの象限ごとに戦略を考える」:各象限ごとに戦略及び対策を考えます。各象限ごとの考え方を以下に記載します。
- 「象限1:強み×機会」:機会(チャンス)と強みを最大限に発揮できるポジショニングを考えます。
- 「象限2:強み×脅威」:自社の強みを活かして、脅威(ピンチ)を克服する戦略を考えます。
- 「象限3:弱み×機会」:弱みを克服して、機会(チャンス)を活かす戦略を考えます。
- 「象限4:弱み×脅威」:弱みと脅威の組み合わせによって、最悪の事態を引き起こしてしまわないよう、リスク管理や弱みを克服する施策が求められます。
補足になりますが、上記で記載した全ての戦略は重要ですが、特に注目したいのが「象限1:強み×機会」です。最も競争優位性を発揮できる戦略であり、施策を成功させることで、その他の戦略にポジティブな波及効果を与え、相乗効果を生み出すことが出来ます。
ポイント
クロスSWOT分析を進めることにおいて、SWOT分析を丁寧に(十分な質と量の担保)行うことが重要です。記載する内容に悩んだ際は、時系列(過去の成功事例、失敗事例など)で考えたり、自社と競合を比較するなどにより、新たな考えが浮かんでくるかもしれません。
ポジショニングマップ
自社の市場の中の位置付けのことを「ポジション」と呼びます。そして、市場を分析し、その市場の中で差別化ができるようにポジションを決めるフレームワークのことを「ポジショニングマップ」と呼びます。
「ポジショニングマップ」では、顧客の目線に立ち、顧客が商品・サービスを認識する際に重視する要素を2つの軸に設定し、マトリクスを作成します。そのマトリクス上に競合他社の情報を書き出して整理をし、全体の状況を可視化します。
全体の状況を可視化した上で、自社がその市場の中で優位に立てるポジションはどこか、競争優位性を発揮できるポジションはどこかを検討します。
使い方
- 「2つの軸を設定する」:縦軸と横軸を設定します。顧客が自社の商品やサービスを認知・検討する際に、思い浮かべることや重要視することを2つピックアップし、軸に表します。
- 「競合と自社のポジションを検討する」:先に競合他社のポジションを考え、配置していきます。競合のポジションを配置した上で、自社が競合優位性を発揮できるポジションを探していきます。
ポイント
軸の組み合わせを複数考えた上で、軸の両端が対比的な関係になっているかが重要です。また、軸を考える際は、伸びている市場はどこか、競合が参入してきていないポジションはないか、自社の競合優位性を発揮できる軸の組み合わせがないか、などを考えて進めることがポイントです。
まとめ
ここまで、戦略の方向性を考えるビジネスフレームワークとして「クロスSWOT分析」「ポジショニングマップ」についてご紹介してきました。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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引き続き宜しくお願いします。