wikiとは?wikipediaとはまた意味が違うの?作り方なども詳しく解説
みなさんwikiという言葉を一度は聞いたことがあるかと思いますが、wikiはwikipediaの略語だと認識していませんか?
確かに慣用表現としてwikipediaのことをwikiと呼ぶことはありますが、厳密にはwikiとwikipediaは意味が異なっています。
この記事ではwikiとは何かといった基本から作り方、ページ作成時に使うMarkdownについて解説します。
Contents
wikiとは?意味や歴史
wikiとはWebブラウザ上で簡単にWebページを作成・編集できるCMSの一種です。
wikiは数あるCMSのなかでも先駆け的な存在として知られています。
wikiはWebページを作成する際の記述方法が簡単で、利用にあたりHTMLやプログラミングの知識は必要ありません。
またwikiは基本的に複数人が共同でWebサイトを構築・運用するためのツールとして開発されており、社内の情報共有にも適しています。
wikiでは全ての閲覧者がページを自由に編集できるようにすることも、編集権限をもつユーザーを限定することも可能です。
代表的なものはWikipediaなどのWebサイトで採用されているMediaWikiなどが挙げられます。
wikiの原型になったのは、アメリカのフトウェア開発者「ウォード・カニンガム」氏が「WikiWikiWeb」というシステムで使っていたプログラムでした。
同氏が自身で開発したこのプログラムを1995年に公開したことにより、現在に至るまで様々なクローンプログラムが作成・利用されているのです。
現在では多くのwikiソフトウェアが、誰でも自由に使えるオープンソースとして公開・配布されています。
なお、社内で作成するwikiは社内wikiと呼ばれますが、業務効率を向上させるツールの1つですので、ビジネスマンの方はぜひチェックしておきましょう。
wikiとWikipedia・Wikimediaの違い
wikiとWikipedia・Wikimediaは、よく混同されるキーワードです。以下、それぞれの違いについて解説します。
wikiとWikipediaの違い
Wikipediaは非営利団体「ウィキメディア財団」が運営しているオンライン上の百科事典です。2001年1月に英語版が登場し、現在では世界中の各言語版が公開されています。
Wikipediaは自由に閲覧できるだけでなく、誰でも自由に執筆や編集が可能です。Wikipedia上には、膨大な量の情報が掲載されています。Wikipediaの記事編集を担っているのは世界中のボランティアです。運営資金は寄付でまかなわれ、Wikipediaは今も情報を増やし続けています。
そうしてWikipediaの共同編集・執筆システムとして使われているのがwikiです。「Wikipedia」という名前は、wikiと百科事典を意味する「encyclopedia」を組み合わせて作られています。
wikiとWikimediaの違い
Wikimediaは誰でも自由に画像・音声・動画などの情報をアップロード・参照できるWikipediaの姉妹プロジェクトです。Wikipediaと同様に、Wikimediaはウィキメディア財団によって運営されています。WikimediaプロジェクトはWikipediaから遅れること約3年半後の2004年9月に開始されました。
そうしてWikipediaと同様に、Wikimediaのシステム構築用に使われているのもwikiです。wikiのシステムを利用し、Wikmedia上にもまた膨大な量のデータが掲載されています。
wikiの作り方の基本
以下、wikiを作るときの基本的な方法・手順を1つずつ紹介します。自社でwikiを作成する際の参考にして下さい。
wikiの設定を行う
wikiを使い始めるときは、その事前準備として以下の設定を行う必要があります。
・管理者パスワードの変更
使い始める際は、wikiエンジンの管理者パスワードには初期値が設定されています。管理者権限を奪われないようにするため、あらかじめ管理者パスワードを変更しておくことが必要です。
・Wikiの名前を決める
wikiの名前(ホームページ名のようなもの)を設定します。誰でも「何が掲載されているか」「何に使うか」分かりやすい名前にするとよいでしょう。
・デザインテンプレートの選択
デザインテンプレートとは、wikiの全体的なデザインを司る「ひな形」です。各デザインテンプレートにはあらかじめレイアウトや配色といった、基本的なwikiのデザインがほどこされています。デザインは使いやすさにも関わるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。
・編集権限の選択
誰がコンテンツを編集できるかを決めます。閲覧者全てに編集権限を提供することも、一部ユーザーに制限することも可能です。
その他、自社のwikiに適した設定をする必要があります。たとえば「プラグイン」という追加機能を追加する例も多いです。例えば情報を整理したり、編集をサポートしたりするプラグインが使用するwikiエンジンによって用意されているので、適宜活用します。
wikiの構成を検討する
wikiの構成とは、Webサイトの構成と同じようなものです。たとえば企業でwikiを使うのであれば、一例として以下のような構成が考えられます。
【トップページ】●●部のwiki
【大カテゴリ】・新入社員向けのページ
【中カテゴリ】・マニュアル
【小カテゴリ】・勤怠管理
【小カテゴリ】・経理計算
【小カテゴリ】・会議室予約
【中カテゴリ】・メモ
【小カテゴリ】・メモのタイトル
【小カテゴリ】・メモのタイル2
【大カテゴリ】・議事録
【中カテゴリ】・○年△月分
【中カテゴリ】・○年■月分
【大カテゴリ】・日報
【中カテゴリ】・○年△月分
【中カテゴリ】・○年■月分
「トップページ」>「大カテゴリ」>「中カテゴリ」>「小カテゴリ」のようにコンテンツを分類していくわけです。wikiの構成もWebサイトと同じように自由にフォルダ分けできます。
どのような構成にするかは、企業やwikiに掲載するコンテンツの種類によってそれぞれです。wikiの構成によって、コンテンツの分類方法や見やすさも変わってくるので慎重に決定しましょう。
なおwikiの顔となるトップページは、構成やコンテンツによって掲載する内容がかわります。たとえば上記例のように、部門ごとのwikiにするのであれば、各大カテゴリへのナビゲーションを掲載するのもよいでしょう。また用語集のようなものをwikiでつくるのであれば、索引をトップページに掲載するのも手です。
ページの作成
wikiの構成まで決まったら、いよいよページの作成です。wikiにおいてページのコンテンツは一般的に「wiki記法」と呼ばれるルールに従い作成します。
wiki記法とは、いくつかの記号を組み合わせた専用の書式設定のことです。wiki記法を使うことで以下にあげるような書式をコンテンツに反映できます。
・大見出し/中見出し/小見出し
・リスト(番号ありリスト/番号なしリスト)
・強調文字・文字サイズ・文字色
・図表(テーブル)
・右寄せ/左寄せ/中央寄せ
・画像の追加
wiki記法を使うことによって見出しの設定や文字の装飾の他、図表(テーブル)や画像の追加もできます。一般的にwiki記法のルールは、HTMLなどのプログラミング言語と比べてずっとシンプルで簡単です。ユーザーは、HTML・CSSといった専門知識がなくてもwikiのページを作成できます。
また、wikiのページを作成するにあたって、あらかじめ以下を行っておくとその後の運用がスムーズです。
<ひな形となるページを作成しておく>
wikiで作成したページは、あとから簡単に複製できます。そのため、ひな形となるページを用意しておけば、ページを作成する際にいちいち全ての内容を記述する必要がありません。複製元と異なる部分だけを書き換えればすぐに新しいページを作成できるのです。
たとえば議事録のようなページであれば、「日時」「開催場所」「メンバー」など記載すべき項目はある程度決まっています。こういったコンテンツをたくさん作成する必要があるときに、ひな形ページが役立ちます。
ひな形ページを作ることによって、ページごとにデザインや書式がばらばらになるのを防ぐこともできます。wikiの各ページを見やすく整えられるのもひな形のメリットです。
<タグを使って、ページを検索しやすくする>
タグとは各ページに任意でつけられる目印・分類用のマークです。ページにタグをつけておくことで、あとから同じタグをつけたページのリンクを任意の場所に表示できます。ただし、あまり多く作り過ぎると整理できなくなるので注意しましょう。最小限にとどめるのがコツです。
<wikiのページを作成する際のルールを決めておく>
ひな形やタグを作っても、利用してもらえなければ意味がありません。どのようなひな形やタグがあるか、社内の必要な範囲に周知して利用してもらうようにしましょう。
ページの編集
社内でwikiが使われ始めると、どんどんページが蓄積されていきます。しかし一度作成されたページがそのままで更新されなければ、情報が古くなり役に立たなくなってしまいます。
仮に情報が古いまま取り残されてしまうと、閲覧者が古い情報を参照したり共有したりする危険性があります。そういった事態を避け社内wikiを適切に使い続けるためには、定期的にページを更新・整理することが必要です。
定期的な更新を促すためにも、ひな形を充実させ更新が簡単に行えるようにすることも推奨されます。社内wikiが長く使い続けられるようにするためにも、常に情報が最新の状態に更新されるような運用を心がけましょう。
Markdownは使いにくい?使い方を覚えるコツ
Markdownを覚えるコツについてご紹介する前に、Markdownとは何か解説します。wikiの記法には複数ありますが、Markdownはそのうちの1つです。
Markdownは2004年に、アメリカ出身のライター、ジョン・グルーバー氏によって開発されました。Markdownを使うことによって、デジタル文書をHTMLより簡単に、簡略化された書式で表現できます。
それでは、Markdownを使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。以下の項でメリットをみていきましょう。その上で、Markdownを覚えるコツについても紹介します。
Markdownを覚えるメリットを整理する
Markdownを覚えるメリットの1つは、簡単かつ分かりやすく文章の構造や書式を表現できることです。Markdownではあらかじめ決められた記号を1つ以上使うだけで、見出しや強調といった文章の構造・書式を表現できます。
HTMLのように複雑な書式を覚える必要はありません。Markdownのルールに従い記載した記号は、wikiに記事として投稿した際に、見出し・強調などへ自動的に変換されます。
Markdownの内容は書式を知っている人であれば一目で理解でき、特別なアプリを使って読み書きをする必要がありません。簡単で導入しやすい点も大きなメリットです。
また、Markdownはオフラインで使える点も大きなメリットと言えるでしょう。インターネットに接続されていない環境でも、PCやスマートフォンなどさえあればデフォルトで入っているメモ帳などでMarkdownを使い簡単に文章を記述できます。前述の通り、Markdownを記述するのに特別なアプリは必要ありません。
仮にMarkdownのデメリットを挙げるとすれば、覚えるのに手間がかかることぐらいです。しかしコツさえつかめば、覚えるのも苦にはなりません。次の項で、Markdownを覚えるコツについて紹介します。
よく使う記法から順に覚える
Markdownは全てのルールを、一度に覚える必要がありません。よく使われる記法から順番に、1つずつ覚えていくのがコツです。その上で、覚えた記法から積極的に使っていけば、自然と身に付くでしょう。以下でよく使うであろう記法をピックアップしてご紹介します。
・見出し
Markdownでよく使う記法の1つが見出しです。行のはじめに「#」を入力することで見出しを表現できます。「#」の数で以下のように大見出し・中見出し・小見出しを表現可能です。
#大見出し
##中見出し
###小見出し
「#」だけで、上記のように使い分けられますから、簡単に覚えられるのではないでしょうか。
・リスト化
行のはじめに「*」をつければ、以下のように自動的に箇条書きとなります。
<変換前>
*商品A
*商品B
*商品C
これをwikiのページで表示させると以下のように箇条書き形式となるのです。
<返還後>
・商品A
・商品B
・商品C
「*」のかわりに「数字+ピリオド」を記入すれば、番号付きのリストも表現可能です。
・強調
文字の前後に、以下のように「*」をつけるだけで強調文字にできます。
*強調したい文字*
・表
Markdownでは表の記述も難しくありません。以下のように「|」でセルを区切るだけです。
|名前|メールアドレス|電話番号|
|山田太郎|aaa@example.jp|090-AAAA-BBBB|
|佐藤花子|bbb@example.jp|090-CCCC-DDDD|
ここで紹介した記法だけでも覚えておけば、wikiのページを作成可能です。まずは覚えたものから1つずつ使ってみて、少しずつ身に付けるようにしましょう。
wikiとはWebブラウザさえあれば、専門知識がなくてもコンテンツを作成できるCMSの一種です。社内wikiを使えば、社内の情報共有を促進できます。wikiでページを作成する際は、Markdownという専門の記法を使うのが一般的です。Markdownは、専用記号を1つ以上使うだけで表現できるので複雑ではありません。
関連記事: Markdownとは
まとめ
wikiとは複数人で共同作業できるWeb構築ツールです。Markdownを使って、誰でも簡単に情報をまとめることが可能です。
さらに「GROWI.cloud」のような、Markdownに対応した編集機能が搭載された社内wiki作成ツールもあり、これらを使えば運用もそこまで高いハードルではなくなるでしょう。
ちなみにGROWI.cloudは弊社WESEEKが運営する社内wiki型のナレッジベースです。
特徴
- Markdown記法をベースに、テキストや図表もどんどん書ける強力な編集機能
- 検索エンジンにElasticsearchを採用しており、欲しい情報が早く正確に見つかる
- 料金がユーザー数に左右されない月額固定制なので、コストパフォーマンスが高い
- LDAP/OAuth/SAML など様々な認証方式に対応しており、セキュリティ性が高い
GROWI.cloudは様々な企業で導入いただいています。
- プランベーシック 月額¥5,500 25人×2app 最大50人まで
- ビジネススタンダード 月額¥15,000 75人×3app 最大225人まで
- ビジネスプロ 月額¥42,000 6app ユーザー無制限
- エンタープライズ お問い合わせ
社内wiki作成ツール-GROWI.cloudが気になった方は無料トライアルでお試しください。
もし他の社内wikiも見てみたいという方がいらっしゃれば、他の記事でおすすめの社内wiki16選もご紹介しているので、ぜひそちらもご覧くださいね。